新規事業の「マーケティングの4つの進め方」をプロが解説!

新規事業の「マーケティングの4つの進め方」をプロが解説!
    • 経営ノウハウ
    • 新規事業
  • 2024年11月28日

新規事業マーケティング戦略について、いろいろと頭を悩ませている担当者の方もいらっしゃるでしょう。

新規事業マーケティングはどのように進めたらよいのだろう?」
「具体的なマーケティング戦略の決め方がわからない」

実は、マーケティング戦略の策定の際に施策から決定してしまい、思ったような結果が得られなかったという事例が後を絶ちません。なぜなら、適切なデータ収集と分析がなされなかったことで、ユーザーニーズとズレた施策を行ってしまうからです。

新規事業においてマーケティングを進め方は以下の4つです。

◆新規事業の計画・準備段階におけるマーケティングの4つの進め方

  • 進め方1. マーケティングリサーチの実施
  • 進め方2. ターゲットやポジションの設定
  • 進め方3. ニーズの検証(テストマーケティング)
  • 進め方4. マーケティング戦略の策定

筆者は、新規事業コンサルティング会社の「(株)Pro-D-use」で、これまで数多くの中小・中堅企業、大企業の新規事業のマーケティング支援をしてきました。

執筆者:株式会社Pro-D-use岡島光太郎

本記事では、新規事業のコンサルタントである筆者が、数々の新規事業のマーケティングに携わった経験を踏まえて、マーケティングの進め方から戦略策定のコツを解説し、実際に活用すべきフレームワークも紹介します。

◆ 本記事でわかること

  1. 適切なマーケティング戦略で成功した新規事業事例がわかる
  2. 新規事業におけるマーケティングの進め方がわかる
  3. マーケティングに必要なフレームワークの概要がわかる

それでは、それぞれ解説していきます。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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新規事業の立ち上げにおけるマーケティングの3つの成功事例

まずは、(株)Pro-D-useで実際に新規事業のマーケティングをサポートをさせていただき、成功した事例を3つ紹介します。

◆新規事業におけるマーケティング3つの成功事例

  • 成功事例1. コスモス食品株式会社
  • 成功事例2. C社
  • 成功事例3. K社

成功事例1. オリジナルブランドの売上が7倍に成長した「コスモス食品」

コスモス食品1

【企業概要】

コスモス食品株式会社様は、フリーズドライ製造事業を柱とする食品会社です。新規事業開発以前は、大手企業のOEM製造をメイン事業として展開していました。

【抱えていた課題】

新規事業として、オリジナルのフリーズドライ食品事業を立ち上げましたが、その後8年間も赤字続きで利益が確保できない状態が続いていました。事業の状態を精査してみると、ターゲットが明確に定まっていないというように、マーケティングにおいてボトルネックがあることがわかったのです。

そこで弊社(株)Pro-D-useが参画し、市場調査から改めてマーケティングリサーチを行い、事業計画の見直しをはじめました。

◆支援内容

  • 調査(市場調査、競合調査など足を使って情報集め/売り方・陳列などの把握)
  • 実営業(営業代行、営業同行で現場感をつかむ)
  • 営業環境の整備(営業資料、営業ツール作成、トークスクリプトの作成)
  • ロックオン顧客(5社)の設定と営業、契約
  • 新規顧客の販路の開拓
  • 営業部長のマネジメント(メンタリング)
  • 営業戦略の策定
  • 次年度の営業目標・予算・KPIの設定
  • 営業ロードマップの作成
  • 営業ツールの作成
  • 営業メンバーのマネジメント代行

【得られた成果】

Pro-D-useのサポートを経て、全体の売上は2%から20%へ増加。オリジナルブランドの売上は5年で7倍の成長を遂げ、数十億円レベルにまで到達しました。8年も赤字続きだったオリジナルブランドは大成功に転じ、会社全体の収益アップにもつながりました。

成功事例2. 従業員のマネジメント&教育を経て新規事業開発を進めた「システム受託C社」

【企業概要】

C社様は、設立から20年の老舗のシステム受託を中心におこなう開発会社です。

【抱えていた課題】

C社様は、システム受託以外にも収益の柱を増やすべく、さまざまな新規事業に挑戦していました。しかしほとんどが思いつきで立ち上がった事業ばかりで、収益化の見込みがない状況だったのです。収益化の見込みがない原因の1つには、マーケティングスキルと経験の不足がありました。

そこで弊社(株)Pro-D-useがプロジェクトに参画し、マーケティングリサーチの段階から伴走しながら人材育成支援も行い、マーケティングスキルの育成もふくめて事業の立て直しを進めることになったのです。

