製造業などのプロジェクト管理に取り組む際に避けては通れないのは「品質管理」ですが、体制が整っておらず悩んでいませんか?
品質管理の方法が人によってバラバラだから、プロジェクトが統一されなくて困る。
製造業務で効率的に、そして確実に品質管理できる環境に整えたい。
作業の無駄をなくして時間やコストを削減したいけれど、方法がわからない。
実は、品質管理には3つのプロセスが必要不可欠で、方法や手順を把握し、適切に取り組めばプロジェクトが円滑に進むようになるのです。
私たち「株式会社Pro-D-use」という経営コンサルティング会社では、これまでたくさんの「品質管理」について成功も失敗も見てきました。
本記事では、プロジェクトにおける品質管理の重要性とプロセス、データ分析に役立つ手法について解説します。
品質管理を行うメリットは以下。
- 顧客満足度の向上
- 不具合の発生予防によるコスト削減
- 時間短縮による稼働率向上
この記事を読めば、こんな事が実現できます。
- 作業工程が統一化され、プロジェクトが効率的に進む。
- 不具合を早期に発見、修正することで時間やコストを大幅にカットできるようになる。
- 企業や商品・サービスのファンを獲得したり、リピーターを増やせたりする。
今回の記事を参考に、品質管理を適切に行うための方法について理解を深めていただけたらと思います。
また、当社では「製造業における生産管理のDX化の課題」についても解説していますので、詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
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▼目次
プロジェクト管理の基礎
プロジェクト管理は、プロジェクトの目標を達成するために行うプロジェクト全体の管理を指します。
プロジェクトを計画通りに進めるためには、人やお金、もの、スケジュールなどを適切にコントロールする必要があり、管理すべき項目は多岐にわたります。
まずは計画の目標や達成するための方法を設定し、それぞれの項目においてプロジェクトを成功させるために管理していく必要があるのです。
プロジェクト達成のための世界基準「PMBOK」
米国の非営利団体であるPMI(Project Management Institute)によって策定された、プロジェクト管理に必要な知識やノウハウをまとめた「PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)」があります。
PMBOKを学べば、プロジェクト管理の基礎知識を網羅的に身につけることが可能です。
PMBOKの5つのプロセス
PMBOKでは、プロジェクトの開始から終結までを5段階のプロセスに分けて考えます。
- 立ち上げ
- 計画
- 実行
- 監視・コントロール
- 終結
PMBOKの基本となる5つのプロセスを詳しく把握しましょう。
プロセス | 内容 |
---|---|
立ち上げ | プロジェクト開始前に認可を得る段階。 目的や目標、予算、成果などの定義やステークホルダー(利害関係者)の特定を行う。 |
計画 | 目的・目標をベースとして作業計画を立案・作成。 スコープを洗い出し、実行すべきタスクや要員を明確化する。 |
実行 | 計画にもとづいて人材や資源を調達し、行動に移す。 |
監視・コントロール | 計画内容と実行内容に乖離がないか確認し、あれば調整する。 |
終結 | 4つのプロセスが完了したことを確認し、終了できるか判断する。 また、プロジェクトのデータを次回活用できる形で保管する。 |
PMBOKの10の知識エリア
PMBOKを活用し、プロジェクトを実行する際に求められる知識を定義した10の知識エリアがあります。
- 統合管理・・・ほかの9つの知識エリアを統合・管理する
- コスト管理・・・原価や予算など、費用に関わるものを管理・修正する
- 調達管理・・・仕入れ先や委託先を選定・管理し、外部業者に起因するプロジェクト遅延を防止する
- リスク管理・・・生じる可能性があるトラブルを予測し、対策を立てる
- スコープ管理・・・プロジェクトの作業内容と成果物の範囲を定義し、軌道を整える
- 資源管理・・・適材適所な人材の配置や物資を管理する
- コミュニケーション管理・・・メンバー間でのコミュニケーションを円滑化する
- スケジュール管理・・・スケジュールを作成・管理・調整する
- 品質管理・・・成果物のクオリティを管理し、顧客のニーズを満たせるものへ導く
