不動産業界の今後の展開や市場規模を知りたい。
不動産業界に参入したいと思っている。不動産業界に新たに参入する余地はあるのか?
不動産業界に参入を考えている方にとって、このような疑問を持っていう方は多いのではないでしょうか。
近年、不動産業界の市場規模は大きく移り変わっています。
大きな要因としては、下記の2点が挙げられます。
- 2022年の7月に開催予定の東京オリッピックに合わせたオフィスビルの建設
- 中古マンションをリノベーションの流行
そこで、本記事では、下記の3点について詳しく解説していきます。
- 不動産業界業界の市場規模の推移
- 不動産業界に関連する流通構造
- 不動産業界の将来性
について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、こんなことが実現できます。
- 不動産業界の全体像を記載しているので、不動産ビジネスへの展開のためのリサーチの時間が短縮されます。
- 不動産業界に起きている動きが把握でき、今後のビジネスチャンスの手助けになります。
それでは早速、読み進めていきましょう。
不動産業界の市場規模の推移
不動産業を営む法人の数は30万法人を超えており、1998年以降で法人数は増加傾向にあります。
法人数自体は増えてはいるものの、変化する市場環境に対応するために業界再編の流れも加速しています。
従来は不動産業界のM&Aといえば、不動産管理業やビルメンテナンス業が中心だったものの、地域のパワービルダーが中心となって業界再編が進んでいるのです。
6社が一気に経営統合した事例もあり、それぞれが持つ商品力の強みを活かしながら、企業体として組織の体力を強化する流れが起こっています。
また不動産事業者と通信事業者が業務提携を行うといった事例もあり、他業種からの参入も生まれています。
不動産と親和性の高いインフラ関連企業との連携が急速に進んでいるといえるでしょう。
また業界の市場規模の推移についても見ていきましょう。
公益財団法人不動産流通推進センターが取りまとめた2017年の「不動産統計集」によれば、不動産業界の売上高は39.4兆円となっています。
2005~2008年までは都心部のオフィスビル需要が下支えしていました。
その後、2009年からは金融危機の影響によって好調だったオフィスビルの需要も落ち込み、大規模な商業施設の開発も低調となりました。
そして、2013年あたりから国の経済対策や消費税増税前の駆け込み需要も重なって、住宅やマンションの販売も好調です。
2015年からはオフィスビル賃貸が活気を帯び、業界の市場規模は拡大しています。
品目別の市場動向を見ていくと、マンションの販売価格は2008年の金融危機と比べて、2017年は首都圏を中心に大きく上回る水準で高騰しています。
価格が高止まりを続けているため、契約率は2008年の水準を下回っているのです。供給数に関しては増加しているものの、企業による投げ売りの流れも見られないため、しばらくは販売価格の高止まりが見込まれています。
不動産投資市場については価格の高騰によって期待利回りは低下している傾向です。
不動産業者や投資家は慎重な姿勢であるため、バブルの兆候は見られていません。
オフィスビル賃貸市場については空室率の低下と賃料の上昇が続いており、好調な流れを見せています。
企業業績が手堅く推移する中で、今後もオフィスビルの活発な需要が見込まれているといえるでしょう。
不動産関連業界の流通構造
不動産業界は大きな規模をもつため全体像がつかみづらいところがありますが、
- 「建てる」
- 「販売する」
- 「貸す」
- 「管理する」
の4種類に分けられます。
土地開発事業者(デベロッパー)が土地を取得し、総合建設企業(ゼネコン)やハウスメーカーと協力をしながら、マンションや一戸建て住宅、ビルといった建物を開発していきます。
できあがった建造物を土地開発事業者やハウスメーカー、販売会社が個人の顧客や法人に向けて販売を行っていきます。
中古物件や賃貸物件の場合には不動産仲介業者が間に立ち、売り主と買い主、貸し主と借り主の間を取り持っていく流れをもっています。
マンションやビルなどの大型の建造物は、建物の保守・管理が必要なため管理会社がサービスを提供しており、それぞれの業者が連携しながら土地や建物を流通させています。
不動産流通業は自己所有物件でなくとも土地や建物の販売や交換、賃貸の仲介や分譲住宅の販売代理が行えます。
宅地建物取引業法で定める免許が必要となるものの、多額の資本を必要としないため小規模の事業者が多いのが特徴です。
その一方で、土地開発事業者は土地を取得するために多額の資本が必要になる他、周辺地域のインフラ整備なども行うため、資本規模の大きな事業者が行っています。
産業別の市場動向
国土交通省の2017年の「住宅経済関連データ」によると、2016年の新規住宅着工戸数は97万4,000戸となっています。
2015年よりも5万戸ほど増え、3年連続でプラスの推移となっています。内訳としては持家系が54万1,000戸、借家系が43万3,000戸というデータが示されています。
持家は前年比2.7%増、借家は前年比15.3%増、分譲住宅が前年比1.8%減となっています。
