新規事業の立ち上げにあたって、どんな課題に直面しやすいのか理解しておきたい
新規事業を立ち上げることになったけど、どんなプロセスで進めていけばよいかわからない…
新規事業の立ち上げでは、立案・計画・実行のいずれのフェーズでもさまざまな課題と直面します。小さな課題でも放置すれば、後に致命的なミスを引き起こすかもしれません。
一つひとつ確実にクリアにしていくことが、新規事業成功の確度を高めることにつながるでしょう。そして、適切なプロセスで進めていくことも成功に導くための大切なポイントです。
本記事では、新規事業立ち上げで多くの人が直面する課題を、フェーズごとに紹介します。課題解決のための有益な方法や、新規事業を成功に導くためのプロセスとあわせて確認してください。
本記事で実現できること
- 新規事業でよくある課題が把握できるため、問題に直面する前に対応を考えられる。
- 新規事業をスムーズに進めるためのプロセスがわかり、事業を成功に導ける。
- 新規事業の成功確率が上がり、収益の柱がもう一つ増えて経営が安定する(安心ができる)。
それでは早速、読み進めていきましょう。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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▼目次
新規事業の立ち上げにおいてよくある課題【社内リソース】
企業資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」があります。
新規事業の立ち上げでもこれらは非常に重要ですが、4要素が課題を持つケースも少なくありません。
以下の表で、新規事業の立ち上げでよくある課題を「社内リソース」「事業計画」「事業スタート」「収益化」それぞれの段階でまとめました。
社内リソース | 事業計画 | 事業スタート | 収益化 |
1. 必要な人材が不足する 2. 予算が確保できない 3. 社内に新規事業ノウハウも経験もない | 1. アイデアが出ない 2. 市場ニーズを把握できない 3. 仮説にこだわり過ぎ 4. メンバーの統率がとれない | 1. 市場参入タイミングが分からない 2. 計画がスムーズに進まない 3. 市場反応が悪い理由がわからない | 1. 利益計画がない 2. 収益を上げる方法を知らない |
まずは、社内リソースの課題について詳しく解説します。
1. 必要な人材が不足する
新規事業では、プロジェクトチームを率いるリーダーとチームを構成するメンバーが必要です。
ところが優秀な人材がすでに社内の中核として働いている場合、プロジェクトチームに引き込むことはできません。プロジェクトチームは限られた人員の中から選ぶしかなく、選択肢が狭まります。
とくに中小規模の企業の場合、そもそも人手不足のケースもあり得ます。
社員が掛け持ちで新規事業立ち上げに関わらざるを得ない場合は、1人にかかる負担は非常に大きなものとなるでしょう。
新規事業プロジェクトがスムーズに進まない場合、社員の日常業務にさえ悪影響が出るかもしれません。
以下の記事では新規事業立ち上げにおいての「メンバー選び」や「外注すべき業務」を紹介しています。
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2. 予算を確保できない
新規事業は不確実性が高く、十分な予算を確保できないケースが多々あります。予算の確保が難しい場合は、プロジェクト半ばで予算が枯渇してしまうこともあるでしょう。
近年は「リーンスタートアップ」という、最小限のコストで効率的に新規事業開発をおこなう手法が主流です。
とはいえこの手法でも、プロトタイプを作るコストや市場調査のコスト・効果測定のコストなどは必要です。
プロジェクトマネージャーは資金が必要となるたびに事業計画書・見積りなどを作り直し、上層部と掛け合う羽目になるかもしれません。
以下の記事では新規事業立ち上げで必要な「銀行の融資審査のコツ」や「リーンスタートアップ」について詳しく紹介しています。
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3. 社内に新規事業に関するノウハウ・経験がない
既存事業と全く異なる分野で新規事業を展開する場合、企業内に必要な知識や経験が全く蓄積されていないことがあります。
新規事業の立ち上げが全くの手探りとなり、失敗の確率がグッと高くなってしまいます。どうしても社内のリソースが不足する場合、社外へも目を向ける必要が出てくるでしょう。
