経営者必見!事例でスグ分かる「製造業のAI導入」成功と失敗

経営者必見!事例でスグ分かる「製造業のAI導入」成功と失敗
    • 製造業
    • DX
  • 2025年1月7日

製造業の経営者であれば、AI導入について以下のような疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか?

製造業AI導入すると作業効率どう変わるの?コスト削減もできるのか?」
「具体的にAI製造業にどう役立つのだろう?実際の事例を知りたい」
AIで技術伝承や品質の安定って実現できるの?生産計画にも活用してみたい」
製造業の人手不足の解消のために、AIを積極的に活用したい」

経営者が本気になり、正しくAIを導入することで以下のようなメリットを受けることができるはずです。

◆ AI導入5つのメリット

  • メリット1. 作業の効率化と安全性
  • メリット2. 技術伝承
  • メリット3. 従業員のストレス軽減で生産性が上がる
  • メリット4. 人的事故の減少
  • メリット5. コスト削減

本記事で紹介するAI導入が完了している製造会社は、上記のようなメリットを享受できています。その上で、今、製造業の経営者には「AI導入に本気で向き合う」ことが求められています

一方で、製造業のAI導入は失敗事例が多数存在します。失敗の原因は、製造業ではAI導入が目的になってしまう傾向が強く、導入の目的や導入後の運用についてまで突き詰めきれずにAI導入を進めてしまうためです。

筆者は製造業に強いコンサル会社の「株式会社Pro-D-use」の経営者であり、これまで多くの「製造業のAI導入」をご支援してきました。

執筆者:株式会社Pro-D-use岡島光太郎

本記事では、製造業の「AI導入の成功や失敗」、「メリット・デメリット」「重要なポイント」について解説します。

製造業のAI導入の注意点は以下の通りです

  1. AI導入の目的を明確に持つ
  2. 人がやるべき業務は無理にAI化しない
  3. いきなり大規模な導入をしない

本記事で実現できること

  1. AI導入の成功・失敗事例がわかり自社に活かせる
  2. 「自社の課題」と「AI導入の目的」が明確になる
  3. AI導入の成功の道筋がわかる

今回の記事を参考に、AI導入について本気で検討するきっかけになれば幸いです。

また以下の記事では「製造業における生産管理のDX化の課題」についても解説していますので、詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

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製造業における日本の「AI活用率は50%」

2020年度における日本のAI活用率は「50%」となっています。

各国のAI導入率
参照:Google Cloud Industries

高い数字のように感じるかもしれませんが、調査対象国7国(日本/アメリカ/イタリア/ドイツ/フランス/イギリス/韓国)の平均は64%となっており、日本は平均を下回り、韓国と並んで最下位でした。

こんな背景から、製造業はまだまだAI活用の余地があり、IT活用と合わせて製造業にAIを導入する企業も増えてきています。

製造業のAI導入「5つの成功事例」

製造業でAI導入に成功した事例をご紹介します。

◆ AI活用に成功した「5つの成功事例」

  • 成功事例1. 製造計画の自動立案
  • 成功事例2. 検品自動化
  • 成功事例3. 異常検知
  • 成功事例4. 需要予測
  • 成功事例5. 生産ライン無人化

それぞれについて、詳しく解説していきます。

成功事例1. 製造計画の自動立案

「製造計画」は、製造物の種類や部品、材料の計画や工場から出荷までのスケジュールなど、全ての計画を指します。従来は、ベテラン従業員の経験や予測、長年の勘といった部分に頼っていましたが、AIを活用すれば高い製造計画が実現します。

AIは人間では処理できない膨大なデータを瞬時に分析し、客観的に予測をたてられます。具体的には以下のような例です。

◆具体例:食品工場におけるAIを活用した製造計画の自動化

ある食品工場では、パンやケーキといった焼き菓子を製造しています。この工場ではこれまで、従業員が需要予測や過去の売上データを基に、生産量や材料の発注計画を手作業で行っていました。しかし、季節や天候による需要変動、繁忙期の予測などが複雑で、計画の精度に限界があり、在庫の過剰や不足が発生していました。

そこで、AIを導入し製造計画を自動化しました。このAIは、過去の売上データ、天候情報、地域イベントのスケジュールなど多岐にわたるデータを収集・分析し、需要を予測します。さらに、材料の発注タイミングや必要量をリアルタイムで計算し、無駄のない生産スケジュールを立案します。

