成功する新規事業ガイド【失敗しない5つの見極め・チェックポイント】

成功する新規事業ガイド【失敗しない5つの見極め・チェックポイント】
    • 新規事業
  • 2020年11月30日
ポイント

新規事業を行っているが、このまま取り組むべきか、撤退すべきかわからない…。

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新規事業の失敗と成功について、主観を入れずに「客観的」に見る方法はないのだろうか…?

ポイント

どうせなら、失敗しない新規事業にしたい!そのために、事前に成功と失敗のポイントを押さえておきたい。

新規事業を取り組んでいる方の中には、こんな不安や疑問を持っている方はいるのではないでしょうか?新規事業をやるなら、どうせなら継続(成功)させたいと思うのが当たり前です。

新規事業の成功・失敗は他面的な検討が必要なため複雑そうに見えますが、実は、新規事業の成功・失敗の判断は、ざっくり下記の2つの観点から判断が可能です。

  • 「事業性」
  • 「市場性」

なぜなら、新規事業を評価するのは「市場」であり、市場で評価されるためには「事業が優れている必要がある」からです。

私は「株式会社Pro-D-use」という新規事業コンサルティング会社で、本当にたくさんの中小・中堅〜大企業の新規事業のご支援をしてきました。

執筆者:株式会社Pro-D-use岡島光太郎

本記事ではそんな経験やノウハウを活かし、新規事業の「成功」「失敗」の判断軸となる「事業性のポイント2つ」と、「市場性のポイント2つ」について丁寧に解説していきます。

この記事を読み終えると、こんなことが実現できます。

  • 新規事業の成否を客観的に測ることができ、冷静な経営判断をすることができます。
  • 新規事業の「事業展開」や「撤退判断」の説明で聞き手を納得させ、事業を前に進めることができます。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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新規事業の成功・失敗を見極める|「事業性」のポイント2つ

新規事業の成否を見極める「事業性」のポイント2つ

新規事業の成功・失敗成を見極めには、「事業内容」や「将来性」、「事業の展望」といった「事業性」を見ることは非常に重要です

事業性は、まずは下記2つのポイントから新規事業の成功・失敗を推し量りましょう。

  • 「利益」
  • 「組織のあり方」

1. 利益が上がっているかどうか

新規事業に投資する(残す)なら、「投資回収」「利益創造」は最低限必要です。利益がなければその事業を存続させる大義はありません。

営業利益や投資回収率、投資限度額などが一定ラインを割ってしまったら、新規事業の失敗判断をしてもいいでしょう。ただし、営業利益が赤字でも「貢献利益」が黒字ならば事業撤退の必要はありません。

貢献利益とは、会社の売上高からそれぞれの単位ごとに原価や利益を差し引いて算出した利益のことです。

貢献利益 = 売上高 – 変動費 – その事業の直接固定費

貢献利益が黒字の場合、その商品やサービスには「ニーズがある」ということです。売上をさらに上げたり、直接経費のコスト削減によって営業利益が黒字化する可能性は十分にあります。

また新規事業単体でなくても、その他の既存事業に利益貢献をしている場合も撤退する必要はなくなります。(これを”事業シナジー”と言います)

2. 組織として機能しているかどうか

  • 「優秀な人材が定着しない」
  • 「個々の役割があいまい」
  • 「社員によって負担の大きさが違う」
  • 「無駄な工程が多すぎる」

新規事業の立ち上げ後、数年経ってもこうした兆候があるのであれば、事業は今後、自力で成功させることは難しいと言えます。

私の会社(株式会社Pro-D-use)では事業再生のコンサルティングもおこなっておりますが、経験上、倒産していく会社の多くは組織が崩壊しているケースが多いものです。そしてこれは、新規事業でも同じことが当てはまります。

実は、組織の崩壊はもれなく業績悪化に直結していきます。なぜなら、事業を回すのは「人」であり、その人を構成する組織が崩壊しているということは事業が崩壊していくことに直結するからです。

組織崩壊した事業では、スタッフは常に会社・事業に対して不平不満を持っており、スタッフが定着しません。「会社のために働こう」という雰囲気がなければ、社内も活気づかないでしょう。

一方、成功している新規事業(会社)は、組織として統制が取れています。

個々の役割が明確になっているため、業務工程にも無駄がありません。スタッフからの不満が出にくく、会社の定める目標に向かって一丸となって頑張ろうというポジティブな雰囲気が自然とわき上がってきます。

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新規事業の成功・失敗を見極める|「市場性」のポイント3つ