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新規事業の立ち上げにおいてよくある課題【事業計画】
新規事業の立ち上げで、最初のフェーズとなるのが事業計画です。
このフェーズで適切なビジョンを描けない場合、新規事業の方向性がブレてしまいます。直面する課題をクリアにして、目指す方向へと舵を取れるようにしましょう。
以下では新規事業の事業計画フェーズでよくある課題4つを紹介します。
- アイデアが出てこない
- 市場ニーズをつかみきれない
- 仮説にこだわり過ぎてしまう
- チームメンバーの統率がとれない
1. アイデアが出てこない
新規事業のアイデアは、母数が多いほど有益なアイデアを見つけやすくなります。たとえ思いつきのようなアイデアでも、思わぬヒット商品につながることもあるものです。
アイデア出しのフェーズでは、「とにかく何か出す」ことが必要となるでしょう。
とはいえ、ゼロから何かを生み出すのは容易なことではありません。とくに既存事業が多く存在する市場に参入する場合は、出てくるアイデアはすでに手垢の付いたものばかりとなる可能性もあります。社内にイノベーションを起こせるような人材がいない場合は、事業化できそうなアイデアを生み出すのは難しいでしょう。
アイデアを出す時点でつまづいてしまえば、なかなかその先のフェーズに進めません。
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2. 市場ニーズをつかみきれない
近年は消費者の価値観が多様化し、消費者ニーズを把握することが困難になっています。新しいサービス・商品を作っても、消費者ニーズに合わないものでは売れません。
新規事業を立ち上げても、早々に市場を撤退することとなるでしょう。
消費者ニーズを的確につかんだ商品・サービスを販売するためには、市場を細分化して対象顧客を絞り込むことが必要となります。
顧客の特定ができない場合は、「誰に向けたものかわからない」商品・サービスが生まれてしまうでしょう。
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3. 仮説にこだわり過ぎてしまう
顧客ニーズや市場動向などは、もともと不確定要素の強いものです。商品・サービスの市場投入までに、当初の調査とは違う方向に行くこともあるでしょう。
このとき、速やかに方向修正できるかは非常に重要です。
プロジェクトが始まってしまうと、「プロジェクト完遂」を目標にしてしまう人が少なくありません。市場・消費者動向が二の次になって、本当にニーズのある製品・サービスが作れなくなってしまうのです。
仮説はあくまでも仮説であり、途中で変わることもあり得ます。新たな情報が加わった場合は、常にアップデートしていかなければなりません。
4. チームメンバーの統率がとれない
プロジェクトリーダーにリーダーシップがなかったりチームメンバーが多過ぎたりすると、意志決定が困難です。
プロジェクトの方向性を変えたり早急な判断が必要になったりする場合も小回りが利かず、好機を逃すこともあるでしょう。
また意見の対立からプロジェクトチームに不和が生じると、生産性や効率が大きく下がります。新規事業立ち上げにも影響し、大きなトラブルとなりかねません。
チームの意識がバラバラになれば、消費者目線の商品・サービスを生み出すことも難しくなります。
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新規事業の立ち上げにおいてよくある課題【事業スタート】
新規事業のアイデアやコンセプトが固まった後も、課題は山積みです。
以下では新規事業立ち上げの事業スタート時によくある課題を3つ紹介します。
- 市場参入のタイミングが分からない
- 新規事業の立ち上げがスケジュール通りに進まない
- なぜ市場反応が悪いのか分からない
1. 市場参入のタイミングが分からない
後発で市場に参入する場合、どのタイミングで市場参入すべきかの判断が難しくなります。
わかりやすいイベントがあればよいですが、ない場合は自社で「ここ」というポイントを決めなければなりません。参入が早過ぎたり遅れたりして、千載一遇のチャンスを逃すこともあるでしょう。
市場のトレンドや消費者ニーズは常に不安定で、ちょっとしたきっかけで流れが変わります。とくに新規事業の商品・サービスがそのときのトレンドを取り入れていた場合、市場の風向きを読むことは非常に重要です。