導入後、繁忙期の生産量が正確に予測され、売り切れや余剰在庫が大幅に減少しました。さらに、従業員が計画に費やしていた時間も短縮され、より付加価値の高い業務に集中できるようになりました。

このような高度な製造計画に沿って生産をすれば、無駄がなく効率的な業務が可能になります。

成功事例2. 検品自動化

生産ラインで不良品を選別していく「検品作業」でも、AI導入で自動化が可能になります。

従来であれば人による目視や画像認識やセンサーを用いた方法が一般的でしたが、カメラ機器の精度の向上などによってAIのレベルも進化しています。疲れや不注意によるミスが起きる心配がなく、かつコンピューターの高速な処理ができるので速度も精度も高いです。

具体的には以下のような例です。

具体例:飲料工場におけるAIを活用した検品自動化

ある飲料工場では、出荷前にペットボトルの外観検査を行っています。これまでは、熟練した従業員が目視で不良品を選別していましたが、長時間の作業により注意力が低下し、小さな傷やラベルの印字ミスなどの検出漏れが課題となっていました。

そこで、AIを活用した検品システムを導入しました。このシステムには高精度のカメラと画像認識AIが搭載されており、ペットボトルの外観を瞬時にスキャンして、傷や汚れ、ラベルのズレを検出します。AIは数万枚の画像データを基に学習しており、人間では見落としがちな微細な不良も高精度で判別できます。

導入後、検品精度が向上し、出荷時の不良品率がほぼゼロになりました。また、従業員は検品作業から解放され、より生産性の高い業務に専念できるようになりました。さらに、AIシステムは高速で処理を行うため、生産ラインのスピードを維持しつつ検品作業を自動化できました。

マシンのスペックにもよりますが、向きが一定ではないものや透明の物には不向きな場合があります。

成功事例3. 異常検知

画像解析による「工場の異常検知」もAIの導入事例が多数あります。

通常の作業工程から逸脱した動作を検知し、ウェアラブル端末に異常を通知します。その上で、エリア全体の画像解析を行い、人員配置や作業の最適化も確認できます。

異常を検知するだけでなく、異常事態を未然に防ぐという役割も担っています。

具体的には以下のような例です。

具体例:自動車部品工場におけるAIによる異常検知システム

ある自動車部品工場では、製造ラインでの異常を早期に発見し、生産効率を向上させるためにAIを活用しています。この工場では、画像解析を用いて作業工程全体をリアルタイムで監視し、異常な動作や状態を検知するシステムを導入しました。

例えば、通常であれば一定速度で動作する機械が突然停止したり、異常な振動を発生させたりした場合、AIがその動作を瞬時に検知します。そして、異常をウェアラブルデバイスを装着した作業員や管理者に通知し、即座に対応できるようにします。

さらに、このシステムは製造エリア全体の画像データを解析することで、人員配置の最適化もサポートしています。異常が発生しやすい箇所を特定し、重点的に監視を行うことで、未然にトラブルを防ぐ取り組みも可能となりました。

導入後、この工場ではダウンタイムが大幅に削減され、生産ラインの安定稼働率が向上しました。また、異常検知と迅速な対応の組み合わせにより、品質問題も改善され、顧客満足度の向上にもつながっています。

成功事例4. 需要予測

製品に関する「高度な需要予測」を行い、自動発注までもがAIで実行できるようになります。

過去の売り合げ実績や天候といった範囲だけでなく、政治情勢などの幅広いデータを分析した需要予測を立てていきます。AIが自動で発注まで行えるようになると、単純に発注にかける時間が削減できるだけでなく、発注作業のための教育の時間も削減できるようになります。

担当する従業員による発注のムラがなくなり、作業発注の均一化も実現できるようになります。

具体的には以下のような例です。

具体例:衣料品メーカーにおけるAIを活用した需要予測と自動発注システム

ある衣料品メーカーでは、季節商品である夏用シャツや冬用コートなどの需要変動に対応するため、AIを導入しました。このAIシステムは、過去の売上データに加え、天候情報、経済情勢、さらにはSNSやニュースでの流行傾向を分析して需要予測を立てます。

