通る新規事業企画書の作り方!書き方のコツや記入例を紹介【初心者向けテンプレ有】

通る新規事業企画書の作り方!書き方のコツや記入例を紹介【初心者向けテンプレ有】
    • 新規事業
  • 2023年2月10日

新規事業の立ち上げでは、新規事業企画書の作成が必要なシーンはよくあるでしょう。その際に、以下のようなお悩み・疑問をお待ちの方も多いのではないでしょうか?

「社内提案で新規事業企画書を作らないといけない。何を書けばいいんだろう…」
「事業企画書と計画書は、何が違うのだろうか?」
「予算や融資を受けられるような事業企画書のポイントが知りたい!」

新規事業の企画を社内・社外に提案するためには、「事業企画書」が必要です。しかし、「何を」「どうやって」「どれくらい書けば良いのか…」と迷う方も多いでしょう。

実は、新規事業企画書は必ずしも作成しなければならないものではありません。新規事業企画書は「決裁者や社外関係者を説得し、予算や融資、協力を得る」場面で作成する必要がある資料です。

そのため、例えば、新規事業の発案者と決裁者が同じであれば、無理に企画書を作る必要はありません。

提案が通る事業企画書で重要なのは「相手の共感を得て説得できるか?」ということであり、フォーマットや枝葉の精査にこだわりすぎず、「どういった要素を相手に伝えたら企画が通るのか?」だけを徹底的に磨き込む必要があります。

本記事では、300件以上の新規事業立ち上げに携わってきた(株)Pro-D-useの経営者である筆者が、社内や社外に提案が通る企画書の作成方法やポイントをまとめて紹介します。ダウンロード可能なテンプレートも掲載していますので、ぜひご活用ください。

執筆者:株式会社Pro-D-use岡島光太郎

本記事で実現できること

  • 新規事業の企画書の作成方法や書き方のポイントを理解できる。
  • テンプレートを使って素早く企画書を作成でき、時間を節約できる
  • 相手を納得させられる企画書にするには、どのような情報が必要なのかが理解できる。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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目次

事業企画書とは、事業内容をわかりやすくまとめた資料

新規事業企画書とは、新規事業の内容、スケジュール、予算などの大まかなアイデアを分かりやすくまとめ、提示するための概要資料です。

概要資料とはいえ、その新規事業の価値と必要性を説明するための資料なので、相手に納得してもらえることが重要です。とはいえ実は、事業企画書というものは必ずしも作らなければいけない資料ではありません

仮に、新規事業の発案者が最終決裁権を持っている経営者であれば、無理に企画書を作る必要はありません。しかし、新規事業を実現するために社内・外の管理職や関係者に納得してもらう必要がある場合は、事業企画書をまとめるのは必須になります。

事業企画書の一番の目的は、「相手を説得して、動かすこと」です。そのため、美しいフォーマットにこだわりすぎたり、枝葉の内容精査に時間をかけたりするのではなく、どういった要素を相手に伝えたら企画が通るのか?だけを徹底的に磨き込みましょう。

よく「事業企画書にはどれくらいの情報量が必要なのか?」と聞かれますが、答えは「その事業企画書を見せる相手や会社によって異なる」となります。社内・外の関係者の中で十分に情報共有されているなら1枚でも十分ですし、前提条件からしっかりと共有する必要があるなら資料が10枚以上になることもあるでしょう。

事業企画書とは、関係者のフィードバックや外部環境の変化を反映して、都度アップデートしていくことが前提なので、「一度作ったら終わり」ではありません。大切なのは提案する相手にも「企画書の内容は必要に応じて変更する」ということを周知することです。後でトラブルにならないためにも、企画書はアイデアの完成形ではなく、都度カタチを変えていくということを社内で共通認識として持っておきましょう。  

なお、新規事業企画書と似た言葉に、新規事業計画書があります。企画書は「相手を説得して承認を得ること」を目的に作成するのに対し、計画書は「ビジョンを達成するための具体的なプランを立てること」をゴールとしているのが両者の違いです。

企画書と計画書の違いを登山に例えると、以下のように解説できます。

  • 事業企画書|「あの山に登りたいです!」という宣言書のようなもの
    (そこまで工夫できる余地はありません)
  • 事業計画書|登ろうとしている山の登り方まで詳細に記したもの(具体的な登り方や、ルート、日付、メンバーなど)
    (人や会社によって、オリジナリティが出る)

