後継者不足について、以下のような悩みを抱えていませんか?
「後継者不足に悩んでいるものの、どうすればいいかわからない」
「後継者候補が見つからず、なんとか対策できないものかと焦っている」
「同じように後継者不足で悩んでいる人はいるのか、他の企業の状況が知りたい」
後継者不足は、企業の存続に関わる重要な問題です。「事業承継はまだ先のことだから大丈夫だろう」と悠長に構えていると、いざ承継するタイミングで後継者が見つからず、廃業せざるを得ない可能性も考えられます。
後継者不足に悩まずにスムーズな事業承継をするには、下記のような対策を講じることが大切です。
◆ 後継者不足を解消する8つの対策
- 対策1. 従業員に承継する
- 対策2. 余裕をもって後継者候補の選定・育成を行う
- 対策3. 外部から後継者を招へいする
- 対策4. M&Aによる承継を検討する
- 対策5. 企業価値を高める
- 対策6. 後継者マッチングサービスを利用する
- 対策7. 公的機関を利用する
- 対策8. 事業承継に強い経営コンサルタントに相談する
筆者は「株式会社Pro-D-use」という事業承継に強い経営コンサルティング会社を経営しており、これまで多くの中小・中堅企業の後継者問題や事業承継を支援してきました。
本記事では、事業承継の支援を得意とする筆者が、下記の内容を丁寧に解説します。
▼この記事で解説すること
- 後継者不足を解決するための対策
- 後継者不足の対策に成功した事例
- 後継者不足の現状
- 後継者不足の主な原因
後継者不足に悩んでいる方、事業承継を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
事業承継の失敗事例や対策、進め方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
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事業承継は「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社には、頼りになる事業承継に現場型の強いコンサルタントを選びましょう。
(株)Pro-D-use(プロディーユース)は「伴走・現場型で利益を押し上げる」コンサルティング支援が特徴の経営コンサルティング会社です。これまでたくさんの経営相談で「2代目・3代目の経営者支援」「コンサルタントの乗り換え」「事業拡大 / 事業再生」で数多くの実績をあげてきました。
そんな(株)Pro-D-use(プロディーユース)に、事業承継について相談してみませんか?詳しくは経営コンサルティングサービスページをご覧ください。
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後継者不足を解消する8つの対策
後継者不足の解決策には、主に以下8つの方法があります。
◆ 後継者不足を解消する8つの対策
- 対策1. 従業員に承継する
- 対策2.余裕をもって後継者候補の選定・育成を行う
- 対策3.外部から後継者を招へいする
- 対策4.M&Aによる承継を検討する
- 対策5.企業価値を高める
- 対策6.後継者マッチングサービスを利用する
- 対策7.公的機関を利用する
- 対策8.事業承継に強い経営コンサルタントに相談する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1. 従業員に承継する
子どもや親族など、身内に後継者候補が見つからない場合は、従業員に承継する方法があります。この方法は「親族外承継」と呼ばれ、子どもや親族に引き継ぐ「親族内承継」に次いで多い承継方法です。
従業員に承継するメリットとしては、親族内承継より後継者候補の選択肢が広がることが挙げられます。また、長く勤めている従業員は事業や企業文化を深く理解しているため、スムーズに事業承継を進められるでしょう。
一方、従業員が事業を引き継ぐ場合は、費用面に注意が必要です。特に、自社株の買い取りは多くの費用を要するため、後継者となる従業員にとって大きな負担となる可能性があります。無償での譲渡を検討したり、「事業承継ローン」を活用するなどして、後継者の金銭的な負担を軽減しましょう。
対策2. 余裕をもって後継者候補の選定・育成を行う
早めに後継者候補を選定し、育成に時間をかけることも大切です。
後継者を決めてから事業を承継するまでの期間が短い場合、急いで準備を進めなければならず、後継者に十分な引き継ぎができない可能性があります。