新規事業の成否を見極める「市場性」のポイント2つ

事業性よりも重要といえるのが、その新規事業の「市場性」です。市場性とは、顧客が求めるサービスや商品がそこにあるかということを指します。

  1. 「顧客のニーズ、ペインポイント」
  2. 「競合に対する優位性」
  3. 市場(マーケット)の大きさ、成長性

3つのポイントから新規事業の成功・失敗を測りましょう。

1. 商品やサービスにペインポイントはあるか

ペインポイントとは「お金を払って解決したい悩み・痛み」を指します。つまり、「痛みをなくすためならお金はいとわない」と思えるほどの強いニーズがある状態のことです。

ペインポイントをとらえた商品やサービスについては、顧客がお金を惜しみません。商品やサービスの魅力そのもので、自然に売上は伸びていくでしょう。

このように顧客の心理を深堀りできている商品やサービスがあるならば、その企業は現状「成功している」といえます。

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2. 競合に対し優位性・独自性があるか

競合企業に対し優位性があるか」というのも、新規事業の成否を測るポイントのひとつです。

大企業のなかには、「市場において圧倒的に勝たなければ意味がない」とするところもあります。そのような企業は営業利益の有るなしにかかわらず、市場で勝たなければ「成功である」とは見なしません。新規事業でも、トップを目指す場合は競合に対する優位性を見ることが必要です。

また、ほかの企業と差別化できていない場合も「事業失敗」と見るケースがあります。

例として知られるのは、世界的企業として躍進を遂げた「ユニクロ」を持つ「ファーストリテイリング」です。柳井会長は事業の成否を見極めるとき、「事業継続するに値する【価値あるもの】が作れているか否か」を判断材料としているそうです。

「大企業を目指したい」という経営者は、ぜひ競合比での優位性・独自性もチェックしてください。

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3. 市場(マーケット)の大きさ、成長性は充分か

新規事業で向き合う市場(マーケット)規模が、“自社にとって” 充分な「大きさ」と「成長性」があることも、非常に大切な要素です。

ちなみに市場選びでよくある間違いは、下記2パターンです。この間違い、実は、中小企業でも大企業でも共通で見られる「あるあるNG集」です

  • とにかく大きな(成長性のある)市場を狙う
  • 「ニッチ」「ブルーオーシャン」を狙う

市場選びのNG:とにかく大きな市場を狙う

「大きな市場を狙う」

コレ自体は何も悪くないように見えますが、実は大きな落とし穴があります。その落とし穴とは、「自社のサイズに合っているか?」の考察が抜けていることです。

市場を狙うときには、必ず自社の資産と照らし合わせて「その市場に向き合える体力 / 予算はあるのか?」をじっくり検討しましょう。

新規事業の当初は、大きな市場を狙っていたとしてもなかなか成果(売上)は上がってこないのが通常です。しかし徐々に市場にフィットしてくると、ある時から一気に売上や問い合わせが増えるタイミングがやってきます。その際に、

  • 注文を捌けない
  • デリバリーが追いつかない
  • 採用も教育・研修も追いつかない
  • 特定の人に業務が集中。体調を崩す
  • 時間がなく、オペレーションの最適化もできない
  • 資金調達が間に合わない

など、このような問題が一気に噴出します。そして、コレらの問題を一気に解決することは不可能です。その結果として、新規事業を止め「顧客」「社内」に迷惑を掛けるというケースが多いのです。(もったいないですよね)

そのため、自社で新規事業に参入する場合には「自社の体力や資産で対応できるマーケットなのか?」については、充分に時間と費用を使って調査をするべきなのです。

なお、自社の既存顧客へ販売する新規事業の場合は、上記「バタバタして顧客や社内に迷惑をかける」という失敗は少ない傾向があります

市場選びのNG:「ニッチ」「ブルーオーシャン」を狙う

大企業が新規事業で「ニッチ」や「ブルーオーシャン」を狙うことはないのですが、中小・中堅企業ではよく「ニッチ市場」「ブルーオーシャン市場」を狙いがちです。悪いことはいいません、「ニッチ」「ブルーオーシャン」市場を探すこと、また、狙うことは絶対に止めましょう

よく書籍やネット情報で、「この市場を狙えばいい!」という言及を見かけますが、実は、ニッチ・ブルーオーシャン市場は全く新規事業には向きません。むしろ自殺行為です

狙うなら、レッドオーシャン市場でもいいので「需給ギャップ」が発生している市場を狙いましょう。需給ギャップとは、「需要に対して供給側が追いついていない」ことを指します。

レッドオーシャン市場は、競合がたくさん参入しているため過当競争と思われがちですが、逆にいうと、それだけ需要がある市場ということです。その需要に対して、競合の供給が追いついていないのであれば嬉々として参入すべきです。

メリットデメリット
ニッチ産業
ブルーオーシャン
・競合がいない・成熟していない
・時間と費用が膨大にかかる
・市場規模が読めない
レッドオーシャン
推奨
・既に市場がある
・成熟市場で顧客説明がしやすい
・市場規模が読める
・顧客要望(ニーズ)が大きい
・競合が多い
・差別化が必要

また、レッドオーシャン市場の中でも需給ギャップが発生しているひと回り小さい市場も存在ます。そこも狙って参入すべき市場といえます。

新規事業の成功と失敗は「利益」と「将来性」で判断しよう!

新規事業の成否判断はプロにおまかせ

新規事業の成否を測るには、「利益」「将来性」の両方から検討するのがおすすめです。

今現在赤字が続いているとしても、将来的に増益が見込めたりニーズが高まったりする可能性があるのなら、「新規事業失敗」とするのは早すぎるかもしれません。今回ご紹介したポイントを意識して、成否を正しく判断しましょう。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)