事業計画書は、これまでの実績やデータなどの客観的な事実をもとに、今後の計画を記載します。企画書は、「何を・なぜやるのか」「いくらかかるのか」「どのようなリスクがあるか」を提示するための資料です。自社や競合、市場を調査したデータと仮説をもとに作成します。

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新規事業企画書を作成する2つの活用シーン

新規事業企画書を作成する際は、作成の目的や利用シーンを明確にしておくことが重要です。目的や利用シーンが明確でなかったりずれていたりすると、読み手を説得できない企画書になってしまう可能性もあります。

新規事業企画書の主な以下2つの活用シーンについて解説します。

  1. 活用シーン1. 社内の人間に承認・決裁を得たいとき
  2. 活用シーン2. 社外関係者からの承認を得たいとき

それでは、それぞれを詳しく解説していきます。

活用シーン1. 社内の人間に承認・決裁を得たいとき

新規事業企画書は、社内の経営層や管理層といった決裁権を持つ人物に対して、承認や決裁を得たいときに用います。

  • なぜ自社でその事業をやるのか
  • どれくらいの利益が期待できるのか
  • いつまでに事業を軌道に乗せるのか

新規事業の予算を得るためには、新規事業企画書に必要な情報をまとめると同時に、上記の内容を論理立てて説明し、経営層の承認を得る必要があります。

活用シーン2. 社外関係者からの承認を得たいとき

新規事業企画書は、プロジェクトの社外関係者からの承認を得るためにも用いられます。

新規事業を始めるにあたり、金融機関や協力会社、仕入先企業といった社外の関係者にも理解と承認を得る必要があります。

相手先企業に何をしてほしいのか、またその企業にとってどのようなメリットがあるのかについて、十分な説明と根拠を提示できる新規事業企画書が必要です。

また、補助金や融資、出資を得る際に新規事業企画書が必要になる場合もあります。

【重要】新規事業企画書を作成する前に知っておきたい3つのポイント

新規事業企画書を作成するにあたり、以下3つのポイントを念頭に置いておく必要があります。

  1. ポイント1. 「なぜ自社でその新規事業をやるのか」を明確にしておく
  2. ポイント1. 自社の経営資源について理解した上で企画書を作成する
  3. ポイント1. 70%の完成度を目指す

企画書作成において注意したい3つのポイントについて、詳細に解説します。

ポイント1. 「なぜ自社でその新規事業をやるのか」を明確にしておく

新規事業企画書では、「なぜその自社で新規事業をやるのか」といった理由や目的を明確にすることが重要です。

そのためには、自社の強みや競合他社の動向、市場のニーズなどを調査する必要があります。

たとえば自社の強みには、以下のようなものがあります。

  • 新規事業に活かせる財務・人材資源をすでに持っている
  • 既存事業のノウハウを活かせる
  • 新規事業を通じて既存事業でも新たな顧客を開拓できる

自社のリソースや事業を棚卸しして、強みを洗い出してみましょう。

競合他社の動向を調査する方法はさまざまですが、まず競合他社のホームページを見てみることをおすすめします。上場企業であれば、経営・財務状況や戦略を確認できるIR情報が掲載されていますので、大まかな動向を把握することができます。

情報が公開されていない場合、帝国データバンクのような調査サービスを利用するのがおすすめです。費用は発生しますが、競合調査や市場調査なしに参入して損失を出してしまう事態を避けるためにも、事前調査には惜しまず費用を投資することが重要です。

これらは事業の成功を左右する情報といえるので、仮に数十万円かかったとしても、必ず把握しておくべき情報です。ここはケチっては絶対にいけません。

もし事前の競合調査や市場調査なしに「勝機がないのに参入した場合」、それこそ損失は数十万円では収まりません。競合調査した上で自社が参入することの意義、メリットを明確にしましょう。

ポイント2. 自社の経営資源について理解した上で企画書を作成する

社内で新規事業の企画を通すには、自社の強みやリソースといった経営資源をどのように活かすのかを強調することも重要です。

経営資源について十分に理解した上で、企画書を作成しましょう。

これまでに自社で蓄積されたノウハウや資源を活かせる現実味のあるシナリオを描けると、説得力のある内容になります。新規事業の成否は会社全体の経営にも影響を与えるため、「自社だからこそ、この事業を実現できる」とアピールできる事業企画書を作成するのがポイントです。