市場の動きを常に注視し、幅広く情報を集めておかなければなりません。
2. 新規事業の立ち上げがスケジュール通りに進まない
事業計画作成時の情報収集が不十分だと、不足の多い事業計画となります。
計画をスタートしてはみたものの、トラブル続出で進捗が遅れる…、このようなことが頻繁に起こり得るでしょう。
たとえば、法改正の情報をもらしていた場合、事業途中で大幅な計画変更を余儀なくされます。法の改正内容によっては、事業計画そのものを作り直す必要があるでしょう。
また、事業計画作成時の市場調査が不十分だった場合、初期のターゲティングやセグメントで失敗してしまいます。
新規事業は最初から誤った方向で進むこととなり、いざローンチするときになって「誤った層をターゲットにしてしまった」「自社の強みを生かせないセグメントを選択してしまった」などということが判明するのです。
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3. なぜ市場反応が悪いのか分からない
新規事業をスタートさせても、市場から想定外の反応を受けることもあります。新規事業の商品・サービスの売れ行きが悪い場合は、改善して再リリースしなければなりません。
しかし、このときの分析が不十分だと、何度改善を重ねても市場からよい反応が返ってこないでしょう。これは、自社に適切な情報分析をおこなえる人材がいない場合に頻出します。
情報を集めることは比較的容易ですが、必要な情報を読み取れるかどうかは個人のスキルや経験による部分が大きくなります。 情報を誤って分析した場合、市場が望む通りの改善は不可能です。
見当違いの改善ばかりを続けて、結局撤退…、このようなケースも十分にあり得るでしょう。
新規事業の立ち上げにおいてよくある課題【収益化】
新規事業を始める以上は、利益が上がるものでなければなりません。収益化について考えた場合、「利益計画」「採算性」についての課題に当たるケースが少なくありません。
以下では新規事業の立ち上げの収益化における課題を2つ紹介します。
- 利益計画を作らなければならない
- 収益を上げる方法を検討しなければならない
1. 利益計画を作らなければならない
新規事業について金融機関や投資家等の融資を受ける場合は、利益計画の作成が必須です。数値を出して説明できることが望ましく、策定にはそれなりの手間と時間がかかります。
新規事業の利益計画に必要なのは、以下のような項目です。
- 売上の見通し
- 損益分岐点達成時の売上高
- 収支見通し
- キャッシュフロー
- 撤退基準となる損失額など
金融機関は、資産の使い方、資金の調達方法をみて、融資の判断をしています。融資の返済額を上回る利益が出るのか、どの部門でどの程度利益が出るのかなど細かく説明する必要があります。
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2. 収益を上げる方法を検討しなければならない
商品・サービスの内容は重要ですが、それを「どのように消費者に提供して利益を得るか」を考えることも大切です。
収益を上げる方法として、以下のポイントを検討する必要があります。
- どのように収益を得るのか
- いくらで提供するのか
収益を得る方法としては、
- 「高価格×低コストで特定顧客からマージンを取る」
- 「薄利多売で利益を取る」
- 「顧客を確保して継続報酬を取る」
などがあります。商品・サービスの性質・相性を見極めて適切な方法を選びます。
また、価格は、競合とのバランスや原価などを考慮することが必要です。いったん市場に出せば変更は難しいため、誰もが納得できる価格を設定しなければなりません。
「新規事業の立ち上げにあたって、どんな課題に直面しやすいのか理解しておきたい」
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新規事業の立ち上げにおける課題の見つけ方・抽出方法
新規事業立ち上げにおける課題の見つけ方はどのようにすればいいのでしょうか。
以下では課題の見つけ方と抽出方法を3つ紹介します。
- ターゲットユーザーの理解を深めて課題を見つける
- 自分自身の経験から課題を見つける
- 競合他社、先行プレイヤーから課題を見つける
1. ターゲットユーザーの理解を深めて課題を見つける
まずは、ユーザーの理解を深めて課題を見つけていきます。以下3つのプロセスで進めていきましょう!