◆支援内容

  • 既存事業の棚卸し代行
  • 競合調査(覆面調査含む)
  • 市場調査
  • 新規事業企画の策定
  • ビジネスモデルの構築
  • 事業計画書、収支シミュレーション作成
  • テストマーケティングの企画〜実施
  • プロダクト開発のマネジメント
  • 従業員様のマネジメント&教育

【得られた成果】

従業員様のマネジメント&教育を経て、C社様の中にマーケティングスキルをふくむ新規事業開発のノウハウが蓄積され、弊社のサポートがなくても新規事業開発を進められるようになりました。

成功事例3. マーケティングリサーチにより、最適な選択をした「英文校正サービスのK社」

【企業概要】

K社様は、学術論文の翻訳サービスや、英文校正サービスを提供している企業です。

【抱えていた課題】

K社様では、日本法人と海外の本社とで意見の食い違いが発生している状態でした。本社は既存事業に力を入れる成長戦略を打ち出していましたが、日本法人は新規事業開発の必要性を感じていたのです。

そこで弊社(株)Pro-D-useがサポートに入り、新規事業開発の必要性や、10〜15%の成長を維持できる展開方法を探ることからスタートしました。

◆支援内容

  • 現在の戦略の棚卸し
  • 実顧客へのインタビュー代行&分析
  • 市場調査、競合調査
  • (上記を踏まえた上で)既存事業の売上拡大余地の試算
  • (上記を踏まえた)マーケ&営業戦略・戦術の構築
  • 運用設計(人・モノ・金を定義して、運用オペレーションにまで落とす)
  • 外部パートナーの選定

【得られた成果】

弊社(株)Pro-D-useが、顧客へのインタビュー代行や市場調査といったマーケットリサーチを行う中で、日本の既存マーケットでも売上やシェアを伸ばせると判明しました。そして、既存事業を強化する方向性に決まったのです。

K社様のように、リスクの高い新規事業開発に踏み切らずとも、既存マーケットや既存事業で売上を伸ばせる場合があります。万が一、適切なリサーチをせずに新規事業開発に踏み切っていたら、会社経営の負担となる可能性がありました。このようなリスクを回避し、最適な選択ができたのは、マーケティングリサーチのおかげです。

新規事業における「3つのマーケティング手法」

マーケティングは事業収益を伸ばすための活動であり、新規事業だけでなく既存事業でも行われます。新規事業開発では、アイデア出しや事業計画書の作成、製品・サービスの開発といった業務がイメージされやすいでしょう。

マーケティングはメイン業務ではないように感じますが、軽く見ると新規事業の成功は遠のき、途中で大規模なピボットに迫られるケースがあります。

新規事業におけるマーケティング例は、次の通りです。

◆ 3つのマーケティング手法

新規事業におけるマーケティング例内容
マーケティングリサーチ(市場調査)市場規模や傾向を調査をする
ニーズ調査商品やサービス、ブランドのユーザーについて調査する
PR・販促活動商品やサービス、ブランドの認知拡大や顧客獲得のために行う

新規事業開発を成功に導くためにも、マーケティングは非常に重要です。

新規事業におけるマーケティングの役割と重要性

新規事業で展開する商品やサービスは、顧客が必要としているものでなければ売れません。さらに顧客が必要としているものを世に出しても、顧客に商品やサービスの存在や良さを伝える活動を積極的に行わないと、認知されません。

このような状況では、せっかく作った商品やサービスは売れず、新規事業は失敗に終わってしまいます。新規事業が失敗に終わらないよう、商品やサービスを売るための下準備を行うのがマーケティングの役割です。

経産省が発表している中小企業白書(2017年版)を見ると、新規事業が成功しなかった場合、マーケティングに課題があったことが読み取れます

◆ 新規事業を実施していない企業の課題

新市場開拓戦略新事業に成功した(A)新事業に成功しなかった(B)AとBの差
必要な技術・ノウハウを持つ人材が不足している32.6%35.7%-3.1
販路開拓が難しい36.7%35.4%1.3
新事業展開に必要なコストの負担が大きい24.7%25.9%-1.2
市場ニーズの把握が不十分である18.1%25.9%-7.8
自社の製品・サービスの情報発信が不十分である10.8%20.1%-9.3
自社の強みを活かせる事業の見極めが難しい12.5%16.9%-4.4
必要な技術・ノウハウの取得・構築が困難9.4%13.4%-4
出典:2017年 中小企業白書 P.356|経済産業省