例えば、急に気温が下がると予測される場合、AIはそのデータを基に冬用コートの需要が増加すると判断します。そして、必要な在庫数を算出し、自動的に発注を行うシステムが稼働します。この仕組みにより、従業員が発注業務にかける時間が削減されるだけでなく、売り切れや過剰在庫を防ぐことが可能となりました。

さらに、このAIは地域ごとの需要の違いも考慮しており、寒冷地域ではコートを多く、温暖地域では薄手の服を優先的に発注するなど、最適な供給を実現します。これにより、店舗ごとの売上が最大化され、顧客満足度の向上にもつながっています。

導入後、業務効率が大幅に向上し、従業員の負担軽減とともに、計画精度の高さが大きな成果を生み出しています。

成功事例5. 生産ライン無人化

製造工場の生産ラインではロボットとの協業ではなく、「完全無人化」へのシフトが始まっています。

管理が必要になるため工場全体を完全に無人化するのは難しいかもしれませんが、日本の企業でも生産ライン無人化を導入しています。ロボットであれば危険な作業も可能ですし、品質が保たれるので、安定した供給が実現できるようになります。

具体的には、以下のような例です。

具体例:食品工場におけるAIを活用した生産ラインの完全無人化

ある冷凍食品を製造する工場では、AIとロボットを組み合わせた完全無人化の生産ラインを導入しました。このラインでは、原材料の投入から包装、検品、出荷準備までのすべての工程が自動化されています。

例えば、AIは原材料の供給状況をリアルタイムで監視し、必要に応じてロボットに補充指示を出します。また、製品の形状や品質をカメラで検査し、基準を満たさない商品を自動的に排除します。さらに、出荷の際には、配送先ごとに製品を仕分けし、効率的にトラックへ積載するシステムが稼働しています。

この無人化ラインにより、人手不足の問題を解消するとともに、作業中のケガや衛生管理のリスクを大幅に軽減することができました。また、24時間稼働が可能となり、生産性と供給の安定性が向上しました。

導入初期は設備投資が必要でしたが、長期的にはコスト削減と安定した品質確保に寄与しています。この事例は、特に需要が増加する食品業界において、持続可能な生産モデルとして注目されています。

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製造業で利用されている5つの国産AIツール

では、製造業では具体的にどのようなAIツールが使われているのでしょうか?ここでは日本企業が提供する5つのAIツールを紹介します。

◆日本企業が提供する5つのAIツール

ツール名用途説明
①帳票認識AI-OCRソリューション
(パナソニック)
品質管理定型・非定型帳票や手書き文字のデータ化を高精度に行うサービス
②安全品質AIソリューション
(エクシオグループ株式会社)
予知保全安全設備の状態を点検し、事故や施工不良を未然に防ぐ
③TPiCS-X
(株式会社ティーピクス研究所)
生産計画・最適化多様な生産形態に対応する生産管理システム
④CUTR
(株式会社ロビット)
ロボティクスと自動化野菜のカット作業を完全自動化
⑤UMWELT
(株式会社トライエッティング)
サプライチェーン管理データを活用して高精度な出荷予測を実現

日本の製造業で活用されているAIツールを用途ごとにまとめています。

AIツールといえば海外サービスが有名ですが海外のAIサービスの中には、サポートが英語であったり、導入後の支援が無いことも多く、筆者の過去の経験では、製造業では導入後の運営が難しいケースが圧倒的多数です。AI導入後の導入支援体制で考えると、日本製のAIツールを入れた方が成功確率が高まります。

上記の表では品質管理や予知保全、生産計画の最適化など、製造業の効率化に貢献するツールが紹介されています。各ツールの提供企業や特徴的な機能についても記載しており、自社の課題に適したAI導入の参考としてご活用ください。

製造業にAI導入が必要な4つの理由

製造業が抱える課題を明確にし、AI導入の必要性を考えてみましょう。AI導入を必要とする主な理由は、以下の4つが考えられます。

◆ AI導入が必要な4つの理由

  1. 理由1. 人手不足
  2. 理由2. 少子高齢化
  3. 理由3. 技術の継承
  4. 理由4. 競争の激化

日本では少子高齢化が進み、人手不足だけでなく従業員の高齢化という問題も抱えています。高齢化した従業員は体調管理や、最新機器への抵抗感が強いという問題があります。

また、若い人への技術の継承ができなくなっていくと、最悪事業の継続が困難になるというリスクもあるでしょう。

このような課題を抱えながら勝ち残っていくために、作業を効率化しコストカットが可能になるAIを導入を検討していくべきでしょう。

製造業のAI導入5つのメリット

製造業の生産管理はAIとの相性が良く、導入すると多くのメリットが見込めます。

◆ AI導入5つのメリット

  • メリット1. 作業の効率化と安全性
  • メリット2. 技術伝承
  • メリット3. 従業員のストレス軽減で生産性が上がる
  • メリット4. 人的事故の減少
  • メリット5. コスト削減

