新規事業のために資金を調達したいが、どんな方法があるのか分からない…
自社の新規事業に使える補助金・助成金は一体どれだろう…?
そもそも補助金と助成金の違いが分からない…
これから新規事業を立ち上げようとしている方の中には、こうした悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
新規事業の立ち上げには資金が必要なので、補助金や助成金を活用することは有効な手段です。
実際に、経済産業省の中小企業白書のデータにもあるように、補助金・助成金は中小企業の新規事業においてメジャーな資金調達手法と言えます。
しかし、各制度の違いを理解せずに、準備もままならない状態で申請した結果、「審査に通らなかった」「事業が失敗に終わった」という話をよく耳にします。
最初にお伝えしておきますが、新規事業で使える助成金はほぼありません。申請するのであれば、補助金一択です。
そして、補助金には厳しい審査がある上、入金までに時間が掛かかるため注意が必要です。こうしたポイントをしっかりと理解しておくことで、制度を有効活用することができます。
この記事では、これまで数多くの新規事業立ち上げに携わってきた私が、新規事業に活用できる補助金をご紹介するとともに、補助金を活用する上でのポイントを詳しく解説していきます。
この記事を読み終えると、こんなことが実現できます
- 補助金と助成金の違いが理解でき、自社の事業に合った制度に申請できる
- 公的支援制度を利用する上での注意点が理解でき、審査に通りやすくなる
- 新規事業に使える資金に余裕が出るため、資金不足で失敗する可能性が低くなる
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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▼目次
新規事業で活用すべきは助成金?補助金?
新規事業の立ち上げに伴う資金調達には、「助成金」よりも「補助金」が適しています。
融資と異なり、補助金も助成金も返済する必要がありません。ですから受給要件を満たしており、かつ本当に必要としているのであれば、申請を検討すべきです。
しかし、助成金は新規事業の立ち上げには活用しづらいものが多いのが特徴です。
1.「助成金」と「補助金」の違いとは?
そもそも「補助金」と「助成金」を混在して考えてしまっている方もいるため、まずは両者の違いを見ていきましょう。
「金銭的支援を受けられる」という点は共通していますが、助成金と補助金には次のような違いがあります。
補助金とは?
補助金とは、経済産業省や都道府県等の自治体が主体となり、さまざまな政策を促進することを目的として、事業者の資金の一部をサポートするものです。
採択件数や支給総額があらかじめ決まっているため、競合との競争が激しいため必ず審査に通るとは限りません。行政書士や税理士による代理申請も可能ですが、審査に通過するには、まずは自社内で事業計画をしっかりと作り込むことが重要となります。
また、補助金を受けることで投資家や金融機関からの信用を得ることができるといった副次的な効果も期待できるのも特徴です。
補助額は制度によりさまざまですが、数千万円規模の補助が受けられるものもあります。
助成金とは?