新事業に成功したAと成功しなかったBの差を比較すると、「市場ニーズの把握が不十分である」と「自社の製品・サービスの情報発信が不十分である」の2つがもっとも大きな差です。

差の大きさが新規事業に成功しなかった企業の課題感の大きさを物語っていることからも、新規事業の成功にはマーケティングが非常に重要といえます。

なお、新規事業の市場調査・ニーズ調査のやり方を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

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新規事業の計画・準備段階におけるマーケティングの進め方【4ステップ】

新規事業の計画・準備段階におけるマーケティングの進め方・ステップは、次の通りです。

◆新規事業の計画段階でのマーケティングの進め方4ステップ

  1. マーケティングリサーチの実施
  2. ターゲットやポジションの設定
  3. ニーズの検証(テストマーケティング)
  4. マーケティング戦略の策定

この段階でのマーケティングをおろそかにすると、新規事業の成功確率が下がってしまいますので、丁寧に進めていきましょう。

ステップ1. マーケティングリサーチの実施

マーケティングリサーチでは、新市場の規模や競合商品、顧客を分析することで、市場を体系的に理解できます

ここでは、マーケティングリサーチの代表的なフレームワークを3つ紹介します。

◆マーケティングリサーチの代表的な3つのフレームワーク

  1. 3C分析
  2. PEST分析
  3. SWOT分析

なお、下記の記事でマーケティングリサーチについてよりくわしく解説していますので、参考にしてみてください。

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1. 3C分析

3C分析では、「自社(Company)」「競合(Competitor)」「市場(Customer)」の3つの要因を分析および整理し、それぞれの関係性を把握できます。

3C分析

整理した情報やデータは、事業計画の作成や販売戦略の立案に活用できます。

【3C分析で把握したい情報・データ】

自社(Company)自社の理念、ビジョン、サービスの強み、資本力や人材について
競合(Competitor)競合の業界ポジションや特長、注目すべき動向について
市場(Customer)業界の市場規模や成長性、顧客ニーズや消費行動について

2. PEST分析

PEST分析では、「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つを分析することで、マクロ環境を理解できます。

PEST分析

商品やサービスのターゲット市場よりも広い分野や業界を俯瞰することで、トレンドに合わせた戦略や、マクロ環境の変化を予測した戦略を立案できるようになります。

新規事業で黒字を目指すのは中長期戦となるため、今のトレンドに乗ることだけでなく、未来を見据えながら多角的に戦略を立てることが大切です。

【PEST分析で把握したい情報・データ】

政治(Politics)法律や政治の動向
経済(Economy)経済水準や所得変化、為替や金利の動向
社会(Society)人口動態、価値観、流行や習慣、文化の動向
技術(Technology)最新技術の動向

PEST分析について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

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3. SWOT分析

SWOT分析では、以下の4つの要素から自社内部および外部の環境を分析することで、新規事業の改善点やリスクを発見できます。

SWOT分析

【SWOT分析の4つの要素】

強み(Strength)競合よりも強い点内部環境においてプラスに作用する(プラス要因)例)知名度のあるブランド、専門分野の権威性、特許技術
弱み(Weakness)競合よりも弱い点内部環境においてマイナスに作用する(マイナス要因)
機会(Opportunity)社会や市場の変化が自社あるいは自社商品、サービスに与えるよい影響外部環境においてプラスに作用する(プラス要因)
脅威(Threat)社会や市場の変化が自社あるいは自社商品、サービスに与える悪い影響外部環境においてマイナスに作用する(マイナス要因)

4つの要素を洗い出す際には、なるべく複数かつさまざな分野のメンバーで行うのが効果的です。各要素の洗い出しが終わったら一つひとつ議論し、客観的な分析を進めましょう。

SWOT分析をもっと詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。

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ステップ2.ターゲットやポジションの設定

市場理解が済んだら、競合と比較した際の自社の立ち位置や市場についてより理解を深めるため、ターゲットとポジションの設定を進めます。自社の立ち位置を明らかにすることで、競合との差別化や販売戦略の工夫がしやすくなります。

ここでは代表的な手法であるSTP分析について解説しますので、参考にしてみてください。

STP分析

STP分析では、自社商品やサービスが競合よりも優位に立ち、売れるようにするためのポジションを明確にできます。

STP分析

競合に対して差別化できるポジションが取れると、必要な施策が具体的かつ明確になるため、市場やターゲットにマッチしたマーケティングを行えるようになります。STP分析に限らず、フレームワークはさまざまな種類のものを組み合わせて行い、よりよい結論を導くのが適切です。