- ステークホルダー管理・・・ステークホルダーから得た情報の保管・管理および伝達する
それぞれのプロセスにおいて上記の知識エリアは重要なものであり、全体で求められるものと一部で重要なものも含まれています。
品質管理とは
プロジェクト達成のために必要なPMBOKの10の知識エリアの1つであり、製品やサービスの品質を維持し、改善し続けるための手法を「品質管理(QC:Quality Control)」と言います。
食品関連、家電製品、自動車部品、機械・IT関係の部品関連、化学製品、医薬品、化粧品など、多くの現場において必要とされているもので、作業内容は業種によって様々です。
品質管理では、消費者が求める製品やサービスの品質を担保するために、仕組みを作ったり体制の維持や管理を行ったりします。
品質保証との違い
品質管理と混同されやすい言葉に「品質保証」がありますが、製品やサービスの品質に責任を持つという意味では同じです。
しかし、品質管理の業務は、ものが完成するまでの段階に関わるもので、品質保証は、主にものが完成して顧客に渡った後の対応になります。
いずれにせよ、相互に関わり合うことで製品やサービスの品質をより高められるのです。
品質管理の重要性
PMBOKの10の知識エリアに含まれる「品質管理」は顧客の満足度を上げるために必要な役割です。
プロジェクト管理において品質管理が重要な理由について詳しく解説します。
顧客満足度の向上
企業経営において顧客満足度を高めることは重要な課題です。
そして、顧客満足度の向上に必須なのは品質管理であり、品質管理が適切でなければ、納期が遅れたり不良品の発生率が高くなったりするなどのトラブルが発生しやすくなります。
顧客の要求に合った高品質な製品を製造し、決められた納期までに納品できれば、信頼度が上がり、製品・サービスや企業のファン獲得やリピーターの増加など、企業の発展に繋がるでしょう。
コストの削減
プロジェクト管理において品質管理を行う目的の1つにコスト削減が挙げられます。
高品質な製品・サービスを顧客に提供し続けるためにはコストがかかりますが、それを怠った場合には失敗の発生に伴って企業が被ることになるコストは、それよりも膨大なものになる危険性が高いです。
品質管理を行うとプロジェクトの過程で発生する問題を早期に解決でき、修正にかかるコストをカットできます。
これらのコストを削減できれば、企業は限られた資金を有効に使用でき、企業の競争率強化にも役立てられるでしょう。
時間短縮による稼働率向上
適切な品質管理は業務効率化にも繋がります。
品質に問題が生じると、手戻りによる修正コストがかかるのはもちろん、遅い対応になればなるほど修正に時間がかかり、スケジュール通りに進まず納期が遅れてしまう恐れがあるのです。
品質管理の基本は予防であるため、問題を早い段階で解決できれば、スケジュールを遵守できるだけでなく、作業の時間短縮となり稼働率が向上、生産性アップが期待できます。
品質管理3つのプロセス
品質管理では、主に以下3つのプロセスを通じて品質を保証します。
- 工程管理
- 品質検証
- 品質改善
これら3つの管理は、全ての製品やサービスにおいて品質を安定させ、顧客のニーズに合うものを生産し続けるための取り組みです。
それぞれの管理について詳しく見ていきましょう。
1.工程管理
工程管理とは、製品を製造する作業工程を管理し、製品が正常かつ効率良く生産されるようにするためのものです。
製造工程が定まっていなければ、従業員の取り組みに個人差が生じ、不良品が発生するリスクが高まります。
工程管理には、マニュアル作成などによって作業工程を標準化するほか、設備の最適化、従業員の教育や研修などの人の育成も必要です。
2.品質検証
品質検証は、製品やサービスを提供するにあたり、品質や機能に問題がないかを検査・検証し、確かなものであるかを保証する業務です。
検査の種類としては以下のものがあります。
- 受け入れ検査・・・外部から仕入れた原材料や部品の検査
- 工程内検査・・・製造工程の途中をチェックし次の工程に不適合品が流れるのを防止
- 完成品検査・・・提供しても問題ないかどうかの最終チェック
近年ではAIの画像認識技術を取り入れた、より精巧で作業効率の良い検査なども行われています。
3.品質改善
品質改善は、不良品の発生予防のほか、再発防止のために改善を行う業務です。
品質改善の対象には作業工程前の設計、構築段階も含まれます。
不良品の再発を防ぐためにはデータ収集して現状を把握し、不良品が生じた原因を分析して対策を講じ、解決しなければなりません。
