新規事業のPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは?

新規事業のPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは?
    • 新規事業
  • 2022年9月22日

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

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ポイント

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、事業が成長した後にするものでは?新規事業でも分析しなくてはいけないの?

ポイント

花形や負け犬など、用語は知っているけど…。どのように分析するかはよく知らないなぁ。

参入市場の将来性を把握し、競合他社のシェア率を確認することは新規事業の失敗を防ぐ上でも役立ちます。

この記事では、事業の成長性や収益性を明らかにし、経営資源の適切な分配に役立つ「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」について解説します。

この記事を読み終えると、こんなことが実現できます

  • 市場の成長性や競合他社の規模を正しく把握し、新規事業参入の前に失敗を防ぐことができます
  • 自社事業の収益性を明らかにし、どこに経営資源を投じればよいか明確になります

自社・他社、どちらの事業分析にも使えるPPMを活用し、新規事業の成功確率を高めましょう。

それでは早速、読み進めていきましょう。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは?

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは?

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、商品や事業の成長性・収益性を理解し、リソースを最適に分配するために用いるフレームワークです。

1970年、ボストン・コンサルティング・グループが開発した手法で、縦軸を「市場成長率」、横軸を「相対的市場シェア」とし、2軸4象限で事業を分析します。

PPM(プロダト・ポートフォリオ・マネジメント)4つの分類

PPM(プロダト・ポートフォリオ・マネジメント)4つの分類

市場成長率、相対的市場シェアがそれぞれ高いか低いかにより、事業は下記の4つに分類できます。

高成長率×高シェア花形(star)
高成長率×低シェア問題児(Problem Child)
低成長率×高シェア金のなる木(Cash Cow)
低成長率×低シェア負け犬(Dog)