それぞれについて、詳しく解説していきます。

メリット1. 作業の効率化と安全性

製造業でAIを導入する最大のメリットともいえるのが、「作業の効率化」です。

生産計画やメンテナンス、検品といった多様なシーンでAIが活躍しますので、作業効率が大幅にアップします。立ち入り禁止エリアのように人が入れない領域でも活用できますし、GPSで重機の周辺に人がいないか確認したりと安全性も確保できます。

メリット2. 技術伝承

AIで熟練技術者の技術を解析して新人技術者の教育に活用する、さらに可能であれば自動化させられるようになります。

製造現場において、属人化を防ぐのは大きな課題のひとつといえます。ある業務を担当できる人員がベテラン技能者のみに限られてしまうと、負担が集中したり、業務が停滞してしまったりという懸念があります。

従来であれば職人の技術は「目で盗む」しかありませんでしたが、アイトラッキングなどを使ってデータとして取り扱えるようになります。

メリット3. 従業員のストレス軽減で生産性が上がる

作業が効率化し、安全に働けるようになると、従業員の仕事に対するモチベ―ションがアップします。

AIでストレスチェックを行えば、従業員の早期ケアにも活用できます。また、疲労度の高い作業はAIが負担しますので、従業員の体力的な負担も軽減させられるようになり、結果的にパフォーマンスの向上が期待できるでしょう。

メリット4. 人的事故の減少

人が作業をする以上、経験による思い込みや慢心、伝達ミスなどが起こるのは仕方のない部分でもあります。

AIの導入により、製造業におけるいわゆるポカミスを減少させられるようになります。また、危険な作業のリスクもなくなりますので、作業効率という面にとどまらず、職場環境の改善にもつながります。

メリット5. コスト削減

AIの導入によりあらゆる業務が最適化されれば、不良品や無駄が削減されます。

設備の管理や状況把握もAIカメラで省力化できますので、不要な在庫を抱える必要もなくなるでしょう。AIの導入は、将来的なコスト削減が期待できます。

製造業の会社がコンサルを検討する際には、「なんとなく選ぶ」でと必ず失敗します。ビジネスが複雑な製造業の経営を改善するには、” 製造業の現場に強い “コンサル会社に依頼することが必須条件です。

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製造業へAIを導入する2つのデメリット

メリットがある反面、製造業へのAI導入におけるデメリットも存在します。

◆ AI導入の2つのデメリット

  • デメリット1. 導入や運営にはコストがかかる
  • デメリット2. 効果がでるまで時間がかかる

それぞれについて、詳しく解説していきます。

デメリット1. 導入や運営にはコストがかかる

AIの導入はコスト削減につながるとお伝えしましたが、初期投資にはコストがかかります。きちんと戦略をたてて導入をしないと、コストに見合った成果を得られない危険もあります。

AIの導入を検討するのであれば、現在の状況や課題を明確にするところから始めます。導入目的を明らかにし、AIによって何を実現させたいのかを考えて、導入の効果を最大限発揮できるようにしていきましょう。

デメリット2. 効果がでるまで時間がかかる

AIを導入しても、すぐに成果がでるとは限りません。現場でもスムーズに受け入れができるよう、従業員にはAI導入の必要性や目的を理解しておいてもらうべきです。

最初は否定的な意見も出るかもしれませんが、現場で実用化ができないとせっかくAIを導入しても活用しきれません。社内のデジタル人材も必要不可欠です。

製造業のAI活用4つのステップ

AIを導入する際に覚えておきたいAI活用のステップをご紹介します。

◆ AI活用の4つのステップ

  1. ステップ1. AIを活用する業務の選定・検討
  2. ステップ2. 必要なデータの収集・分析
  3. ステップ3. 機械学習をくり返す
  4. ステップ4. 最適な業務の自動化・効率化を実行

