
新規事業に取り組みたいけれど、失敗してしまうのではないかが不安。事前に失敗する原因を知って、対策を打ちたい。

新規事業で収益を立てて、軌道に乗せたい。成功するためには、どのようなポイントに気を付ければいいのだろうか?
あなたはこのような悩みを抱えていませんか?
弊社では、多くのクライアント様や事例をみてきましたが、新規事業が最初から軌道に乗ることはほとんどなく、多くのプロジェクトが失敗します。
そこで、本記事では、新規事業を失敗させないための理由から解決方法を解説します。
新規事業が失敗してしまう時の共通点として以下の8つが挙げられます。
- 当事者意識や本気度が足りない
- 関係者が多すぎる
- チームに権限を与えない
- タイミングを逃す
- 事前準備が不十分
- 専門分野に詳しい人材がいない
- 資金不足
- モチベーションを維持できない
上記の8つは、弊社が実際に多くのクライアント様や事例で見てきたものです。
ご安心ください。失敗してしまう理由を事前に知っておけば、ある程度の対策は立てることは可能です。
この記事を読めば、こんなことが実現できます。
- 新規事業が失敗する理由を事前に把握することで、対策を立てることが可能になり、失敗する確率を低くすることができます。
- 新規事業がうまくいっていない原因が明確になり、「何が問題でうまくいかないのだろうか」と悩む時間が無くなります。
それでは早速、読み進めていきましょう。
▼目次
新規事業の失敗率は約90%というのは本当か?
データから見る新規事業の失敗率
新規事業の成功数は下記で表すことができ、3つの項目を全てクリアする確率は約10%と言われています。
アイディア数 × 事業家成功率 × 収益化成功率
逆にいうと、ノウハウもない中小企業が新規事業をおこなった場合、 ほぼ90%は失敗するということです。
経済産業省の新事業の取り組みに関する調査データによると、新規事業展開を行った企業のうち、成功していると回答した企業は約29%。
その中で、経常利益率が増加したと回答した企業は約50%です。
つまり、約80〜90%の企業が新規事業に失敗していると言えるでしょう。
新規事業の検討・アプローチのトレンド
新規事業の検討は、様々なアプローチがあります。
そこで、近年で見られる5つの検討アプローチのトレンドを見ていきます。
- 既存事業のビジネスモデル転換
- コア技術を活用した周辺業界への転用
- 顧客データを活用したビジネス展開
- M&A・オープンイノベーションによる新規事業創出
- 社会問題解決型の新規事業創出
1〜3は「自社で保持している資源を活用したアプローチ」となっています。
一方4〜5は、自社の資源などは関係なく、「企業のビジョンを果たすためのアプローチ」の方法になっており、前提の条件がないため様々なアイディアが出てくるでしょう。
「自社で保持している資源を活用したアプローチ」は、ある程度の前提知識やリソースをもって検討・推進できるため、「企業のビジョンを果たすためのアプローチ」よりは検討に苦労はしないでしょう。
新規事業でよくある8つの失敗原因

新規事業がうまくいかない理由はたくさんありますが、主なものを挙げると下記の8つです。
- 当事者意識や本気度が足りない
- 関係者が多すぎる
- チームに権限を与えない
- タイミングを逃す
- 事前準備が不十分
- 専門分野に詳しい人材がいない
- 資金不足
- モチベーションを維持できない
それぞれ、順番に説明していきます。
1.当事者意識や本気度が足りない
失敗原因のうち、最もよくあるパターンが当事者意識の欠落です。
各メンバーが上から言われたままにやるのではなく、自ら考えて事業にのめりこむ本気度が必要です。
特に新規事業のリーダーは、他を圧倒するぐらいの当事者意識が必要不可欠です。
自ら機会やチャンスを創りだし、志を持ってやり遂げるリーダーシップを発揮することで、成功する可能性が高くなります。
参考記事>>>新規事業を任せるのに向いている人・向いていない人の見分け方
参考記事>>>【失敗しない】新規事業立ち上げの「メンバー選び」と「役割」を解説
2.関係者が多すぎる
新規事業の関係者が多すぎると、必然的に意思決定が遅くなります。
既存のセオリー通りにいかないからこそ、状況に応じた迅速な決断が求められますが、意思決定が遅いとスピーディーに対応できません。
多くの関係者に情報共有することで他の部署から横やりや批判が入ったり、指示する人が複数生まれて指揮系統に混乱が生じたりすると、事業がうまくいく確率は低くなります。
3.チームに権限を与えない
担当チームに予算などの権限を与えないと、何かある度に上層部に承認を求めることになり、その分だけ進捗が遅れます。
また、いつの間にか上層部の意向に沿うだけの形となってしまい、結果として事業の失敗につながることも。