それぞれの特徴を解説します。

花形(star):売上が期待でき、経営資源を回収しやすい事業

花形(star):売上が期待でき、経営資源を回収しやすい事業

市場成長率も、市場シェアも高い事業です。

自社の製品やサービスが顧客に行き渡り、さらに市場の成長も望めるため、積極的にリソースを投下したい事業です。

将来的に「金のなる木」と化す可能性も秘めています。

問題児(Problem Child):成長市場であるものの、コストがかかっている事業

問題児(Problem Child):成長市場であるものの、コストがかかっている事業

成長市場であるものの、自社商品が行き渡っていない事業です。

今後の発展が期待できる一方、顧客に認知してもらうため、積極的な投資が欠かせません。

うまくいけば、「花形」になる可能性もありますが、失敗すると「負け犬」となってしまいます。

金のなる木(Cash Cow):投資せずとも、利益を生み出す事業

金のなる木(Cash Cow):投資せずとも、利益を生み出す事業

成長市場ではないものの、シェアが高い事業です。寡占状態の事業といってもいいでしょう。

新規参入の脅威が少なく、自社の製品がシェアを保っているため、少ないコストで安定的に利益を生み出せます。

金のなる木から出た利益は、積極的に「問題児」や「花形」に投資します。

負け犬(Dog):利益が出しづらく、コストもかかっている事業

負け犬(Dog):利益が出しづらく、コストもかかっている事業

市場成長率も市場シェアもどちらも低く、維持コストがかかってしまっている事業です。すでにブームの去った商品や、代替サービスに変わってしまった商品などが該当します。

負け犬に該当する事業は、早めに見切りをつけ、経営資源を他の事業に分配するのが一般的です。

新規事業立ち上げ時にPPM分析が必要な理由

新規事業立ち上げ時にPPM分析が必要な理由

新規事業の立ち上げ時のPPM分析は、

  1. 新規事業の発展性を把握する。
  2. 自社のリソースを適切に分配する。

これらの理解のために必要です。

新規事業の将来性を判断できる

新規事業の立ち上げでは、そもそも将来性はあるのか市場シェアが見込めるか、慎重な判断が必要です。

この見極めを誤ると、最初から勝ち目のない勝負をする結果にもなりかねません。

そのため、PPM分析を用いて市場成長率や、競合他社の市場シェアを確認する必要があります。

新規事業に適切な経営資源の分配ができる

すでに複数の事業を運営しているなら、PPM分析により、どの事業の資金を新規事業に投入すればよいか判断できます。

自社の事業をポートフォリオ化すれば、客観的理解にもつながります。

事業の撤退時期を判断できる

自社に複数の事業があれば、撤退時期の見極めも大切です。

事業が整理できれば、「負け犬」に投下していたリソースを、新規事業に投入するという選択も可能となります。

「重要なのは分かったものの、うまくできる自信がない」
「自社の状況に当てはめると、どう考えれば良いんだろう…?」

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新規事業立ち上げ時のPPM分析のやり方

新規事業立ち上げ時のPPM分析のやり方

PPM分析では、市場成長率と市場シェアの正しい把握が必要です。具体的な計算方法を解説します。

市場成長率を計算する

昨年と比べ、今年の市場規模がどのように推移したかを表すのが、市場成長率です。

市場規模とは、「特定の市場における年間の総取引額(売上)」を指します。計算方法は下記のとおりです。

今年の市場規模÷昨年の市場規模×100

市場規模のデータは官公庁(総務省統計局など)や、業界団体、民間の調査会社が発表していますので確認しましょう。

市場規模データ例)

市場シェアを計算する

市場シェアは、調査したい会社の売上高をその会社が属する市場の総売上高で割ると求められます。

売上高÷市場規模(市場の総売上高)

市場シェアは自社だけでなく、競合他社の分析も必要です。競合他社の売上高は、上場企業であれば、「IR情報」に記載されています。

また、新規事業では売上予測などを使うとよいでしょう。

他社事業と新規事業を象限にプロットする

上記で算出した情報を元に、競合他社の事業と、自社の新規事業を表にプロットしていきます。プロットする際は、売上高に比例して円の大きさを変えるとわかりやすいでしょう。

また、すでに自社の事業がある場合は、上記の方法で自社だけのポートフォリオを作ると、より全体像が把握しやすくなります

企業の成功事例をPPM分析で紹介!

企業の成功事例をPPM分析で紹介!

では、実際の企業を例に、PPM分析を紹介します。

サントリー

サントリーは、清涼飲料水事業と、ウイスキー・ビール事業が売上の柱です。

花形清涼飲料水事業
金のなる木ウイスキー事業
問題児ビール事業→のちに「花形」に成長
負け犬なし(海外ビール事業など、早期撤退済み)

サントリーのPPM分析で注目すべき点はビール事業です。

1963年の参入当初は、アサヒ・キリン・サッポロの3社がシェアを独占する市場で、その後45年間赤字を計上し続けています。

通常なら撤退を考える事業にも関わらず、継続できたのは「金のなる木」があり、投資できる経営資源を確保できたのも要因の1つでしょう。

また、「問題児」という点のみに注目するのではなく、「酒類の販売をする上で、ビールがあれば提案の幅が広がる」と考え、事業全体のバランスを重視した点もポイントです。

経営資源を投資し続けた結果、46年目にして黒字に転換、2008年には市場シェア3位に躍り出る花形事業へと成長しました。

市場環境と事業全体の適切な把握により、成しえた結果と考えられます。

新規事業の立ち上げでは、PPMで参入市場を分析しよう

新規事業の立ち上げでは、PPMで参入市場を分析しよう

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、市場成長率と、市場シェアの2軸で、事業の収益性を明らかにし、経営資源の適切な分配につなげるフレームワークです。

新規事業では、参入する業界に将来性はあるか、また、競合他社のシェア率はどの程度か確認できるため、参入前に失敗を防ぐうえでも効果的です。PPM分析は事業の成長後だけでなく、新規事業の立ち上げ時にも活用してみましょう。

新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。

弊社「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで300件以上の新規事業の相談を受け売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化など、多くの実績をあげてきました。

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<参考外部サイト>
日経BP日経クロステック:ビール事業、46年目にして初の黒字 「プレモル」で“新文化”を徹底訴求

コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)