エース社員のやる気がないのはなぜなのか、その原因と改善策について悩んでいませんか?
「エース社員がやる気を失っているのは、仕事が偏りすぎているから?」それとも十分な権限が与えられていない?」
「最近、エース社員がミスばかりしている。もしやる気をなくしているのなら、改善策はある?」
「エース社員が退職するかも……効果的な防止策が知りたい」
「エース社員が退職してしまうと、会社にどのような影響があるのだろう」
エース社員のやる気の低下は、本人の意志だけでは改善が難しい場合もあります。
なぜなら、エース社員に見合うだけの権限や評価、キャリア形成の支援などが欠けていると、エース社員の動機付けが弱くなり、やる気が維持できなくなるからです。
筆者は「株式会社Pro-D-use」という経営コンサル会社で、社員のモチベーションUP対策をサポートしており、数多くの企業でエース社員のやる気の低下問題とその対策の成功や失敗を目の当たりにしてきました。
本記事では、エース社員のやる気が低下する原因とその改善策について解説します。
エース社員のモチベーション管理について、人事や経営者が押さえるべきポイントは以下です。
- 権限の有無や成長の機会など、エース社員のやる気に影響する要因
- エース社員のモチベーションを高めるための具体的な対策
- エース社員の退職による会社への悪影響
この記事を読めば、以下のことが実現できます。
- エース社員のモチベーション低下の原因と解決策の理解
- エース社員の離職防止と企業生産性の維持
- 社員のキャリア形成と人事評価制度の改善
ぜひこの記事を参考に、エース社員のやる気を高め、組織全体のパフォーマンスを向上させる方法について理解を深めてください。
また当社では、「社員のモチベーションを上げる具体的な方法」についても解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
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▼目次
エース社員のやる気がない時のチェック項目
エース社員のやる気がなくなっている時は、本人ではなく会社側に原因があるかもしれません。
優秀なエース社員には長く働いてもらいたいと思っていても、以下のような項目に当てはまる場合は注意が必要です。
- エースに仕事が偏りすぎていないか
- エースに権限が与えられているか
- エースの成長の機会があるか
- 周囲の人間関係は円滑か
1.エースに仕事が偏りすぎていないか
エース社員は仕事ができるだけでなく、人間性が素晴らしく仕事を頼みやすいという人が少なくありません。そのため、エース社員に頼りすぎて仕事が偏ってしまうことがあります。
信頼できる人に仕事を任せられれば上司は安心ですが、仕事を受ける側はストレスやマンネリを感じてしまい、最後には仕事へのやりがいを失ってしまう恐れもあります。
エース社員に仕事が偏っている傾向にあると感じたら、改善方法を考えていきましょう。
2.エースに権限が与えられているか
優秀な人材であれば、「仕事で成長をしたい」「自己表現をしたい」「社会貢献をしたい」と考えています。
それにもかかわらず、与えられている権限に限界がある状態では、業務に対するやりがいを失ってしまいます。
いつもと同じ業務だとしても、権限が変わるだけで意識にも変化が出て、やりがいを感じられるようになります。
エース級の人材にはどんどん権限を与え、思いきり能力を発揮できるような環境を作ってあげましょう。
3.エースの成長の機会があるか
社内のエースとなるような優秀な人材は、「常に成長をしたい」と考えています。エース社員に対して、社内の業務を通じて日々成長できるような機会を与えているでしょうか。
- 新たなプロジェクトへのチャレンジ
- 難易度の高い案件
- 大きな予算を動かす仕事
このような重要なポジションを任せていくと、仕事で成長を感じられ、やる気を持って取り組めるようになります。
上司のマネジメントでできる範囲の内容もありますので、新たな仕事へのチャレンジの機会を意識してあげましょう。
4.周囲の人間関係は円滑か
エース社員の周囲の社員同士で、コミュニケーションは円滑に行われているでしょうか。
特に上司とのコミュニケーションが十分でないと、仕事やキャリアに関する相談の機会が奪われてしまいます。
「上司とのコミュニケーションの機会がない」という職場は、全体的なモチベ―ション低下につながるので注意が必要です。優秀なエース社員は成長の機会を求めているので、キャリアアップに関する相談ができないと転職を考えても不思議ではありません。
働きやすい職場を作るためにはコミュニケーションを円滑にし、特に上司は部下との会話を大切にしましょう。