したがって市場のポジショニングについても、STP分析だけで決定せず、他のフレームワークとも組み合わせながら検討しましょう。

【STP分析の3つの要素】

セグメンテーション(Segmentation)顧客を居住地や年齢、趣味といった条件ごとに分類し、セグメント(顧客層)を設定することで、顧客イメージをふくらませる
ターゲティング(Targeting)セグメントを参考に、ターゲットにする市場を選ぶターゲティングには、無差別型・差別型・集中型の3種類の方法がある
ポジショニング(Positioning)ターゲティングした市場にいる競合と自社の立ち位置を明確にし、差別化できるポジションを取る

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ステップ3. ニーズの検証(テストマーケティング)

自社の商品やサービスが、実際の市場でニーズがあるのかを検証するテストマーケティングを行います。

◆テストマーケティングの代表的な3つの手法

  • インタビュー
  • テスト販売
  • プロトタイピング制作

テストマーケティングで用いられる代表的な手法を3つ紹介しますので、ニーズ検証の際の参考にしてみてください。

インタビュー

実際に商品やサービスを顧客に試してもらい、使用感をインタビューすることで、リアルな声や反応がわかります。商品やサービスを提供できない段階でも、イメージ感や期待感をつかむことが可能です。

インタビュー中に、次のような声が聞ける場合があります。

◆インタビュー中に聞ける声の代表例

  • 「いつリリースしますか?」
  • 「どこで買えますか?」
  • 「価格はいくらですか?」
  • 「うちの会社に導入したら、どんな成果につながりますか?」

上記の質問は、既にサービスの購入を検討しているユーザーです。このように商品やサービスに強い興味を持っている顧客を見つけたら、契約に進めるよう準備しておくと効率的です。

テストマーケティングの段階で、顧客からマイナスの声が多い場合は、商品やサービスをよりよく改善するチャンスです。新規事業を成功させるためにも、顧客の声を聞けるインタビューは大切にしましょう。

新規事業のインタビューによるリサーチ方法」の具体的なやり方については、下記の記事をご覧ください。

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テスト販売

顧客に商品やサービスを試してもらう場合は、期間や地域を限定して行うテスト販売をします。

その際は、次の点に留意して実施しましょう。

◆テスト販売で留意する事項

  • 少額でよいので有料販売する
  • 顧客の声をヒアリングできる環境を整備する

よく「まずは無料配布をしよう」といった施策を目にしますが、中小企業の新規事業ではオススメしません

無料配布だと数多くのユーザーが集まり、声を集めるには最適に思いますが、ターゲットではない顧客や継続購入をしない顧客もふくまれるため、あまり参考になりません。

お金を出して買ってくれる顧客の中でも、さらに意見を言ってくれる人の声の方が大切です。

そもそも、少額で有料販売した際に商品やサービスがまったく売れないなら、すでに顧客に求められていないとわかります

その場合は、プロダクトやコンセプトの切り口を変更して、改善してみましょう。

プロダクトによっては、(相当、大変ですが…)無料配布・開放を行い利用者全員にインタビューする方が効果的な場合もあります。インタビューの中で、想定外の顧客が抱える悩みや使い方が発見できたら儲けものです。

プロダクトに組み込むことで、よりユーザーニーズに寄り添った商品、あるいはサービスにできるでしょう。

プロトタイピング制作

商品やサービスのプロトタイプ(試作品)があると、ユーザーニーズの実体験に基づいた声を集めることが可能です特にBtoBの場合は、プロトタイプの制作は重要です。

ただし商品・サービスによっては、プロトタイプが必要ないものや制作できないものもあります。その場合は、提案資料やLPによって商品やサービスの概要および特徴を伝え、ユーザーの感触を確かめます。

実物を作らないプロトタイピングは、BtoBだけでなくBtoCでも有効な場合がありますので、商品のタイプに応じて選択しましょう。

ステップ4. マーケティング戦略の策定

ニーズの検証を終えたら、検証内容をもとにマーケティング戦略を策定します。

ニーズ検証の結果をふまえて、下記4つのPを明確化し、戦略を具体化します。

◆マーケティング戦略策定において明確化すべき4つのP

  • どのような商品・サービスを売るのか(Product)
  • 価格はいくらにするのか(Price)
  • 販売経路はどうするのか(Place)
  • 販促はどのようにするのか(Promotion)

その際は、代表的な手法であるマーケティング・ミックス(4P)の活用がおすすめです。

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マーケティング・ミックス(4P)

マーケティング・ミックスは、4つの要素を適切に組み合わせることで、マーケティング戦略を具体化する手法です。それぞれの要素を分析するだけでは終わらず、適切に組み合わせることがもっとも重要なポイントです。[