製品やサービスについて繰り返し見直すことが顧客満足度の向上に繋がります。
品質管理の課題と対策
品質管理を適切に行うためには、人材不足や部門間の連携不足、データの活用の難しさなどといった多くの課題をクリアしなければなりません。
ここでは、品質管理における課題の対策方法をご紹介します。
品質管理の7つ道具の活用
品質管理を行うためには様々なデータを集める必要がありますが、集めたデータを効果的に活用するための分析や改善をサポートする「QC7つ道具」と呼ばれる手法があります。
主に定量的な数値データの解析に使用する「QC7つ道具」は目的に応じて単独で使われたり、数ツールを組み合わせて使われたりします。
7つ道具の特徴について以下にまとめました。
企業活動における分析・解析手法として利用してみましょう。
名称 | 概要 |
---|---|
パレート図 | 項目別に磨別して、出現頻度の大きさの順に棒グラフで並べるとともに、緊積和を折れ線グラフで示した図 |
特性要因図 | 特定の結果(特性)と要因との関係を魚の骨のように表した図 |
チェックシート | 計数データを収集する際に、確認事項や 収集項目をあらかじめまとめ、分短項目のどこに集中しているかを見やすくした表や図 |
ヒストグラム | データの存在する範囲をいくつかの区間に 分け、各区間に属するデータの度数に比例する面積をもつ長方形で表した図 |
散布図 | 対になった2つの特性を横軸と縦軸とし、観測地を1組ずつ打点した図 |
グラフ | データの大きさを図形で表し、比較や変化する状態などをわかりやすく視覚的に表したもの |
層別 | データをどのようにグループ分けするか、着眼するかというコンセプトのようなもの |
5Sの定着化
5Sとは、頭文字Sから始まる以下の5要素です。
- 整理・・・不要なものを処分する
- 整頓・・・必要なものを使いやすい場所に置く
- 清掃・・・綺麗に掃除して点検を行う
- 清潔・・・清潔な状態を維持する
- しつけ・・・4つの「S」を習慣づける
製造工程では、5Sに基づいた製造過程に必要な工具などを管理するためのルール作りを行い、作業の無駄やミスを防いで業務効率化に繋げます。
4Mの管理
品質管理における4Mとは、頭文字Mから始まる以下4つの要素で考える手法です。
- Man(人)・・・現場の作業員・スタッフの能力を維持、管理する
- Machine(機械)・・・作業機器や設備を正しく使うために管理する
- Material(材料)・・・生産に使われる原材料や資材の管理や調達方法を考える
- Method(方法)・・・安定した生産を行うための作業方法を考える
製造に必要なこれらの要素を分析することで、課題や問題の発見と解決に繋がります。
適切な分析が行えると、不具合が生じた場合でもスピーディーに対応できるようになるでしょう。
AIを活用した品質管理
AIなどを活用して、これまで人の手や目視で行ってきた品質管理の作業を自動化する方法も有効です。
近年は人手不足を補うためにAIやIoTを導入する企業が増えています。
導入コストはかかるものの、ヒューマンエラーの防止や高度の向上が期待でき、長期的にみて品質の安定化だけでなくコスト削減にも繋がります。
品質管理で顧客満足度を上げよう
プロジェクトにおける品質管理では、以下3つのプロセスを通して品質を保証します。
- 工程管理
- 品質検証
- 品質改善
業務効率化を測ったり、人手不足を補ったりするために、今回ご紹介した様々な手法やツールを活用して、課題を解消しながら取り組んでいきましょう。
品質管理が適切に行えるようになると、顧客満足度が上がり、企業の成長に大きな影響を与えますので、ぜひ今回の記事を参考に理解を深め、取り入れていただけたらと思います。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は「伴走・現場型で利益を押し上げる」コンサルティング支援が特徴の経営コンサルティング会社です。これまでたくさんの経営相談で「はじめての経営コンサルタント」「コンサルタントの乗り換え」「事業拡大 / 事業再生」で数多くの実績をあげてきました。
「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」にあなたの会社について相談してみませんか?詳しくは経営コンサルティングサービスページをご覧ください。
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