経営資源を把握するために重要となるポイントについて、以下の記事で詳細に解説していますのでぜひご参照ください。

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ポイント3. 70%の完成度を目指す

新規事業企画書は、100%ではなく70%程度の完成度を目指すのがポイントです。70%ほどできた段階で、社内外からのフィードバックやその時々の外部要因を都度反映し、アプデートしていきます。企画書の作成に時間をかけすぎないようにしましょう。

企画書の作成に時間をかけすぎると、市場動向が変化したり他社に先を越されたりすることも考えられます。競合調査やリスクの洗い出しにはある程度の時間が必要ですが、全ての情報が揃ってから提案するのではなく、70%ほど完成した段階で社内提案を進めましょう。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

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すぐに使える!事業企画書の無料テンプレート

企画書を作るのが初めてという方や、効率的に作成したいという方は、企画書の例として下記のテンプレートを活用するのがおすすめです。新規事業の内容や社内で提案する相手によって、追加・削除すべき項目も出てきますので、カスタマイズして活用してください。

事業企画書で必要となるのは、決裁権を持つ「相手を説得し、動かすこと」です。テンプレート通りに企画書を作成することよりも、相手に納得してもらえる情報を分かりやすく記載することを大切にしましょう。

新規事業企画書のテンプレート

下記のリンクをクリックするとテンプレートをダウンロードできます。
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新規事業企画書イメージ】

新規事業企画書イメージ

新規事業企画書の書き方|記載すべき10項目

新規事業企画書に記載する、以下の10の項目について解説します。

  1. 項目1. 事業概要
  2. 項目2. 提案内容のサマリー
  3. 項目3. 事業を企画した背景
  4. 項目4. 目的・目標
  5. 項目5. 見込める効果
  6. 項目6. 既存事業との相乗効果の有無
  7. 項目7. 想定されるリスク・課題
  8. 項目8. 販売方法
  9. 項目9. 必要コスト・予想収益
  10. 項目10. 企画実現に向けた具体的なプラン・スケジュール

新規事業企画書は変更を加えていくことを前提としているため、始めから時間をかけて仕上げる必要はありません。目安としては、2〜5日以内につくり終えるようにしましょう。

項目1. 事業の概要

事業企画書にまず必要なのが、新規事業の概要です。主に下記の項目を含めると情報を網羅できます。

  • 事業名またはサービス名
  • ターゲット顧客
  • 新規事業のサービスイメージ
    (イラストやスクリーンショットを活用し具体的に提示)
  • 商品またはサービスの価格
  • 提供方法(ビジネスモデル)
  • 事業の将来性および市場の可能性

ターゲット顧客については、抱えている課題やニーズまで具体的に設定すると、商品・サービスを通じて提供できる価値を明確にすることができます。

重要なのは、「このサービスは、何であるのか?」が、一言で伝わる文章も記載することです。

たとえば、「Uber Eatsのアパレルバージョンです」というふうに、「競合サービス◯◯の◎◎バージョンです」と表現することで読み手もイメージしやすくなります。

項目2. 提案内容のサマリー

社内承認を得るための事業企画書であれば、提案内容のサマリーを記載するのがポイントです。

  • 事業内容
  • 実現したいこと
  • 価格
  • 販売方法

これらの情報を簡潔にまとめて記載します。なお、社外に提出する企画書の場合は、サマリーは不要です。

項目3. 新規事業を企画した背景

新規事業の事業で大事なのが、「なぜ自社がこの事業(サービス)をやるべきなのか?」という点です。企画を提案する際にこの問いの答えが明確でなければ、相手を説得するのは難しいでしょう。(理由がないものに人はお金も時間も投下してくれません)

特に下記の3点を洗い出しておき、提案の際にしっかり答えられるよう準備しておきましょう。

  1. 自社の状況(現在抱えている課題や自社の強み)
  2. 競合他社の動向
  3. 顧客ニーズや市場規模

例えば自社の強みは、新規事業に活かせる財務・人材資源をすでに持っていることや、既存事業のノウハウを活かせること、新規事業を通じて既存事業でも新たな顧客を開拓できることなどが挙げられます。

競合他社の動向を調査する方法はさまざまですが、何から手を付けたらいいか分からないという方は、まず競合他社のホームページを見てみましょう。上場企業であれば、経営・財務状況や戦略を確認できるIR情報が掲載されていますので、大まかな動向を把握することができます。