伸び率としては借家系が大きく伸びていますがその要因としては、相続税の節税対策としてマンションやアパートなどの賃貸物件の建設が多かったことがあげられます。
また低金利政策が続いていることから、賃貸によって家賃収入を得ようとする需要が多くなったためと考えられています。
また国土交通省が2015年に公表した「公示地価」によると、全国的に地価は上昇傾向が見られているのが特徴です。
東京・大阪・名古屋の3大都市圏ではオフィスビルの建設が増えているため、地価の上昇が特に目立っています。
その一方で、地方の地価は大きな下落こそ見られないものの低調に推移しています。都市圏と地方では地価に二極化の傾向が見られているのです。
建設関連企業については人件費や資材価格の高騰が経営リスクとなっています。
また分譲マンションの価格は高止まりが続いているため、オフィスビル賃貸などの事業に多角化できない企業は競合他社との差別化が生まれず、事業展開が苦しくなると考えられています。
オフィスビル賃貸は好調な流れを見せており空室率も改善しているため、増収増益の企業が増えると見込まれています。
注目される市場動向
市場の動向として注目されるのは「オフィスビル需要」「住宅着工数」「地価」「オリンピック需要」などがあげられます。
企業業績の堅調な流れを受けて、オフィスビルの空室率は下がり賃料も高騰しています。
大手の不動産事業者も大型のオフィスビルの建設を相次いで行っている流れが見られるのです。
また住宅着工数については大幅な伸びは見られないものの、賃貸・投資を目的としたマンションの需要が強くなっています。
新築マンションの建設を手がけていた企業が老朽化した中古マンションをリノベーションして、資産価値を高める動きもあるといえるでしょう。
一戸建て住宅においても、リフォーム部門を強化して中古市場へ進出する企業が増えてきています。さらにハウスメーカーの中には中古住宅を貸し出すときに家賃保証を行って、物件の所有者が貸し出しやすいような環境整備に取り組んでいる企業も出てきています。
地価については東京・大阪・名古屋などの都市部では上昇が見られるものの、地方では本格的な上昇基調とはなっていません。
訪日外国人の増加に伴って、ホテルや商業施設の建設が増えれば地方でも土地価格の上昇が期待できます。
また2020年に開催予定の東京オリンピックを見込んで、東京都心部での建設も活発になっています。
老朽化したマンションの建て替えや新規の開発計画が進んでいるといえるでしょう。
マンションの供給が増えて市場が活性化すると同時に、すでに供給過多になっている地域ではマンション価格の下落が課題となっています。
加えて、顧客の環境への関心が高まる中で省エネを意識した住宅の建設も進んでいます。
「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」は普及期に入ってきており、消費電力よりも多くの電気を自家発電することによって電気消費量を実質ゼロ以下にするという取り組みです。
住宅のIT化によって電気消費量を減らす「スマートハウス」への注目も集まっています。
不動産業界の今後について
不動産業界の今後の展望としては、まずはアジア諸国への企業進出が活発化していることがあげられます。
技術力と資本力を持った企業が、中国やASEAN諸国に進出するケースが増えており、マンションなどの建設から街づくり全般を担う流れも出ている傾向です。
また1981年に建築基準法の見直しによって定められた「耐震基準」ですが、1981年以前に建てられたマンションには耐震性に不安のあるものも少なくありません。
今後は建て替え需要が増加していくことが見込まれています。
そして増加し続ける高齢者のニーズに応えるために、介護付き住宅や高齢者が暮らしやすいマンションなどを建設するため、介護時事業者との連携も進んできていくでしょう。
住宅着工件数や公示価格の上昇傾向が見られ、2020年に開催予定の東京オリンピックに向けた建設ラッシュといった流れもあるのです。
したがって今後、不動産業界の市場規模は伸びていくことが見込まれています。
東京オリンピック開催後は多くの企業が海外への進出を計画している傾向です。
ただ顧客のライフスタイルも多様化してきているため、そのニーズにいかに応えていくかが不動産関連事業者の経営課題だといえるでしょう。
サービスや品質の面で競合他社と差別化を図っていくことが、顧客満足度を高めることになり企業収益につながっていく流れが予想されます。
不動産ビジネスを展開するには、これらの点を踏まえた上で自社の強みを打ち出していくことが肝心です。
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<参考URL>
http://www.retpc.jp/chosa/tokei
http://gentosha-go.com/articles/-/1291
http://gyokai-search.com/3-hudosan.htm
http://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport004.pdf
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html