後継者の育成にかかる期間は、5~10年が一般的です。育成にかかる期間はあくまで目安ですが、余裕をもって事業承継を進めるためにも、なるべく早く後継者候補を選定し、育成に時間をかけるようにしましょう。
対策3. 外部から後継者を招へいする
子どもや親族、従業員のなかに必ずしも後継者として適任の人物がいるとは限りません。その場合は、外部から後継者に適した人材を招へいする方法もあります。
後継者候補の選択肢が外部にも広がるのは、大きなメリットといえるでしょう。また、招へいする人材は即戦力が期待できるため、後継者育成の時間を短縮できるのも特徴です。
ただし、外部の人材である以上、従業員や親族から反対される可能性がある点に注意する必要があります。現経営者は招へいの旨を説明して従業員や親族の理解を得る必要があるほか、信頼できる人材かどうかを慎重に選ぶことが大切です。
対策4. M&Aによる承継を検討する
子どもや従業員に後継者候補がいない場合は、M&Aを活用して事業を承継するのも選択肢として挙げられます。
M&Aとは、子どもや親族、従業員などとは別の第三者に自社株式を譲渡することで、事業を承継する方法です。株式譲渡によって経営者は売却益を得られるほか、従業員の雇用を維持できるのがメリットといえるでしょう。
ただし、M&Aによる事業承継は必ずしも成功するとは限りません。特に、負債を多く抱えている企業や、経営が傾いている企業はリスクが大きいと判断され、買い手が見つかりにくい傾向にあるでしょう。
M&Aによる事業承継を成功させるには、引き継ぐリスクが少なくなるよう、事業を縮小したり、企業価値を高めたりする必要があります。
対策5. 企業価値を高める
企業価値を高めることは、M&Aによる事業承継を進めやすくなるほか、親族内承継にも大きなメリットをもたらします。
企業価値が高まることで、子どもや親族が会社に魅力を感じやすくなるため、事業承継に対して積極的になる可能性があるのです。
企業価値を高める具体的な方法としては、会社の強みを分析して伸ばすことが挙げられます。また、事業の見直しを行い、必要に応じて事業の縮小や撤退を検討するのも効果的です。
引き継ぐリスクが少なく、魅力的な企業であれば、後継者が見つかりやすくなるでしょう。
対策6. 後継者マッチングサービスを利用する
後継者不足に悩む企業と、会社を継ぎたいと考える人をマッチングさせる「後継者マッチングサービス」を利用するのもオススメです。
後継者マッチングサービスは民間企業が多いものの、以下のような公的機関が提供しているものがおすすめです。
◆ 公的機関が提供する後継者マッチングサービス
- 後継者人材バンク
- 事業承継マッチング支援
民間企業のサービスは基本的に有料ですが、公的機関のサービスは無料で利用できます。そのため、「マッチングにコストをかけたくない」「気軽に相談したい」と考える方は、公的機関のマッチングサービスを利用するとよいでしょう。
対策7. 公的機関を利用する
公的機関は、マッチングサービスのほかに、事業承継の進め方や準備などの相談にも対応しています。
たとえば、以下のような支援機関を頼るといいでしょう。
◆ 後継者不足で頼れる公的支援機関
- 事業承継・引継ぎセンター:事業承継計画の策定のサポートが受けられます
- 商工会議所:事業承継に関する専門家の紹介を受けられます
公的機関の支援は基本的に無料で受けられるため、事業承継の悩みを気軽に相談できる点がメリットといえるでしょう。
対策8. 事業承継に強い経営コンサルタントに相談する
経営コンサルタントに相談するのも、後継者不足を解決する対策の一つです。特に、後継者不足や事業承継に強い経営コンサルタントであれば、専門的な視点からあなたの会社にとって最適なアドバイスをしてくれるでしょう。
ただし、コンサルティング会社によって費用や受けられる支援は異なるため、事前によく確認したうえで利用するようにしてください。
事業承継にお悩みをお持ちであれば、ぜひ、現場型の事業承継に強い、弊社(株)Pro-D-useにご相談ください。
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後継者不足の対策の2つの成功事例
後継者不足の対策に成功している以下2社の事例をご紹介します。
◆対策によって後継者不足を解消した2社の成功事例
- 有限会社よしだ商運
- 株式会社斉藤光学製作所
それぞれの成功事例について、詳しく見ていきましょう。
