売上が伸び悩み苦しい時期に、既存のお客様の要望を断れきれずに、どんどん商品を増やしてしまっている。このままでいいのだろうか?
商品を増やした結果、売上が下がっている。なぜだろう…
Pro-D-useの小笠原です。先日ある中小企業の社長よりこのようなことを伺いました。
商売がうまく行っていないときほど、目の前のお客様を大切にしすぎて商品のラインナップを増やす決断をする傾向にあります。
実は、そのような決断は売上減少を加速させる要因になってしまう可能性があります。
なぜなら、自社の商売の軸がぶれてしまい、結果多くの個客の満足度を下げてしまうからです。
そうならないためには、自社の商売を再度確認することが有効です。
そこで、本記事では、なぜ品揃えを豊富にすることが危険なのかを解説していきます。
お客様の要望に応じて品揃えを豊富にすることは、下記の3点で危険です。
- 要望を聞いたお客様以外の大多数のお客様の顧客満足度が下がってしまう。
- サービスの提供速度が遅くなってしまう。
- 何を提供しているお店か不明確になる。
上記のことについて具体的な例を挙げながら、わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、こんなことが実現できます。
- 売上が減少している原因が特定でき、売上向上につながる施策が立てられます。
- 自店舗が何に注力していくかが明確になるため、商品のラインナップがぶれることがなくなり、お客様の満足度が上がります。
それでは早速、読み進めていきましょう。
品揃えが増えると売上が下がる?!
どういうことかを事例でご説明をいたします。
例えば塩ラーメンにこだわりのあるラーメン屋さんがあったとします。しかし、そのラーメン屋さんが塩ラーメン専門店なのに、醤油ラーメンや豚骨ラーメンなど様々な品揃えをし始めるといったいどうなるか、少しだけ想像してみて下さい。
実はこの症状に陥ると、自社の強みやマンパワーを越えて様々な仕事を行わなければならなくなるため、ビジネスとして確実に回らなくなってしまうのです。例えばこの塩ラーメン屋さんのケースですと、「塩ラーメン」「醤油ラーメン」「とんこつラーメン」それぞれの麺のゆで時間や調理工程が違うため、作業が煩雑化し、ラーメンの提供スピードが落ちた結果、1杯のラーメンの提供に30分程かかり、結果として多くの顧客を失ってしまうことになります。これが、世に言う「売上は低いのになぜか忙しい。」状態の1つの原因なのです。
最初は売上が低いので、少しでも一人一人の顧客の要望に応えようと思って取った行動でも、結果としては、多くの顧客の満足度を損ねてしまう結果に繋がります。このようにならないように次の2つの観点を抑えていきましょう。
1.自社の商売はなぜ成り立っているか5W2hで把握する
ビジネスは下記の事に関して、完全に買い手と売り手の意思が統一されたときに、購買の意思決定が行われて、それが事前の合意内容を上回れば、顧客満足を得ることができます。
契約の5w1h
- What 自社の商品を
- Who 顧客が
- Why なぜ購入するか納得してもらい
- Where どこで
- When いつまでに
- How どのように
- HowMuch いくらで納品するのか
売買成立をして、顧客に満足してもらうためには、全てのお客様に、このすべての要素を約束する必要があります。例えば、ラーメン店の場合、
- What 濃厚なラーメンを
- Who 地域の学生さんが
- Why 食べ盛りのおなかを短時間で満たすため
- Where 学校の近くで
- When 休み時間の50分の間で
- how 流し込むように
- howmuch 700円くらいで食事をしたい
というニーズがあるとします。前述の品ぞろえの多いラーメン屋さんの場合、学生からするとWhenの「提供時間」が30分かかるので、待たされるのが嫌だこの理由で再来店しなくなってしまいます。味は良かったとしてもです。売買を契約するときには、スピードや納品場所など納品までに起こる様々な点にニーズがあるため、例えいい商品をそろえていても、時間が合わなければ売れませんし、予算が合わなかったら売れないのです。
特に飲食店は、売買の契約をする前に商品提供をして消費してしまうため来店したら金を払わずに退店することはほぼできませんから、上記のようなお客様が求める最低ラインのニーズさえつかめていない場合、騙されたと思い絶対もう二度と来ることはありません。
この点を考慮して、今、目の前のお客様をひいきして行ってしまった行動を、仮に、全てのお客様に提供した場合に他のお客様に対して、最低限求められる5w2hを間違いなく納品できるのか。
この点をキチンと考えるべきです。機械開発にしても、1つの大口顧客の細かい要望に応えていたら、その他への営業がおろそかになることは間違いないですから、とくに抜けがちな”時間”「提供スピード・納期・マンパワー」に関しても注視をして、サービス改善に勤めましょう。
2.商売のモデルを把握しておく
あたりまえですが、販売個数×販売価格=売上となります。ここから、原価、人件費、家賃などの費用を差っ引いて利益が産まれます。こちらも当たり前ですが、手間がかかれば、費用が上がりますから、販売価格も高くなるべきです。
先ほどのラーメン店の例であれば、700円のラーメンを提供していれば、月10000杯販売すれば月商700万円になります。日数で割ると1日333杯のラーメンを提供する必要があります。30席であれば1日11回転、朝・昼で8回転はしていないと700万円という数字は達成できません。
この数字を見ていくと、価格帯を変えることができないなら、客数を上げる以外に売上アップの施策はありません。ここに着目をすると、提供スピードを遅くするようなサービスはおのずと除外されていくはずです。
単価を上げる場合は、それ相応の価値を顧客に理解いただく必要があります。その場合にも、顧客は『専門家』を好みますので、品揃えが少なく、ある道に特化している方が価格は高く売りやすいため、全く違う品ぞろえを増やすという戦略は消えていきます。
このように自社の売上構成要素を分解していったときに費用が合うのかどうかキチンと計算をした上でサービスを行うかどうか判断していきます。
まとめ
これまでご説明してきました「5W1Hで把握する」「商売のモデルを把握する」は、それぞれ簡単かつ、当然のようなことですが、商売が上手くいっていない時ほど簡単に見失ってしまうものです。商売が上手くいっていない時には、不用意に『あれもやる』『これもやる』と安請け合いするのではなく、逆に、『あれはやらない』『これもやらない』と選択と集中をすることでいい方向に行くことが実は多いのです。
中小企業が会社組織として企業を運営する場合には、社長の意思決定で次第で事業スピードや方向性が大きくブレ、部下もあっち行ったりこっち行ったりで混乱して疲弊をしてしまいますので、『あれもやってみようかな』というアイデアの数だけ『じゃああれはやめよう』といった具合にうまく差し引きを考えてみることをお勧めします。
また、全てを自社でやろうとせず、できない(苦手な)領域の仕事は専門業者などの他社にお願いして上手く外部の力を有効活用する能力も事業成長に大きく関わります。ですから無理して一人で意思決定せず、他社の冷静な目を活用しながら事業の運営を行っていくとヒットの確率が格段に上がりますよ。
もし、品揃えの戦略も含めて、非常に煩雑で難しい新規事業の企画・立ち上げ、推進や収益化でお困りの際は、ぜひ一度、私たち株式会社Pro-d-useにご相談(無料)ください。
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