エース社員にやる気がない!?退職の兆候とは
エース社員にやる気がなくなる時は、退職や転職といった新しい行動を検討している段階かもしれません。
転職を検討しはじめると、新しい環境に興味が移ってしまうため、現在の業務に以下のような支障が出る場合があります。
- 簡単な業務なのにミスが増えた
- 職場でのコミュニケーションが著しく減った
1.簡単な業務なのにミスが増えた
エース社員に簡単なミスが増えはじめたら、もしかすると悩み事を抱えているのかもしれません。明らかに集中していないような状態なら、退職を検討している可能性があります。
エース社員が転職をするのは会社にとっても痛手ですが、転職前の仕事に身が入っていない状態も会社にとってマイナスです。今まで成果を出していた人がミスを連発するようであれば、さりげなく声をかけて様子をうかがってみましょう。
2.職場でのコミュニケーションが著しく減った
職場の人間関係が悪いわけではないのに、エース社員と他の社員のコミュニケーションが著しく減った場合、退職を考えているかもしれません。退職をしてしまえば、現在の職場での人間関係はリセットされるため、必要以上の会話が不要になるのです。
また、仲良くなってしまうと辞めにくいと感じている人も、職場の人と距離を置きたがる傾向にあります。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
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エース社員が退職を決意する理由
退職を検討している人は、誰しも少なからず不安があるものです。
しかし、エース社員は周囲が気付かないうちに退職を決意し、スパッと辞めてしまう人も少なくありません。
エース社員は以下のような理由から、迷いなく退職を決断できると考えられます。
- 能力に合う待遇ではなかったから
- 自身が優秀な人材だから迷いがない
- 他社からヘッドハンティングされたから
- 育児や介護などライフスタイルに合わない
1.能力に合う待遇ではなかったから
エース社員は仕事ができる優秀な人材なので、その能力に応じた評価・待遇が必要です。能力を無視したような給料形態の会社では、「能力を認められていない」「仕事を頑張っても無駄」と思われてしまうかもしれません。
給与や報酬が全てではありませんが、仕事をしている以上は報酬でやりがいを感じるという意見もあるでしょう。能力の高い人であれば、なおさら強くその不公平さを感じているはずです。
能力に見合った待遇を用意できていなければ、エース社員の大きな退職の理由となります。
2.自身が優秀な人材だから迷いがない
退職する時は、誰しも次のような不安を抱えるものでしょう。
- 次の仕事はすぐに見つかるか
- スキルが生かせる仕事があるか
- 報酬はアップするだろうか
しかし、エース社員は能力の高い優秀な人材なので、チャレンジ精神もあります。順応性も高いので、新しい職場への不安も少なく、すぐにエースとして活躍できる自信があります。
3.他社からヘッドハンティングされたから
エース社員が退職を決める際には、すでに他社からヘッドハンティングされている可能性もあります。
たとえば人と接する機会の多い営業職の人は、他社の人からも評価されており、好条件でヘッドハンティングされるケースもあります。
現在の業務で不満を感じているようであれば、迷わず転職を決めるでしょう。
4.育児や介護などライフスタイルに合わない
エース社員は働く意欲があったとしても、育児や介護など家庭の事情で退職を選ぶ場合もあります。
女性がエース社員の場合には、出産がキッカケとなり離職するケースもめずらしくありません。
リモートワークや時短勤務などライフスタイルに合わせた働き方が可能であれば、退職しなくてすむ可能性があります。
エース社員本人に「できればこの会社で働きつづけたい」という気持ちがあるなら、会社としても一緒に解決策を考えていくのが理想的です。
エース社員が退職した後の影響
エース社員が退職してしまうと、残された会社には以下のような影響があります。
- 企業の生産性の低下
- 社内のモチベーションが下がり目標がなくなる
- 中長期的な人材育成が困難になる
1.企業の生産性の低下
エース社員のおかげで高い生産性を保っていた企業の場合、エース社員が抜けると業務が停滞し、生産性が大きく低下する懸念があります。
能力の高い人が辞めるだけでも痛手がありますが、そのエース社員に依存していた業務は直接的な影響が出てしまうでしょう。
エース社員の仕事量が膨大だった場合には引継ぎに苦労しますし、周囲の社員の負担が増えてしまいます。エース社員の穴埋めがうまくできないと業務に支障が出るだけでなく、取引先に迷惑がかかってしまうかもしれません。