成功事例1. (有)よしだ商運|M&A(第三者承継)
よしだ商運は、石川県で運送取次業を営む会社です。経営者の芳田さんは自身が高齢となり、親族内に後継者候補もいなかったことから第三者への事業承継を考えます。
相談した日本政策金融国庫から紹介され、事業承継・引継ぎ支援センターに相談。同センターの後継者人材バンクに登録していた板橋さんと出会い、マッチングからわずか9ヵ月で株式譲渡契約を結び、事業承継に成功しました。
出典:〈事例22〉有限会社よしだ商運|第三者承継の事例紹介|事業承継・引継ぎポータルサイト
成功事例2. (株)斉藤光学製作所|親族内承継
斉藤光学製作所は、秋田県で資材の研磨加工から材料特性の評価まで先進材料加工のさまざまなニーズに対応している会社です。
前経営者の伸英さん(父)は10年ほど前から事業承継を検討しており、承継に向けて準備を開始。2017年に現経営者の大樹さん(息子)が入社したことを機に、本格的に事業承継を進め始めました。
大樹さんは役員就任を機に事業承継を承諾。伸英さんが長年にわたって事業や財務状況を把握している人材を育成していたおかげで、大きな問題なく2021年に事業承継に成功しています。
出典:経済産業省東北経済産業局「託す人。託される人。」事業承継事例| Case6|株式会社斉藤光学製作所
上記の成功事例のように、後継者不足に悩まず事業承継をスムーズにしたいなら、ぜひ、現場型の事業承継に強い、弊社(株)Pro-D-useにご相談ください。
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後継者不足の現状
中小企業において、後継者不足が問題になっているのは知っているものの、具体的な状況まで把握していない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、中小企業における後継者不足の現状を詳しく解説します。
後継者不足が原因で廃業する企業は年々増加している
出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2023年)|PDFデータp.4
日本政策金融公庫総合研究所が2023年に実施した調査によると、後継者が決まっており、後継者本人も承諾している企業は10.5%、後継者が決まっていない企業は89.4%となっています。
後継者が決まっていない企業は2019年の調査に比べて1.9ポイント増加していることから、後継者不足は深刻になりつつあるといえるでしょう。
また、後継者が決まっていない企業のうち「廃業予定企業」の割合は、2023年調査で57.4%と2019年調査から4.8ポイント上昇していることから、後継者不足が原因で廃業を決める企業も増加傾向にあるといえます。
中小企業全体の後継者不在率は53.9%
続いて、全国の中小企業における後継者不足の状況を見ていきましょう。
出典:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」PDFデータp.1
帝国データバンクが全国約27万社の企業を対象に行った調査によると、後継者が「いない」または「未定」とした企業は14.6万社にのぼり、割合としては53.9%の企業が後継者不足であることがわかりました。
後継者不在率は2017年の調査以降、減少傾向にあります。しかし、それでも半数以上の企業が後継者不足に悩んでいるのが現状です。後継者不足は、まだまだ軽視できない課題といえます。
地域別の後継者不在率
次に、都道府県別の後継者不足の状況を見ていきましょう。
出典:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」PDFデータp.3
帝国データバンクの同調査によると、後継者不在率が最も高いのは「鳥取県」で71.5%、次いで「秋田県」の70.0%となっています。また、後継者不在率が最も低いのは「三重県」で30.2%、次いで「茨城県」の42.1%でした。
前年から後継者不在率が低下した都道府県は36と、全体的に後継者不足は改善傾向にあります。しかし、前年の41に比べると減少していることから、地域によって改善度合いには差があるといえるでしょう。
業種別の後継者不在率
続いて、業界別の後継者不足の状況を解説します。
出典:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」PDFデータp.4