未上場企業でも、活動報告としてそのような情報を公開している場合があります。公開されていない場合は、帝国データバンクなどの企業情報を検索できるサービスを活用してみてください。この場合は費用が発生しますが、競合他社の取引先や、経営者へのヒアリングに基づいた今後の戦略などを確認できるので、費用を惜しまず入念に調査しましょう。

これらは事業の成功を左右する情報といえるので、仮に数十万円かかったとしても、必ず把握しておくべき情報です。ここはケチっては絶対にいけません。

もし事前の競合調査や市場調査なしに「勝機がないのに参入した場合」、それこそ損失は数十万円では収まりません。競合調査した上で自社が参入することの意義、メリットを明確にしましょう。

項目4. 目的・目標

新規事業の目的や成し遂げたいビジョンと、目的の達成に向けた具体的な数値目標も整理しておきましょう。また、目標に辿りつくまでに目安としてどれくらいの資金と期間が必要なのかを提示することも重要です。(この段階では大雑把で問題ありません)

立ち上げのコスト、初年度の売上予測のみでなく、単月黒字化が何ヶ月程度で見込めるのかを数値化すると、その事業の確実性や将来性が相手にも伝わりやすくなります。可能であれば、それぞれを定量化したKPIも設定しておくと、ゴールにたどり着くまでのイメージが鮮明になるでしょう。

記入例

  • 期間や収益の目標
    • 立ち上げに〇万円のコスト / 〇ヶ月
    • 初年度売上〇万円 / 12ヶ月
    • 単月黒字化〇ヶ月
  • KPI(指標)

項目5. 見込める効果

決裁権をもつ経営者が特に(1番)気になるのは、その新規事業は会社にどのようなメリットをもたらすのか?という点です。その事業が成功すると言える理由や将来性を、定性と定量の両方の観点から効果を整理し、明確にしましょう。

この項目では市場や競合調査で得たデータを基に、客観的な事実を含めた要因を記載します。具体的には下記のポイントを明確にしておくとよいでしょう。


定性

  • 顧客やその事業の関係者に与える影響
  • 間接的に自社に見込める成果(売上、コスト削減、社内の合理化、ブランド価値の向上など)

定量

  • 収益化のスケジュール
  • 販売量
  • 売上
  • 利益

項目6. 既存事業との相乗効果の有無

新規事業を立ち上げる際、その事業が既存事業とどのような相乗効果をもたらすのかも重要なポイントです。

例えば、相互送客を期待できるのか、実現できるとしたらどのような方法で可能なのかも明確化します。相互送客が実現すると、既存事業が新規顧客を獲得できるチャンスが増えるだけでなく、それぞれの事業を通じてより幅広いニーズに対応できるため、顧客ロイヤリティの向上につながるという点もメリットです。

例として、脱毛サロンのビジネスが挙げられます。脱毛単体のサービスであっても、脱毛に興味関心のある自社の顧客に対して脱毛器などの関連商品を販売し、既存事業の利益を上げている企業もあります。

相互送客のみでなく、人的資源やノウハウを活用することで経費削除につながるケースも考えられます。会社全体の生産性や利益を高められ、会社の成長を促進できる可能性があれば、経営層にとってもその新規事業は魅力的に映るはずです。

新規事業の魅力をアピールするだけでなく、既存事業との相乗効果についても忘れずに記載しておきましょう。

項目7. 想定される課題・リスク

どんな事業にもリスクはつきものですが、想定できる課題やリスクを事前に把握しておくことで、大きな失敗や損失を未然に防ぐことができます

必要以上にリスクを怖がる必要はありませんが「覚悟しておいた方がいいこと」を洗い出し、社内で共有しておきましょう。


事業の課題やリスクを把握するには、以下の方法を参考にしてみてください。

  • すでに類似事業を運営している人にヒアリング
    周りに詳しそうな人がいれば、経験談を聞きに行きましょう。インターネットには載っていない一次情報を取ることが大切です。もし周囲にヒアリングできる人がいない場合は、「ビザスク」などのスポットコンサルサービスを活用するのもおすすめです。

  • 調査機関で競合を調査
    調査機関に競合調査を依頼し、競合他社が抱える課題やリスクなども一緒にヒアリングしてもらいましょう。

  • 競合のIR資料を確認
    企業のIR資料には、外部リスク(市場や政治・社会情勢の変化など)や内部リスク(オペレーション上のリスクなど)が記載されています。企業のホームページから確認できるので、IR資料が公開されている場合は必ず目を通しましょう