助成金は、厚生労働省が管轄しており、主に雇用関係の費用をサポートするものです。
助成金の主な目的は、労働環境を改善し、従業員が働きやすくすることです。要件に当てはまれば誰でも受給できますが、新規事業に活用できるケースはあまり多くありません。
支給額は「対象経費の1/3」「対象経費の1/2」のように上限が決められていて、社会保険労務士だけが代理申請することができます。
2.新規事業で活用すべきは「補助金」
「助成金の方が申請が通りやすいなら、助成金を申請しよう」と思った方が多いかもしれませんが、新規事業で活用すべきは「助成金」ではなく「補助金」です。これには目的の違いが関係しています。
補助金は、国や自治体が政策を促進することを目的としているため、政策に合わせて補助金の種類も多岐にわたり、新規事業に特化したものもあります。事業再生構築補助金は上限8,000万円、ものづくり補助金は上限1,250万円というように、金額が大きなものがあるのも特徴です。
一方で、助成金は雇用関係が中心のため、人件費や備品購入費など使い道の幅が狭く、新規事業に使えるものは「創業助成金」くらいしかありません。また、助成額もあまり大きくないことがほとんどです。
新規事業にはリスクがつきものです。予算は多いに越したことはないでしょう。
そのため、新規事業立ち上げで活用すべきは選択肢が多く、金額も多い補助金です。
補助金を申請する際の大切な心構え
ここからは補助金に絞って説明していきます。審査を通過する上で必要な3つの考え方について見ていきましょう。
- 本気でやりたい事業のために、補助金を申請する
- 申請前に取引のある金融機関に相談しておく
- 「事業内容」と「資金調達」は分けて考える
1. 本気でやりたい事業のために、補助金を申請する
しばしば手段と目的が逆転している方を見かけます。つまり「補助金がほしいから事業計画をつくる」という、お金をもらうことが目的になっている方です。
しかし、「どうやって補助金の申請を通すか」が目的となってしまうと、多くの場合は墓穴を掘ることとなります。
補助金申請の準備には、多くの時間とコストを要します。士業に依頼することも可能ですが、丸投げして受給できるほど甘いものではありません。
また、補助金は事業計画に沿って使う必要があります。辻褄を合わせるために不必要な経費を計上しても、肝心な新事業はうまくまわりません。かえって財政的な負担が増すだけで、申請に掛かった労力も無駄になってしまうでしょう。
新契約の見込みや、補助金で使う事業への明確なビジョンがないのであれば、申請するべきではありません。
後述しますが、補助金は後払いで、入金までに時間がかかります。しかも事業総額が全額支給されるわけではありません。
「心からやりたい事業があるから補助金をもらう」という姿勢で臨むべきです。
2. 申請前に取引のある金融機関に相談しておく
補助金の申請に際し、取引のある金融機関にも資金の相談をしておくことが大切です。なぜなら、補助金は申請から入金までにかなりのタイムラグがあるからです。
仮に審査をパスしても、補助金が入金されるまでの資金を確保できていなければ「補助金倒産」のようなリスクも待ち受けています。
補助金を使って、工場の生産ラインを新たに増やすとします。しかし補助金は実際に使った費用に対しての後払いです。採択されても精算は補助事業の終了後となります。
したがって生産ラインは手持ち資金で立て替えておかなければなりません。補助金額は数百万、数千万単位が多いですが、億単位の場合もあります。一時的とは言え、その全てを立て替えるのは容易ではありません。
無計画に補助金を申請すると、倒産してしまうこともあり得ます。あらかじめ金融機関に相談し、繋ぎ資金を調達しておきましょう。
3. 「事業内容」と「資金調達」は分けて考える
補助金には申請期間が定められています。受付が始まってから事業を考え始めても手遅れです。
これまでに「補助金の申請ができれば、事業ができる」「申請書を書いていく過程で新事業を構想すれば、審査を通過できる」と考えている方に何度も出会いました。
残念ながら、どちらもうまくいかないでしょう。補助金の採択は、そんなに甘いものではないのです。
補助金の採択にフォーカスしすぎると、手段と目的が逆転します。重要なのは採択された後の資金使途です。
私たちは、補助金申請の相談を受けた場合、最初にこう訊くことにしています。
「ニーズはどこにありますか?」
それはつまり「テストマーケティングをしましたか?」「既に顧客から新規案件を発注していただいていますか?」という問いです。
事業を立ち上げる前には、実際にニーズがあるかどうかを調査するフェーズが必要です。この工程には時間が掛かりますから、資金調達と事業構想を同時進行させるのは失敗の元です。
どうしても期間内にどちらも達成したいのであれば、「事業の検討」と「資金調達」を分けてそれぞれの専門家に発注しましょう。