帝国データバンクの同調査によると、業種別ではすべての業種において後継者不在率が前年を下回りました。どの業種も改善傾向にあるものの、半数近くの企業は後継者不足に悩んでいる状況です。
引き続き、会社の状況に応じた対策を講じ、後継者不足の課題に備えておく必要があるでしょう。
後継者不足の4つの主な原因
後継者不足の原因としては、主に以下4つが挙げられます。
◆ 後継者不足の4つの主な原因
- 少子高齢化で引き継ぐ後継者がいない
- 後継者が事業を引き継ぎたがらない
- 事業の先行きが不透明
- 日々の業務に追われて事業承継の準備ができていない
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
原因1. 少子高齢化で引き継ぐ後継者がいない
後継者不足の原因としてまず挙げられるのが、少子高齢化です。経営者の高齢化が進む一方、跡継ぎとなる子どもがおらず、交代のタイミングで事業承継できないケースが多々あります。
以下は、日本政策金融公庫総合研究所が2023年に実施した中小企業の事業承継に関するインターネット調査です。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2023年)|PDFデータp.8
出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2023年)|PDFデータp.8
調査によると「男の子ども」がいない企業のうち、後継者が決定している企業の割合は31.5%、決まっていない企業は39.6%、廃業予定企業が47.7%でした。
また、「女の子ども」がいない企業のうち、後継者が決定している企業の割合は38.0%、決まっていない企業は45.5%、廃業予定企業は50.6%となっています。
このことから、子どもの人数が後継者決定の状況に影響していることがわかります。
原因2. 後継者が事業を引き継ぎたがらない
後継者候補となる子どもがいたとしても、本人に事業を引き継ぐ意思がなく、結果的に後継者不足になっている企業も少なくありません。
特に近年は、「家業は子どもが継ぐもの」という考え方から「子どもがやりたい仕事をする」という考え方に変わりつつあります。このような背景から、経営者自身も子どもに事業を継がせることに対して消極的になっているといえるでしょう。
原因3. 事業の先行きが不透明
事業の先行きが不透明なのも、後継者不足の原因の一つです。経済のグローバル化やビジネスのIT化など、企業を取り巻く環境は急速に変化しています。
数年先を見通すのも困難な状況のなか、利益が落ちている会社を引き継ぐのはリスクが大きいといえるでしょう。そのため、将来どうなるかわからない会社を引き継ぐのではなく、自分の代で廃業しようと考える経営者が少なくないのです。
原因4. 日々の業務に追われて事業承継の準備ができていない
事業承継には、一般的に5〜10年かかるとされています。しかし、日々の業務に追われて事業承継の準備が後回しになっている企業も少なくありません。
「まだ事業承継は必要ない」と準備をいつまでも先延ばしにしていると、事業承継の前に現経営者が亡くなってしまい、廃業せざるを得なくなる可能性もあります。
後継者不足の問題はできるだけ早い対策が重要!
本記事では、後継者不足の現状や原因、具体的な対策方法について解説しました。
後継者不足を解消する具体的な対策は、次のとおりです。
◆ 後継者不足の8つの解決策
- 対策1. 従業員に承継する
- 対策2. 余裕をもって後継者候補の選定・育成を行う
- 対策3. 外部から後継者を招へいする
- 対策4. M&Aによる承継を検討する
- 対策5. 企業価値を高める
- 対策6. 後継者マッチングサービスを利用する
- 対策7. 公的機関を利用する
- 対策8. 事業承継に強い経営コンサルタントに相談する
後継者不足は改善傾向にあります。しかし一方で、半数近くの企業が後継者不足に悩んでいるのも事実です。
「事業承継はまだ先でいい」と悠長に構えるのではなく、早めに後継者不足の対策に取り組み、事業承継を円滑に進めましょう。
(株)Pro-D-useは、「事業承継がうまく進まない本当の理由」を可視化し、貴社の現場に入り込んで一緒に実行する経営コンサルティング会社です。これまで多くの事業承継に関する相談を受け「後継者・次世代人材の育成」「財務戦略の立て直し」など、多くの実績をあげてきました。
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