- ユーザーの言動を観察する
- 直接インタビューする
- ユーザーの目標を理解する
ターゲットユーザーの目標を理解するために、言動・感情・環境などを観察し、抱えている課題を見つけましょう。
また、ユーザー理解を深めていくには、ユーザーの行動や感情、不満などを把握し、課題を見つけ出した上で、課題の重要性を比較しましょう。
注意すべきは課題を想像するよりも、ユーザーが実際に困っている点を洗い出すことです。
また、ユーザーから直接課題を抽出していくと細かい課題まで見つけられますが、課題の対象者が少なく、ビジネスとして成り立たないものである可能性もあります。そのため、早めに課題の規模感や課題設定の精度を確認していくとよいでしょう。
2.自分自身の経験から課題を見つける
これまでの自身が経験から気付いた問題点や専門領域からも課題は見つかります。
自信の経験や専門性が高ければ課題の解像度が上がり、他では真似できないアイデアとなり、事業推進・成長においても専門領域の経験や知見などが役立ちます。
しかし、自身の経験から課題を見つけても、特定のケースにしか適用されない状況も想定されます。また、どうしても自身の成功体験から、意見が偏る場合があるため、客観的な視点で課題と向き合うことが大切です。
3.競合他社、先行プレイヤーから課題を見つける
先行しているスタートアップ企業が解決している課題についても積極的に調査しましょう。
市場において、すでに事業展開をしている企業の課題は少なからず顕在化しています。また、先行するスタートアップが成功していれば課題を解決し、優位性を築くことも可能です。
しかし、市場が飽和している場合も多く、課題の解決方法は画期的なものでなくてはなりません。他の課題の見つけ方も絡めながら課題の抽出をしていきましょう。
新規事業の立ち上げにおける課題の解決策【フレームワークの活用】
新規事業の立ち上げにおける課題の解決策としては、フレームワークの活用と社外リソースの活用が挙げられます。
それぞれ具体的な方法をまとめると、以下のとおりです。
フレームワークの活用 | 社外リソースの活用 |
・PEST分析 ・SWOT分析 ・4C分析 ・ペルソナ分析 ・VRIO分析 ・ABC分析 ・ポジショニングマップ ・MVV | ・コンサルティング会社 ・プロ人材 |
フレームワークとは、集めた情報を一定のパターンで分析できる、有識者たちによって確立された分析手法です。
フェーズに合ったフレームワークを活用すれば、新規事業の立ち上げで直面するさまざまな課題解決も難しくありません。
ここでは、情報分析に役立つ8つのフレームワークを紹介します。
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1. PEST分析
PEST分析は、外部環境のうち「マクロ環境」、すなわち景気や社会情勢などといった「企業が手を加えられない環境」を分析する手法です。
新規事業の場合は、流通経路や営業基盤が確立されていません。既存事業よりも外部環境の影響を受けやすく、事前の外部環境分析は必須なのです。
分析の対象は、政治、経済、社会、技術です。現状をこの4つの視点から見ることで、顕在化していないリスクや市場のわずかなトレンド変化などを測りやすくなるでしょう。
2. SWOT分析
SWOT分析は、自社の内部環境・外部環境を照らし合わせて現状を分析する手法です。
- Opportunity:機会
- Threat:脅威
- Strength:自社の強み
- Weakness:自社の弱み
上記4つのカテゴリ-に当てはまる内容を入れ、クロスさせて現状を把握します。これにより自社の強み・弱みのほか想定されるリスクや逃すべきではないチャンスを把握することが可能です。
新規事業戦略の策定や参入市場を考えるときなどに役に立つでしょう。
SWOT分析について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事をご参考ください!
