新商品開発の注意点

これだけは押さえておきたい開発プロセス!新商品を作る時の注意点

新たな商品やサービスを作っていくのは企業にとって収益を上げたり、継続的に事業を続けたりしていくうえでとても重要なことです。しかし、単に「新しい」というだけでは顧客の関心を引きつけることはできません。新商品を効果的に売り出すための開発プロセスについて詳しく見ていきましょう。

顧客が求めているニーズについて的確に把握する

新商品を開発するためには何よりも「顧客のニーズ」について的確に把握しておく必要があります。顧客が求めていない商品やサービスをいくら提供しても、なかなか収益には結びついていかないものです。またライバルが多い市場だと、価格競争に陥ってしまう恐れもあります。そもそも顧客ニーズとは顧客が抱いている欲求や要求のことを指します。(※1)ただ顧客の好みが多様化していると、その全容を把握するのは難しいプロセスでもあります。アンケートやヒアリング、商品説明会などから1つ1つ顧客のニーズを拾い上げていく必要があるでしょう。膨大な情報の中から、自社が1番勝負をするべき点をきちんと整理していくことが肝心です。「これまでの商品とどう違うのか?」といった部分をハッキリとさせるためには、新商品のコンセプトが鍵を握っています。「わが社だからこそ、この商品を出す!」と一言で理由をまとめられるくらいまで軸をしっかりと定めるプロセスが大切になるのです。

他社製品との違いを明確にする!基本を踏まえた差別化戦略

顧客のニーズを把握し、その中から自社の強みを見つけていくことが大切ですが、もう1つ重要なことがあります。それは「他社製品とどこが違うのか?」といった点です。これまで世の中に出回っていない商品を出すのであれば自社が主導権を握ることも可能でしょう。しかしすでに製品として流通しているものに参入していくには、きちんとした分析が必要となります。自社の開発陣から見れば「ここが違う!」と強みが答えられたとしても、それが顧客や競合他社にもハッキリと伝わらなくてはなりません。自社以外の視点から見て、「これまでの商品と大差がない」と思われてしまえば、一気に価格競争の波が押し寄せてきます。また技術的な部分でも目新しさがなければ、すぐに他社から真似をされてしまうリスクもあるでしょう。新商品は作って終わりではなく、継続的に収益を上げていかなければならないため、開発のプロセスの中には販売戦略や広告戦略もあわせて考えておく必要があります。

新商品のコンセプトをきちんと打ち出していく

新しく商品を出すためには「コンセプト」をきちんと出していくことが肝心です。これは顧客に向けた企業側のメッセージという意味合いがありますが、新商品を開発していくうえでも鍵となります。なぜなら、経営陣や製造部門、販売部門などがそれぞれに違うことを考えていては、結果的にはじめ考えていたような新商品が作れないからです。自社のスタッフの意識を統一できるからこそ、顧客にもしっかりとメッセージを伝えていくことができます。コンセプトを考える時に陥りやすい点は「他社商品の真似」です。(※2)もちろん意図的に真似をしなかったとしても顧客から同じ物だと見なされてしまうのは避けたいところ。顧客は同じような商品を求めていないという点はしっかりと押さえておきましょう。また研究開発部門からあがってくるコンセプトをそのまま採用してしまうのも難点があります。どうしても技術的な部分やコスト意識にばかり目が向いてしまい、顧客のニーズを探るマーケティングの視点が欠けてしまいがちです。商品開発のプロセスでは研究開発部門とマーケティング部門の垣根を壊していくことが大切になるでしょう。