【マーケティング・ミックスの4つの要素(4P)】

製品(Product)ニーズ検証の結果をふまえて、どのような商品あるいはサービスを売るのか
価格(Price)価格はいくらにするのか
流通(Place)販売経路はどうするのか
プロモーション(Promotion)販促はどのようにするのか

たとえばターゲットが50代男性であるにもかかわらず、20~30代の女性に人気のInstagramでプロモーションを行うと、成果につながりません。こうしたズレが生じないよう、どの要素も漏れなく、ターゲットやニーズにフィットしていることが大切です。

マーケティング・ミックスを使ったマーケティング戦略の策定例には、下記があります。

【ヘルシア緑茶のマーケティング・ミックスの例】

製品(Product)健康市場へ参入するため、体脂肪を減らす素材を研究していた。その茶カテキンを採用し、緑茶飲料を販売する。
価格(Price)他社の緑茶飲料より高価格に設定。健康効果が高いことを価格からも示唆する。
流通(Place)自社として初の飲料事業のため、自動販売機は選択できない。中高年サラリーマンの目に入りやすいコンビニを選択。
プロモーション(Promotion)テレビCMでは旧薬事法規制に抵触しないよう、効果効能を効果音で表現。コンビニの陳列を工夫する。

まず製品を販売するターゲットを明確にし、その対象に最適な価格と販売経路を採用していることがポイントです。

新規事業における具体的な9つのマーケティング手法

新規事業においては、リソースが限られる中で、適切なマーケティング手法を選び、投資対効果を最大化することが重要です。以下に、代表的なマーケティング手法を比較表でまとめました。

◆ 新規事業における9つのマーケティング手法

No.手法名平均予算(目安)効果が出るまでの期間難易度
1SEO(検索エンジン対策)月5~50万円程度中長期(半年~2年)
2リスティング広告(Google広告など)月30万円〜短期間中〜高
3SNS運用(Instagram、Xなど)月5~15万円(人件費除く)中長期(半年~)
4メールマーケティング月1~5万円短期間
5ウェビナー開催1回あたり5~20万円短期間
6インフルエンサーマーケティング案件ごとに10~100万円短期間
7展示会出展1回あたり50~200万円短期間
8DM(ダイレクトメール)1万件で10~30万円短期間
9チラシ配布1万枚で5~10万円短期間低~中

新規事業におけるマーケティング手法の選定では、自社のビジネスモデルやターゲット層に適したチャネルを見極めることが重要です。

例えば、新規事業がBtoBの場合はSEOやリスティング広告、ウェビナーが成果につながりやすく、新規事業がBtoCの場合はSNS運用やチラシ配布といった手法もよく利用されます。また、限られた予算の中では、メールマーケティングやSEOなど、比較的低コストで実行可能な施策を取り組んでみましょう。

単一のマーケティング手法に頼るのではなく、SNSで認知を高め、リスティング広告で興味関心層を獲得し、メールで継続的にアプローチするといったように、それぞれのチャネルやターゲットに合う複数の手法を組み合わせて活用することで、成果の最大化が期待できます。

新規事業のマーケティング、また新規事業自体にお困りの方へ

新規事業開発の経験が少ないと、マーケティングはもちろんのこと、事業計画の立て方や組織編成などわからないことだらけで思うように業務が進まないことがあります。

そのような時は、新規事業開発の経験が豊富なプロのコンサルタントの力を借りて、自社にノウハウを吸収するのがおすすめです。

ただし導入するコンサルタントによっては、コンサルタントが新規事業を牽引するのを見ているだけになってしまい、得られるのは結果だけという場合もあります。

そのため、コンサルタントには新規事業開発メンバーとなってサポートしてもらうのが最適です。

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豊富な経験をもとに、新規事業開発メンバーの壁打ちのフィードバックや育成を行い、貴社へのノウハウの蓄積に惜しみなく貢献します。

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マーケティングは新規事業の要

マーケティングは、新規事業を成功に導くために必要不可欠な土台です。マーケティングでは、ユーザーニーズに合致した戦略を立てることを目的とし、基本的なフレームワークを用いたデータ収集や分析によって戦略を具体化します。

多くの企業がマーケティングは新規事業において非常に重要と実感する一方で、マーケティングをおろそかにした結果失敗してしまう例は後を絶ちません。

マーケティングを丁寧に進めるためには、経験豊富なコンサルタントに協力を仰ぐのがもっとも効率的かつ効果的です。

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コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)