優秀な社員がいてくれるというのは、精神的な支えにもなるものです。エース社員が退職してしまうと、周囲の社員への負担は、実務だけでなく精神的な部分にまで及ぶと考えておきましょう。
2.社内のモチベーションが下がり目標がなくなる
エース社員は周囲の人の憧れであり、目標とされることもあるでしょう。
しかし、そんなエース社員が退職してしまうと、能力やスキルで尊敬できる人がいなくなり、社内のモチベーションが下がってしまうかもしれません。
また「エース社員が辞めたなら私も辞めよう」という考えにもなり、退職の連鎖が起きてしまう可能性もあります。
3.中長期的な人材育成が困難になる
エース社員が退職し、社内のモチベーションが下がっていくと、本質的な動機付けができず、人事評価や教育研修が困難になります。会社のプラン通りに人材育成ができないと、企業の存続の危機にもなりかねません。
目先の業務だけでなく、長い目でみた時にもエース社員の退職は会社に悪影響を与えます。
エース社員のやる気を出すために
エース社員のやる気がなくなると、退職につながる恐れもありますし、周囲の社員への影響もあります。
以前のようにやる気に満ちあふれたエネルギッシュな仕事をしてもらうために、会社として以下のような改善策を練ってみましょう。
- 仕事の振り方を見直す
- 人事評価制度を見直す
- 社員のレベルアップを図る
- キャリア形成を支援する
1.仕事の振り方を見直す
エース社員にばかり仕事を振っている、業務の負担がかかっているという状態であれば、すぐに解決させましょう。
能力が高いがゆえに起こる現象ですが、エース社員だけに負担がかかっている状態は健全とはいえません。
仕事量の差が出てしまっているのは、上司のマネジメント不足だと肝に銘じて、特定の社員に仕事が偏らないよう配慮してください。現場管理のリーダーや直属の上司にも改善策を共有し、会社として体制を見直していく必要があるでしょう。
2.人事評価制度を見直す
仕事での評価制度を見直して、成果を上げた社員が報われるような制度をつくっていきましょう。
今はエース社員の不満だけかもしれませんが、今後同じように不満を持つ社員が増えていっても不思議ではありません。
個々の社員の能力を生かせる環境を作り、それを評価できる体制を整えて風通しの良い職場作りをしていきましょう。
3.社員のレベルアップを図る
エース社員だけでなく、社員全体のレベルアップを図って能力の底上げをしていきましょう。
周囲の社員の能力がアップすれば、エース社員の仕事を振っても問題なくこなせるようになります。
さらに社員全体のレベルアップが成功すれば、業績アップにもつながっていくでしょう。エース社員も周囲の人のレベルが上がると、仕事にやりがいを感じられるようになります。
4.キャリア形成を支援する
エース社員が目指しているキャリアを実現できるよう、まずは面談をしてみましょう。
会社が目指しているビジョンとエース社員のビジョンが一致している方が、仕事のモチベーションも上がるからです。
人事異動や研修、希望の役職を与えるなど、会社でできる対応をしてキャリア形成を支援していきましょう。
エース社員を引き止めるポイント
エース社員の退職を引き止めようとしても、失敗してしまうケースはよくあります。
多くの場合は、的外れな交渉をしてしまっているのが原因で、エース社員を引き止めるために必要な本質が理解できていません。
主に以下の2点が、エース社員の引き止めに失敗してしまう理由です。
- 退職の理由がわからない
- 引き止めの交渉材料が的外れ
そもそも上司がエース社員の悩みを理解できていないために退職となっているので、引き止めようとしても交渉材料が的外れなものばかりになってしまいます。
単に異動や昇給を望んでいると安易に考えずに、エース社員が求めている内容を提示しなくてはいけません。
エース社員の希望を探るためには、普段のコミュニケーションや面談を充実させる必要があります。
退職の申し出があってからあわてて面談しても、手遅れになってしまうケースもあるでしょう。
やる気のないエース社員の環境改善を
今回は、エース社員のやる気がないことに悩んでいる経営者に向けて、やる気がなくなる原因、やる気を出してもらうための対策などを紹介しました。
エース社員のやる気を上げるための重要なポイントについては、主に以下が挙げられます。
- エース社員がやる気をなくしている「兆候」を把握する
- エース社員が退職を決断する理由を理解し、対策を取る
- 仕事の振り方や人事評価の見直しなど、社員全体のやる気を上げることを意識する
今回の記事を参考に、社員にやる気を出してもらう具体的な方法を実践してください。
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