開発までに必要な期間や資金について把握する

顧客にとってどんなに価値のある商品であっても、自社の最終的な収益につながらなければ商品開発そのものの目的を見失ってしまいます。商品だけ先に作って、収益化は後から考えるといった姿勢ではなく、やはり事前に商品開発に必要な資金や期間を定めておく必要があります。ビジネスである以上、ライバル企業との競争は避けられないところがあるため開発スケジュールについては、きちんと目途を立てておきましょう。そのうえで「どこまで資金を投入するべきか」を判断することが肝心です。新商品の販売が開始してから、どれくらいの期間で開発にあてた資金を回収するか見定めておきましょう。これらのことを的確に決めておかないと、そもそも「販売価格」をどうするかといった肝心な部分が決められないからです。他社の販売価格を参考にするのはいいものの、「他社がこれくらいの価格だから、ウチはこれくらい」といった何となくの感覚で値決めをしてしまってはいけません。商品開発にかかった期間や資金、収益化の目途などは販売価格に影響することを忘れないようにしましょう。

商品価格を自社・顧客の双方が納得できるラインに置く

顧客にとっても、自社にとっても商品価格がいくらであるかは関心事の1つです。自社の利益を無視した値決めをしてしまっては、経営に重大な影響を及ぼすことにもなりかねません。その一方で、企業側の都合ばかりを優先させて値段を決めてしまっては、顧客を離れさせてしまう要因にもなるでしょう。自社・顧客の双方が納得できる価格のラインがどこにあるのかを見極めることが重要です(※3)。また、1度決めた販売価格をずっと固定にしてしまうよりも、市場環境にあわせて適切に見直していく姿勢も必要となるでしょう。商品原価を元に価格設定を行っていく方法として「コストプラス価格設定方式」があります。この方式は企業側の視点で決めていくものですが、商品のニーズに対して供給数が少ない場合に有効です。原価に販売管理費と利益を上乗せしたものが、商品の販売価格となります。一方で顧客側に立った価格の決め方もあります。「知覚価値価格設定方式」は顧客がいくらなら買いたいと思うかという部分に視点を置いた決め方です。

新商品を効果的に宣伝する方法

新商品の魅力を顧客に最大限に伝えていくためには広告や宣伝が欠かせません。広告はテレビCMや新聞、ラジオや雑誌などがあげられます。従来の広告戦略に加えて、インターネットを使った宣伝にも力を入れてみましょう。またすでにあるメディアだけではなく、「オウンドメディア」と呼ばれる自社所有のコンテンツを活用することも大切です。(※4)商品を開発した企業自らが情報を発信することによって、自社のファンを獲得し、最終的には商品の購入にまでつなげていきます。商品の使い方動画を作成したり、ポイントがすぐに分かる説明書などをPDF化したりといったことがあげられるでしょう。開発スタッフが商品の魅力を伝えるためにビジネスブログを書くこともこの中に含まれます。どれか1つの媒体に特化して宣伝をするというよりも、商品にあわせて媒体を組み合わせていく方法が有効です。広告や宣伝にかけられる予算枠や人員を踏まえたうえで販売戦略を立ててみましょう。

新しい商品を世の中に出す意義をしっかりと定める

新商品を世に送り出すことは企業にとって、事業主体としての存在感を示す絶好の機会です。しかし顧客へのアプローチを誤ってしまうと商品が売れないだけでなく、自社のブランドイメージを低下させてしまう要因にもなってしまいます。「どうしてこの商品が必要なのか」といった核となるテーマを定め、まずは社内で共有することが大切です。顧客や取引先からの意見も踏まえて、商品を開発する段階から多角的な視点で見ていく必要があります。顧客が待ち望んでいた商品を売り出すことができれば、収益が得られるだけではなく企業価値を高めることにもつながっていきます。また新商品の開発や販売を通じて、社内の意識を高めることにもつながるでしょう。予算や開発期間を踏まえたうえで、魅力ある商品づくりを行っていきましょう。

“※1http://www.shinki-kaitaku.com/s07_word/ka/ko27.html
※2https://www.happystream.net/product_consulting/develop/
※3http://jnet21.smrj.go.jp/establish/manual/list4/step4/manual103-1.html
※4https://web60.co.jp/owned_media.html”