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3. 4C分析
4C分析は、顧客視点で商品・サービスを見る手法です。
- 顧客価値(Customer Value)
- 経費(Cost)
- 顧客利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
近年は顧客自らが情報を求めてリサーチをおこなう時代です。従来のような企業視点のみの分析をおこなっていると、顧客に寄り添った商品を生み出せません。
4C分析を適切におこなうことで、顧客がどのような価格・内容を求めているかがわかりやすくなり、顧客に適した流通経路・販売促進方法を選択しやすくなるのです。
なお、企業側視点で商品・サービスを見る手法としては「4P分析」と呼ばれるものがあります。
4C分析について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事をご参考ください!
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4.ペルソナ分析
想定ユーザーのペルソナを詳細に設定し、ユーザーニーズを分析する手法です。
ニーズを顕在化させるには、より具体的なペルソナ設定が重要です。年齢や性別、家族構成、住まい、職業などの基礎項目から、性格や趣味、ライフスタイルなどより細かく設定するほど具体的な設定ができます。
設定と検証を繰り返しながら徐々に精度を高めていきましょう。ペルソナ設定の精度が高くなれば、ユーザーニーズまでたどり着くスピードが上がります。
なお、必ずペルソナは定期的に検証・改善・更新をしておきましょう。間違っても、「1度つくって終わり」な状態にしないことが重要です。
新規事業を含むすべての商売は、購入してくれる顧客がいてはじめて成り立ちます。
その顧客像を放置するということは、商売を捨てることと同意義ですので、(くどいですが)ペルソナの検証・改善・更新は必ず実施しましょう。
5.VRIO分析
VRIO分析は、以下4つの指標から自社における経営資源を評価するための手法です。
- Values(経済的価値)経営資源があることによってどれだけ価値が生まれるか
- Rarity(希少性)経営資源が他社と比べどれだけ希少性があるか
- Imitability(模倣困難性)経営資源が他社にどれだけ模倣されにくいか
- Organization(組織)経営資源が活かされる組織が形成されているか
「仕入・製造・営業・販売」の、顧客への価値提供の流れを分析して課題を見直しましょう。VRIO分析を繰り返しおこなうことで、自社における経営資源の優位性を把握できます。
6.ABC分析
ABC分析は、売上高・コスト・在庫などの指標を評価し、優先度を定めた上で管理するフレームワークです。以下のような流れで進めていきましょう。
- 新規事業での商品の売上を算出する
- 商品を売上順に並べる
- 各商品の累積額を売上順に算出する
- 累積額を総売上高で除して累積構成比を算出する
- 商品をA・B・Cの3つにグループ分けをする
累積構成比は、累積額÷総売上高×100で計算できます。ABCのランク付けは独自に決めることができます。
商品別の売上を確認して重視すべき商品を把握することで、効率的にユーザーニーズをつかむことが可能です。また、ABC分析を定期的に実施し、経営戦略を常に改善していけます。
7.ポジショニングマップ
ポジショニングマップとは、縦軸と横軸で4つの領域を作り、競合製品やサービスと比較した自社のポジショニングを明確にするためのマップです。自社のポジションを明確にし、経営戦略を立てやすくするために使う手法です。
たとえば、縦軸を価格、横軸を年齢層に設定します。そこから、自社のポジションを見つけます。また、競合他社のポジションも検討することで、より自社の業界でのポジションが明確に分析できます。
市場が大きく、多くの競合他社が存在する業界ほど、ポジショニングマップの作成が重要になります。
8.MVV
MVVは新規事業の方向性を決める際の軸を決めるフレームワークです。
- Mission(使命)
- Vision(理想)
- Values(価値)
Missionは新規事業目標、Visionは目標達成のための理想、またはMissionを達成した後の理想、Valuesは新規事業における価値基準を指します。会社の方向性を明確化することで、自社PRにもつながり、認知度向上やファン獲得にも貢献します。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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新規事業の立ち上げにおける課題の解決策【社外リソースの活用】
課題に合わせて適切な社外リソースを活用すれば、「人材不足」「知識・実績不足」「事業計画作成」といったあらゆるフェーズの課題を解決しやすくなります。