権限を委譲されたチームが、ベンチャーやスタートアップのように独立的に動ける体制が重要です。
4.タイミングを逃す
新規事業の芽となるアイデアが生まれても、リスク度の判断や体制構築などに時間がかかり、事業としての展開が遅れることがあります。
時間をかけすぎて、いつの間にか競合に先を行かれてしまうケースも少なくありません。
新規事業はチャンスを逃さないために、思い切りの良さやスピード感も大事です。
石橋を叩きすぎることなく、市場参入まで明確な期限を設けて取り組むことが求められます。
参考記事>>>【リーンスタートアップ】新規事業立ち上げプロセス7STEPと重要ポイント
5.事前準備が不十分
新規事業を進めるには、マーケットの状況、競合の施策などを分析しながら自社のポジションを定め、売れる仕組みを構築する必要があります。
自社製品が顧客のニーズに応えるものか、価格に見合った価値があるのか、リサーチによって判断することも大切です。
こういった事前準備がしっかりしていないと、見切り発車の形で進めてしまい、うまく行かなくなる可能性が高いです。
参考記事>>>【絶対失敗しない】新規事業におけるニーズ調査方法やポイント、注意点
6.専門分野に詳しい人材がいない
新規事業を立ち上げたときは、予算だけでなく人も限られているので、少ない経営資源で事業を進めていかなくてはなりません。
しかし経営資源を少なく抑えすぎたばかりに、必要な人材が揃わないことが問題を生みます。
例えばITソリューションサービスではエンジニアやプログラマーが必須ですが、世に広めるためのマーケティング担当者も必要です。
しかし人材が足りないと、エンジニアがマーケティング戦略を考えたりする事態に陥ります。
各分野で充分なスキルが揃わないと失敗しやすいため、必要なリソースは事前に漏れなく準備しておく必要があります。
参考記事>>>【失敗しない】新規事業の立ち上げで外注すべき業務4選とは?
参考記事>>>【必読】新規事業で多い「相談事例」と「おすすめ窓口3選」紹介
7.資金不足
新規事業は最初のうちは利益が出ないことがほとんどで、資金調達をしたり他事業の利益を投入したりすることになります。
しかし、途中で新規事業への資金投入ができなくなり、結果的に頓挫するケースがあります。
ニーズも売れる要因もあるのに、資金不足が原因で撤退する事案も少なくありません。
会社の体力を維持しながら、新規事業を育てられるよう計画を立てることが必要です。
参考記事>>>新規事業の立ち上げで銀行の融資審査を通過するためのコツ
参考記事>>> 新規事業立ち上げで申請できる補助金・助成金とは?
8.モチベーションを維持できない
新規事業がすぐ軌道に乗ることはほとんどありません。
マーケットの反応を見ながら商品・サービスの改良を繰り返し、試行錯誤をするため、成果が出るまでに時間がかかります。
しかし先の目途がまったく見えてこないと、メンバーの気持ちが萎えてしまい、進捗がますます滞ることになってしまいます。
リーダーが各メンバーの様子を見ながら、必要に応じてやる気をうまく上げていくことが必要です。
中小企業が新規事業の失敗確率を下げる方法
新規事業の成功確率を上げるには、事業を推進してくチームや人材の「仮説を発想し検証していく力」が重要です。
常に市場の変化を捉えて、仮説を立てて、検証していくこのサイクルを何度も繰り返すことによって、市場に受け入れられる可能性つまり事業が成功する確立を上げていくのです。
こうした行動をするために必要な2つのポイントをご紹介します。
徹底的に情報に触れる
新規事業は、市場の中にある顧客の課題に対して解決するモノ・サービスを提供することです。
そのため、顧客の課題がどういうものなのかという情報を日々キャッチアップする必要があります。もちろん、効率的に情報を得ることは大切です。
しかし、新規事業に関して言えば、情報の量が大切です。
つまり、無駄になりそうな情報でも拾うべきだという言うことです。
なぜかというと、新規事業においては未知のことが多く、最初に策定した計画通りにいくことはほとんどないでしょう。
その時無駄だと思った情報でも、後になってから役立つ情報になっている可能性があります。
最近では、情報に触れることが簡単になっているので、セミナーや動画コンテンツを駆使して、情報に触れていきましょう。
常に立てた仮説を磨く
多くの情報が行き交う中で、市場が変化するスピードは早くなっています。
そのため、当時立てた仮説が、現時点では最善でない可能性があります。
つまり、仮説は日々変わり続けるものだということです。
新しく得た情報に対して、先入観にとらわれずにちゃんと向き合い、そのうえで自分が立てた仮説を変え続ける。
この地道で大変な行為こそ、新規事業の成功確立を上げる重要なポイントになります。