項目8. 販売方法

新規事業の商品・サービスをどのように顧客に届けるのかという、マーケティング手法・販売方法を提示します。

事業を成功させるためには、高品質の商品・サービスを開発するだけでなく、ターゲット顧客に適切に届ける必要があります。事業企画書には、新規事業の商品・サービスの認知度をどのように高めるのか、どのように顧客に届けるのかという、マーケティング手法・販売方法も記載します。

少なくとも下記の3点は明確にしておきましょう。

  • 販売経路
    商品・サービスが顧客に届く経路と、その過程でどの業者と提携するのかを提示します。たとえば商品を顧客に配送する場合は、どれくらい早く商品を届けられるかが競争優位性を高める重要なポイントです。効率良く迅速に顧客に商品を届ける経路と、それを実現できる業者について具体的に記載します。

  • 販売方法
    商品・サービスをどこで販売するのかを提示します。実店舗なのかオンラインショップなのか、また直販なのか代理店販売なのかもここで明確にします。

  • プロモーション
    プロモーションとは、どのように商品・サービスを顧客に知ってもらうか?の手段を指します。ターゲットとなる顧客層によって、新聞・雑誌などの紙媒体を活用すべきか、SNSなどを通じてオンラインでプロモーションすべきなのか、最適解が異なります。どのように顧客に情報を届け購買につなげるのかを設計します。

項目9. 必要コスト・予想収益

新規事業企画書には、立ち上げに必要なコストや初年度の売上予測を記載します。

単月黒字化が見込める時期も数値化して記載すると、その事業の確実性や将来性が伝わりやすくなります。可能であれば、それぞれを定量化したKPIも設定しておくと、ゴールにたどり着くまでのイメージが鮮明になるでしょう。

【記入例】

  • 期間や収益の目標
    • 立ち上げに〇万円のコスト / 〇ヶ月
    • 初年度売上〇万円 / 12ヶ月
    • 単月黒字化〇ヶ月
  • KPI(指標)
  •  予算・コスト
    • 企画にかかるコスト
    • サービス開発のコスト
    • 販売にかかる年間コスト
    • 年間の見込み利益

項目10. 企画実現に向けた具体的なプラン・スケジュール

新規事業の実現に向け、進行スケジュールと必要な予算も決めておきます。予定通りに進まないことを考慮に入れて、企画書の段階ではおおまかな内容で大丈夫です。

しかし、収益に影響する大事なポイントでもあるので、下記の点を踏まえて短期計画と中長期の予測を立てておきましょう。

  • スケジュール
    ・企画にかかる期間
    ・サービス開発の期間
    ・収益化するまでの期間

「新規事業企画書を作成する時間がどうしても取れない」という場合は、外注することも可能です。新規事業立ち上げにおいて外注すべき業務について、以下の記事で解説しています。

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失敗しない!新規事業企画書の書き方の6つのコツ

新規事業企画書を作成する際に重視すべき、以下の6つのコツについて解説します。

  1. コツ1. 決裁者・出資者の立場を考慮し、納得してもらえる内容にする
  2. コツ2. 定量的なデータを用いて説明する
  3. コツ3. 自社の強みやリソースを活かせる内容に絞る
  4. コツ4. 最後は「読み手に何をしてほしいのか」を伝えて終わる
  5. コツ5. 実際の顧客の声を入れる
  6. コツ6. 70%の完成度を目指す