課題に直面したときに頼るべき「コンサルティング会社」「プロ人材」の活用について紹介します。
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1. コンサルティング会社から新規事業立ち上げの支援を受ける
コンサルティング会社は、新規事業の立ち上げにおける各フェーズで、必要かつ的確なアドバイスや知識を授けてくれます。
新規事業のあらゆる課題に対応できるため、頼りになる存在となるはずです。
知識や実績のない企業は、ほぼゼロの状態から新規事業を展開していかなければなりません。精度の高い事業計画や売れる製品・サービスを生み出すのは難しく、課題に直面しても気づかないことさえあるでしょう。
このとき経験豊富なコンサルティング会社のヘルプがあれば、適切に課題を処理できます。新規事業をローンチした後も、必要があれば改善・修正の指針を示してもらえるでしょう。
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2. プロ人材
プロ人材とは「プロフェッショナル人材」のことで、主に実務経験があるベテラン人材を指します。
国が積極的な活用を推進しており、沖縄・東京をのぞく全国に「プロフェッショナル人材戦略拠点」があります。こちらに必要な人材を探している旨伝えれば、条件に合う人を紹介してくれるでしょう。
新規事業の立ち上げ経験がある人が見つかれば、課題解決に有益な視点を提供してくれるはずです。
新規事業の立ち上げを成功に導くプロセス
新規事業の立ち上げをスムーズにおこなうには、適切なプロセスに従って計画を進めていく必要があります。
発生する課題は都度適切に解消し、一つひとつクリアにしてから次のフェーズに移りましょう。
新規事業立ち上げで必須のプロセスを4つ紹介します。
- アイデア出し
- 提供する価値・ターゲットを明確にする
- 市場の将来性や競合の現状を見極める
- 事業環境を整える
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1. アイデア出し
製品・サービスは消費者目線が必要です。消費者の課題やニーズがどこにあるのかを調べ、それを解決するようなアイデアを出しましょう。
ただし、あまりにわかりやすいニーズだと、すでに競合が多く存在するかもしれません。ニッチなニーズを見つけられれば、新規事業成功の確度は上がります。
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2. 提供する価値・ターゲットを明確にする
製品・サービスにどのような価値を持たせるかを明確にします。それとともに、ターゲットについても絞り込むことが必要です。
自社の事業領域を定めやすくなり、参入市場を選択しやすくなります。
3. 市場の将来性や競合の現状を見極める
参入する市場は大きいほど有利ですが、その分競合も増えます。すでに飽和状態なら、これから参入しても将来性がありません。
新規事業で参入する市場は、成熟期前の競合が少ない市場がベターです。
4. 事業環境を整える
新規事業を成功させるためには、次の4つを整えておく必要があります。
- 知識・ノウハウ
- プロジェクトチーム
- 資金の確保
- 販売・営業ルートの確保
どれが不足しても、新規事業の課題解決は難しくなります。不足する部分は外部リソースを活用したり融資を受けたりして、必要な事業環境を整えましょう。
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新規事業の立ち上げで直面する課題を解決し成功につなげよう
新規事業は既存事業と異なり、不確定要素が数多くあります。
外部環境にも影響を受けやすく、思いもよらない課題に直面することもあるでしょう。社内に知識・ノウハウ・資金が潤沢にある場合は、フル活用して課題に対応してください。
一方、社内リソースが不足している場合は、外部リソースの活用も視野に入れなければなりません。コンサルティング会社やプロ人材など、自社のニーズ・状況に合うリソースを探しましょう。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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<外部参考サイト>
内閣府:プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト 事業スキーム
https://www.pro-jinzai.go.jp/about/scheme.html#scheme02
内閣府:プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト 拠点・マネージャー紹介
https://www.pro-jinzai.go.jp/kyoten/index.html