新規事業立ち上げに活用できる補助金
新規事業の立ち上げに活用できる補助金は、主に「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」の4つです。
ここでは各補助金の内容をご紹介します。
1. 事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、業態転換、業種転換、新分野開拓、設備投資など中小企業の新たな取り組みを支援する補助金です。言い換えれば、新規事業に特化した制度です。
経産省中小企業庁の主催で、1社あたりの補助額は100万円〜1億円です。「認定経営革新等支援機関(主に金融機関)」と相談しながら事業計画を立案することが必須要件です。
業種は、製造業や建設業、運輸業、サービス業、小売業、卸売業、情報処理サービス業、旅館業など多様な分野をカバー。対象となる企業規模は業種によって異なり、従業員数300人以下、100人以下などと決められています。
申請例
- 飲食スペースを縮小し、新たにテイクアウト販売を実施
- 室内のヨガ教室だけでなく、オンライン形式のヨガ教室を開始
- 自社所有の土地を活用し、キャンプ場やレンタカー事業へ進出
- 工事現場での画像処理技術を使って、医療分野へ進出
補助上限額
500万円 ~ 2億円(補助率1/3 ~ 3/4)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、通称「ものづくり補助金」は、中小企業が生産性向上を実現するための設備投資用途の補助金です。
新しい機械の導入をはじめ、新サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善などに使えますので、新規事業立ち上げの下支えとなります。
2022年度の公募では「一般型」(<通常枠>、<回復型賃上げ・雇用拡大枠>、DX導入を対象とした<デジタル枠>、温室効果ガス削減に資する<グリーン枠>)、海外事業の拡大・強化とインバウンド開拓を目的とした「グローバル展開型」に大別され、交付額は750万円から3,000万円まで幅広く設定されています。
IT導入補助金と合わせて活用できれば、DXの推進が期待できます。
申請例
- 日本に来日する外国人をターゲットにした予約システムの開発
- 複数形状の餃子を製造可能な餃子全自動製造機を開発
- 属人的な作業を笑楽化するため、顧客・受注・作業員を一体的に管理するシステムの導入
- フリーズドライ技術を使って、新たな機能性表示食品の開発
- アグリテックを活用した高品質トマト生産のFCモデル確立
補助上限額
750万円 ~ 5,000万円(補助率1/2 ~ 2/3)
3.小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、「商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる小規模事業者」、および「一定の要件を満たしたNPO」を対象とした補助金です。業種によりますが、従業員数5〜19人までの事業者が対象です。
「一般枠」と新型コロナ感染防止に関連した「事業再開枠」に大別されます。新規事業に関連するのは「一般枠」のなかの「地道な販路開拓等(生産性向上)の取組」というカテゴリーです。新商品の開発費、機械装置等費、展示会等出展費、資料購入費、宣伝広告費、ネット販売システムの構築、ブランディングの専門家による新商品開発に向けた指導料などが対象となります。
受付・審査を行うのは商工会議所です。
申請例
- 商品を陳列するための棚の購入
- 新たな販促用チラシの作成、送付
- 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告等)
- Webサイトの制作・リニューアル
補助上限額
50万円 ~ 250万円(補助率1/2 ~ 2/3)
4.事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は中小企業庁による補助金で、M&Aによる経営資源の引継ぎや、事業承継・M&Aを契機とした経営革新などへの挑戦をサポートします。
後継者が新規事業を始めたい場合に活用できますが、制度の趣旨を正しく理解しておくことが大切です。補助金を全額新規事業に充ててしまうと、採択されにくいでしょう。あくまで「事業継承に伴う事業再編や事業統合などの流れのひとつとして、新規事業も始めたい」という場合に有効です。
申請の時点でプランシートに新規事業の内容を記載しておきましょう。
- 経営革新事業
- 専門家活用事業
- 廃業・再チャレンジ事業
の3つの類型に分れていますが、新規事業に充当できるのは①です。新しい商品やサービスの開発、新たな顧客層の開拓、そして新事業の立ち上げの局面で金銭の支援が受けられます。