コツ1. 決裁者・出資者の立場を考慮し、納得してもらえる内容にする

事業企画書は簡潔かつ分かりやすい内容にするのが重要ですが、簡潔ながらも筋道が通った論理展開ができているかが相手を説得できるカギとなります。

提案する相手に合わせて情報や事実の結び付け方、どんな情報をどこまで伝えるのかを考慮すれば「筋道の通った主張」になるでしょう。

根拠と結論の関係性を説明する過程で、相手の立場や相手のメリットになり得ることを考慮し、共感を得られるよう情報を組み合わせていくことがポイントです。

2. 定量的なデータを用いて説明する

新規事業企画書では、見込まれる利益や収益化の時期などについて、定量的なデータを用いて説得力を持たせることが重要です。

とくに以下の項目について、定量的なデータを用いて説明します。

  • 競合や市場に関する調査データ 
  • 立ち上げや開発、販売にかかるコスト
  • 初年度の売上や、単月黒字化する時期の予想

利益だけでなく、開発や販売にかかるコストについても明確に記載しておくことで、新規事業が実現可能であることをアピールしやすくなります。

コツ3. 自社の強みやリソースを活かせる内容に絞る

社内で新規事業の企画を通すには、その事業を成功に導くために自社の強みやリソースをどのように活かせるのかを強調することも重要なポイントといえます。これまでに蓄積されたノウハウや資源を活かせる現実味のあるシナリオを描けると、説得力のある内容になるでしょう。

新規事業の成否は会社全体の経営にも影響を与えるため「自社だからこそ、この事業を実現できる」とアピールできる内容を目指してください。

コツ4. 最後は「読み手に何をしてほしいのか」を伝えて終わる

新規事業企画書の最後に、読み手に何をしてほしいのか明確に伝えて終える必要があります。読み手が次に何をすべきなのかわからない企画書では、スピード感を持ってプロジェクトを進めることはできません。

  • 予算の承認
  • リソースの補充
  • 協力会社との契約締結

上記のように、企業として決定しなければならないことがある場合はその旨を明記します。社外の関係者に向けた事業企画書の場合も同様に、読み手が次にどのようなアクションを起こせばいいのかについてを明確に記載することが重要です。

コツ5. 実際の顧客の声を入れる

新規事業企画書では、調査データをもとに分析した市場のニーズを盛り込みます。その際、実際の顧客の声を入れるのも効果的です。

実際のニーズがあるものを開発するのが、新規事業成功の秘訣です。既存事業の顧客から要望があった場合は、その声を企画書に盛り込みましょう。企画書だけでなくテストマーケティングを行う際も、実際の顧客の声を踏まえて実施するのがポイントです。

コツ6. 70%の完成度を目指す

冒頭でも触れた通り、企画書は100%の完成度を目指す資料ではありません。社内外の関係者からのフィードバックや、その時々の外部環境を都度反映し、アップデートしていきます。したがって、企画書の作成に時間をかけすぎないようにしましょう。

時間をかけすぎた結果、市場動向が変化したり他社に先を越されたりすることも考えられます。競合調査やリスクの洗い出しにはある程度の時間が必要ですが、全ての情報が揃ってから提案するのではなく、70%ほど完成したら社内提案を進めましょう。

新記事業企画書に関する、よくある質問(Q&A)

Q 新規事業企画書と新規事業計画書は違うもの?
A

新規事業企画書と新規事業計画書は、言葉は似ていますがまったく違うものです。新規事業企画書が「どういった事業を作り上げるのか」という点に焦点を当てた資料であるのに対し、新規事業計画書は「どのようにやるのか」という手段についての資料です。

料理を作る過程に例えると、以下のようになります。

・事業企画書|食材のお買い物リスト(そこまで工夫できる余地はない)
・事業計画書|レシピ(人や会社によって、オリジナリティが出る)

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Q 新規事業企画書作りに時間がかかりすぎる…どうしたら良い?
A

前述の通り、新規事業企画書は70%程度の完成度を目指すのがポイントです。100%を目指そうとすると時間がかかりすぎる上に、競合に先を越されてしまう可能性があります。

経営層や関係者に共有してから変更を加えていくことを前提としているため、目安として2〜5日以内につくり終えるようにしましょう。

事業企画書の一番の目的は、「相手を説得して、動かすこと」です。美しいフォーマットにこだわったり、枝葉の内容精査に時間をかけたりするのではなく、企画を通すために必要な要素だけを徹底的に磨き込みましょう。

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ポイントを押さえて通る事業企画書を作成しよう

新規事業の構想をまとめた企画書は、社内承認がおりるか否かを左右する重要な資料です。必要に応じてテンプレートを活用しながら、相手の共感を呼ぶことを意識し、提案が「通る」企画書を作成しましょう。

企画書が完成したら、次に行うのは経営層や関係者へのプレゼンです。新規事業の立ち上げを成功させるプレゼンのコツについて、以下の記事で詳細に解説しているのでぜひご参照ください。

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また、もし自社で事業企画書のご作成が難しい場合は、弊社にご相談ください。無料で3回までご相談が可能ですので、下記からお問合せくださいませ。

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新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)