新規事業の失敗事例

一般的に失敗したとされる新規事業のうち、比較的よく知られている事例を3つ紹介します。
- QRコード決済アプリ『7Pay』
- 女性向け雑誌『DRESS』
- Amazonのスマホ『Fire Phone』
QRコード決済アプリの『7 Pay』
セブン&アイが手掛けたスマホ決済アプリの7Payですが、不正アクセスなどのトラブルを引き起こし、2019年9月にサービス終了に追い込まれました。
7Payの失敗は、専門人材の不足、スケジュールのタイトさが主な原因です。
決済アプリで重要なセキュリティに関して、二段階認証など必須の機能を盛り込まなかったため、リリース直後から不正利用が相次ぐ事態となりました。
セキュリティの専門家によるチェックが不足し、サービス開始時期まで時間がなかったことが、不完全なアプリのリリースにつながったといえます。
女性向け雑誌の『DRESS』
音楽プロデューサーや実業家など複数の著名人が経営陣を務めたことで、注目を集めた女性誌がDRESSです。
40代女性をターゲットとし、鳴り物入りで2013年4月に創刊しましたが、2015年12月には休刊となりました。
DRESSがうまくいかなかった理由としては、当事者意識の不足やモチベーションが継続しなかったことが原因ではないかと考えられます。
経営陣である著名人はもともと別のビジネスで大きく成功しているため、雑誌ビジネスへの当事者意識には限界があったのかもしれません。
DRESSで何が何でも成功するというモチベーションも、それほど続かなかったのではないでしょうか。
Amazonのスマホ『Fire Phone』
2014年に生まれたFire Phoneは、AmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏も大きな期待をしていたプロジェクトでした。
リリース直後は注目を集めましたが、Webでの評価レビューは低く、売上も伸びませんでした。
2年間のモバイル契約を条件に199ドルで販売されていましたが、0.99ドルにまで値下げしたことで不人気機種という印象も強くなり、Fire Phoneは結果として失敗に終わりました。
Fire Phoneの失敗の主な理由は、本体の性能がそれほど高くない割に、価格は高かったことです。
顧客が支払う代金に相応しい価値を提供していなかったということで、顧客ニーズの把握や価格戦略で失敗したといえます。
参考記事>>>他社の成功事例からあなたの会社の新規事業を成功させる!
企業が新規事業を成功に導くために必要なこと

新規事業の失敗理由や失敗事例を踏まえたうえで、成功するために大切なポイントについて見ていきましょう。
1.少人数で立ち上げてスピード重視で進める
関係者が多すぎると、議論をしてばかりで一向に先へ進めない事態になりがちです。
新規事業チームの立ち上げ時は少人数にし、迅速に推進できることが重要です。
少人数体制だとスキル不足になるケースもあるため、適宜必要な人材をアサインすることも求められます
2.新規事業チームへ権限を委譲する
新規事業チームに充分な権限がないと、結局は経営陣の指示どおりに動くことになり、メンバーは「やらされている感」を感じやすくなります。
他人事の意識が成功に必要な当事者意識が生まれにくいのです。
上層部の指示で動くのではなく、チームが自立的に動くことで本気度が上がります。
3.市場の状況や顧客のニーズをしっかり分析する
新製品・サービスが顧客要望にしっかり応えるものであるかを判断するため、マーケットの状況やユーザーのニーズの分析を怠らないようにしましょう。
外部環境が自社の新規事業をどう思うかの目線を忘れると、独りよがりの事業になってしまい支持を集められません。
4.KPIは現実的に設定し柔軟に変更する
目標達成の基準として、KPIは管理が簡単で判断しやすいのがメリットです。
しかし根拠のない内容では、チームのメンバーが苦しむことになりますので、客観的に説明可能な理由で設定することが大切です。
新規事業は不確定要素が多く、予定通りに推進できないことも多々あります。想定外のことも起こりやすいため、KPIは一度設定した内容に固執せず、柔軟に変更することも必要です。
新規事業の失敗は企業規模のせいではない
今回は、新規事業が失敗しやすい原因と失敗事例を解説しました。
新規事業が失敗する主な理由は、大企業でも中小企業でも変わりません。多くは、「当事者意識の不足」「権限がない」などに集約されていきます。
失敗理由を把握しておけば、事前に対策ができ、成功確率を上げることができます。
事業推進中の段階でも、失敗しやすい状況に陥っていないか適宜チェックしましょう。
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