まずは企業の課題に応じて、活用するAIの選定や検討を行っていきます。その課題にすでにデータがあればデータを収集し、データがなければ分析からスタートさせます。

データの収集や分析、機械学習を繰り返していき、調整を加えながら精度を高めていきます。

製造業のAI導入「5つの失敗事例」

製造業でAIを導入し、活用に失敗した事例をご紹介します。

◆ AI活用に失敗した5つの事例

  • 失敗事例1. データの質が良くない
  • 失敗事例2. プロジェクトの方向転換
  • 失敗事例3. 現場の協力体制が整わなかった
  • 失敗事例4. 適用範囲を広げすぎた
  • 失敗事例5. 検証不足

それぞれについて、詳しく解説していきます。

失敗事例1. データの質が良くない

AIを導入しても、データ量が少ない、データの質が良くない、という場合には、AIを活用しきれません。

あるメーカーで商品の需要予測を行おうとしましたが、CMのプロモーションやセールといったイベントが反映されておらず、高い精度を出せませんでした。また別のメーカーでは、データ量は十分でも解像度が低く、モデルの精度が上がらないという失敗例がありました。

AIを導入するだけでなく、学習のためのデータ量と質が重要であると理解できます。

失敗事例2. プロジェクトの方向転換

AIのメリットである作業効率化を目指すには、目的に応じたデータが必要になります。

あるメーカーでは経営陣と現場の連携がうまくとれておらず、途中でプロジェクトの方向転換を余儀なくされました。目的が変わってしまうと必要なデータが変わり、また膨大なデータを収集していかなければいけません。

AIを導入する前には、目的を明確にしておかなければいけないという失敗事例です。

失敗事例3. 現場の協力体制が整わなかった

AIの導入を決定するのは経営陣ですが、実際に活用するのは現場の従業員です。

あるプロジェクトでAIを導入するためにデータ収集を現場の協力を要請したところ、「今は忙しいから」といって想定したデータが収集できなかったそうです。

さらに集まったデータも画像の質が悪いものばかりで、AIモデルの構築までに予定以上の時間を費やしてしまいました。時間がかかると「費用」がどんどん膨らみ、AI導入の担当者は頭を抱えてしまったそうです。

なぜAIを導入するのか、その後現場ではどのような変化が期待できるのか、という説明をして、現場の協力体制を整えておきましょう。

失敗事例4. 適用範囲を広げすぎた

せっかくAIを導入するのであれば、思い切った導入をしたいと考える担当者の方もいるでしょう。

しかし、開発当初から範囲を広げすぎてしまうと、導入や運用のコストがかかりますし、不慣れな現場で混乱を招きかねません。

全てをAIにするよりも、状況によっては人の手の方が望ましいというケースも確実に存在します。AIが必要な部分の明確な線引きをして、効率的に運営できる規模での導入を検討しましょう。

失敗事例5. 検証不足

AIを本当に導入する必要がある現場なのか、という根本的な失敗例もあります。

プロジェクト担当者は必要を感じて導入したシステムでも、実際に使用してみたら検品のスピードが早すぎて不良品を取り除く人の手が追い付かないといった失敗例がありました。

このように現場検証が正確に行われていないと、AIを導入しても効率化どころか困難を招いてしまうという結果になってしまいます。

製造業の経営者は、将来に向け「AI導入」をスグに検討しよう!

AI導入での失敗例があった通り、自社に合わないものを導入してしまうと上手くいきません。

なぜAIの導入が必要なのか、目的は何なのかといった部分を明確にしておかなければ同じような失敗をしてしまうかもしれません。

経営陣と現場の双方でコミュニケーションをとり、AIを活用できればメリットは多数あります。

導入や運営にはコストがかかりますので、AIを活用する業務の選定・検討をしっかり行っていきましょう。

製造業の会社がコンサルを検討する際には、「なんとなく選ぶ」でと必ず失敗します。ビジネスが複雑な製造業の経営を改善するには、” 製造業の現場に強い “コンサル会社に依頼することが必須条件です。

(株)Pro-D-use(プロディーユース)は、製造業の現場に詳しいコンサルタントが伴走しながら、現場主導で利益を押し上げる」コンサル支援が強みの製造業コンサルティング会社です。これまでたくさんの製造現場で「売上・利益の拡大」「製造の各種管理や営業・マーケティング改善」などで数多くの実績をあげてきました。

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コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)