また専門家活用形事業では、M&A を活用した際の専門家に支払った報酬も補助の対象になります。
補助上限額
50万円 ~ 250万円(補助率1/2 ~ 2/3)
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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新規事業立ち上げに活用できる助成金
新規事業の立ち上げに活用できる助成金はほぼないとお伝えしましたが、唯一使えるのが「創業助成金」です。
創業助成金(東京都ほか)
創業助成金は、都道府県あるいは市町村が主体となる助成制度です。新規事業に使える唯一の助成金と言えます。
東京都の場合、東京都中小企業振興公社が主体となり、人件費や事務所賃借料等事業の経費の一部を負担してくれます。助成期間は6ヶ月から最長2年。期間満了後も東京都中小企業振興公社が継続的に支援してくれるのも嬉しいポイントです。
助成額は100〜300万円。対象となるのは、都内で創業を予定されている方または創業後5年未満の中小企業者のうち、「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」などとなっています。
補助金・助成金の申請時に気を付けたいポイント
ここで補助金申請に先だって覚えておきたい3つのポイントをご説明します。
1.数値計画をしっかりと立てる
事業計画を作成する際には、根拠に基づいた数値計画を折り込むことが大切です。
新事業に対する思いの丈を「これでもか」と申請書に記載する方がいらっしゃいますが、それでは第三者には伝わりません。熱い思いよりは、論拠をしっかり数字までに落とし込んでください。
補助金審査の担当者は、並の経営者よりも事業計画の数字を見ることができる精鋭ぞろいです。通常、補助金の申請書には年次の数字を算出して書き込みますが、実務においては月次で数値計画を出すのが普通のため、年次数値の計画は一見するとかなり見立てが甘いと見えてしまいます。しかしそこで手を抜き、月次を飛ばして年次の数値だけ算出すれば、審査担当者は絶対に気が付きます。
手を惜しまず、12ヶ月分のシミュレーションを必要年数分出した上で、年次計算しましょう。
2.必ずしも申請が通るとは限らない
補助金には審査があります。つまり審査書類を提出しても、必ずしも申請が通るとは限りません。たとえば、ものづくり補助金の採択率は、40〜60%程度のようです。つまり半分程度の方は採択されないのです。
ものづくり補助金は通年で公募されていますが、一般に1次公募がもっとも審査を通過しやすく、2次以降は厳しくなっていくという傾向があります。ただし、いつまでも制度が変わらないという保証はありません。仮に採択を逃しても、同じ事業での再申請が可能ですから、内容を見直しつつチャレンジを続けるのもひとつのやり方です。
いずれにせよ、補助金に過度な期待を掛けて予算を計上すると、思わぬ結果を招く可能性があります。審査を通過しなかったときのことも考え、金融機関からの融資やファンドの利用も視野に入れておきましょう。
3.入金までに時間がかかる
補助金の支払時期は、事業終了の1〜2ヶ月後です。事業の実績報告を行い、内容の妥当性が精査された上で、支払われるためです。審査を通過したからといって、すぐに入金されるわけではないため注意が必要です。すでにお伝えした通り、あらかじめ金融機関に相談して、繋ぎ資金を確保しておきましょう。
事業の流れは大まかに言うと次の通りです。
①応募申請
↓
②審査・採択
↓
③交付申請
↓
④交付決定
↓
⑤事業実施……交付決定から10ヶ月間
↓
⑥実績報告
↓
⑦確定検査……補助事業の対象経費の妥当性を確認し、最終的な交付額を確定
↓
⑧補助金の請求
↓
⑨補助金の支払……ココでようやく、補助金額が支払われる。
①〜⑨までに約12〜13ヶ月かかり、そのうち⑦〜⑨で約1〜2ヶ月かかります。
なお、期限までに実施報告が行われない場合、補助金は支払われませんのでご注意ください。
補助金を申請するなら、本当にやりたい事業計画の立案と金融機関への相談を
違いの分かりづらい補助金と助成金ですが、企業が新規事業で積極的に利用するべきなのは補助金です。
補助金を申請する場合は
- やりたい新規事業のために補助金を申請する
- 補助金を申請するなら、まずは取引のある金融機関に相談する
の2点を必ず念頭に置いてください。
しっかりと準備をした上で補助金を申請し、新規事業を成功に導きましょう!
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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