製造業で在庫の過不足が多く、困っている。
在庫管理をすると、どんなメリットがあるの?
効率的な在庫管理をしたいけれど、方法が分からない。
このように、在庫管理の必要性や方法について悩んではいませんか?
実は、在庫管理がうまく機能していないために、企業の販売機会の損失と無駄なコストの発生が同時に起こってしまっている危険性があるのです。
私たち「株式会社Pro-D-use」という経営コンサルティング会社では、これまでたくさんの「在庫管理」の成功も失敗も見てきました。
本記事では、企業にとっての在庫管理の重要性や業務フローについて解説します。
適切な在庫管理を行うためにおさえておきたい手順は以下。
- マニュアルの作成
- 入荷業務
- 入庫業務
- 出庫業務
- 棚卸し業務
この記事を読めば、こんな事が実現できます。
- 在庫をコントロールして生産性が向上し、利益を生み出す
- 在庫スペースを確保し、それにかかっていたコストをカット
- 自社の在庫管理の課題を洗い出し、利益に繋がる方法を導き出す
- 自社に合った在庫管理方法が分かる
在庫は商品価値がありながらも現金化されていないもので、在庫の量を常に適切な状態に保てなければ、経営状況にも悪影響を及ぼすため、ある程度の知識を持っている必要があります。
ぜひこの記事を参考に自社に合った在庫管理の方法を把握し、業務に活かしていただけたら嬉しいです。
また「在庫管理をAIで最適化する方法」については以下の記事で詳しく解説していますので、詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
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▼目次
在庫管理とは
在庫管理とは、企業が商品・部品・資材・原材料などの物品の在庫数や状態を適正な水準に保てるよう管理するためのプロセスを指します。
在庫管理をすることで、顧客への信用度が向上し、店舗や倉庫で在庫切れを起こしたり、大量の在庫を抱えてしまったりするのを防ぎ、無駄な出費を抑えられるようになります。
企業にとっての利益や経営状況にも影響を及ぼすため、自社に合った適切な在庫管理が必要なのです。
倉庫管理との違い
在庫管理とよく混同される言葉に「倉庫管理」がありますが、範囲と目的に違いがあります。
倉庫内の業務をマネジメントするのが倉庫管理で、あくまでも倉庫内の業務効率化を目指しますが、在庫管理は自社が管理する物品だけでなく、入荷や出庫など、事業に紐づく在庫全てを管理します。
そして、在庫管理の大きな目的は在庫量を適正化させ、企業の利益を最大限に引き上げることです。
在庫管理の必要性やメリット
在庫管理の重要性を理解し、取り組んでいる企業は、どのような業界においても信頼度がアップし、実質的な利益を生み出せるようになるのです。
ここでは、在庫管理を行う必要性やメリットをご紹介します。
生産性の向上
適切な在庫管理によって、製品を製造する際の生産性の向上が期待できます。
在庫の所在が明確になって在庫を探す手間を省けるほか、在庫数がはっきりすれば、不必要な発注や在庫の過不足がなくなるなど、業務においての無駄を徹底的に省けるでしょう。
このように、製品をスムーズに生産できるようになると納期の短縮にも繋がります。
キャッシュフローの改善
在庫管理によって、キャッシュフロー(お金の流れ)の改善が期待できる点もポイントです。
在庫を長期間抱えたままでは、なんの利益も生み出さず、投資した資金も戻ってきません。
それどころか、時間の経過とともにものの価値は下がっていくため、企業の経営破綻になる危険性も潜んでいるのです。
在庫管理によって在庫をコントロールできるようになれば、適切な時期に適正価格で販売でき、キャッシュフローがうまくいくようになるでしょう。
余剰在庫が減る
余剰在庫が発生するのは、主に以下の原因です。
- 在庫がいくつあるのか分からない
- どれくらい必要なのか分からない
- どこに配置されているのか分からない
そのため、在庫が十分に余っているにもかかわらずさらに多く発注すると、倉庫にどんどん余剰在庫が積み上がってしまうのです。
余剰在庫はコストやロスを発生させるため、在庫管理を行い、適正在庫を保てるようにしなければなりません。
作業の効率化
在庫を適切に管理できると、業務においての様々な無駄を省けるため、作業効率化を図れます。
作業効率化は従業員の仕事のしやすさややりがいに繋がり、発注ミスなどのヒューマンエラー防止にも役立つでしょう。
また、好循環で作業できると、生産性も向上するため、企業の利益に直結します。
在庫の品質向上
物品を長期間保管していると、経年劣化のほか、異物が混入するなどして品質が低下してしまう恐れがあります。
在庫を整理し、古い順に物品を利用できるようにすれば、劣化を防ぐことができ、品質向上を目指せるでしょう。
品質向上は顧客満足度向上にも繋がるため、経営するうえでの大きなメリットになるのです。
無駄な経費の削減
無駄な仕入れや過剰在庫による廃棄は、売上にならないどころか、マイナスになってしまいます。
また、在庫管理には商品の状態を保つための空調などの設備コストもかかるため、余分な在庫が増えるだけコストがかさんでしまうのです。
自社に合った在庫管理ができれば、在庫ロスのリスクを減らせるだけでなく、設備費などを必要最低限にできるほか、廃棄などのコスト削減にもなります。
在庫管理を適切に行うための業務フロー
一口に在庫管理といっても、業務内容は多岐にわたります。
適切な在庫管理を行うために必要な基本的な業務フローは以下の通りです。
- マニュアルの作成
- 入荷
- 入庫
- 出庫
- 棚卸し
自社の在庫管理に問題があったり、理想と現実にギャップが生じていたりするのであれば、それを把握し、改善する必要があるでしょう。
それぞれ詳しくご説明します。
1.マニュアルの作成
適切な在庫管理には、企業が決めたルールが必要です。
在庫管理のルールを明確化すると、作業する全員が管理方法を統一できます。
ここでは、在庫管理におけるマニュアル作成をする際に意識してほしい内容を紹介します。
「5S」の徹底
5Sとは、頭文字Sから始まる以下の5要素です。
- 整理・・・不要なものを処分する
- 整頓・・・必要なものを使いやすい場所に置く
- 清掃・・・綺麗に掃除して点検を行う
- 清潔・・・清潔な状態を維持する
- しつけ・・・4つの「S」を習慣づける
作業環境が整っていなければ、誤出荷や在庫差異を発生させてしまう要因となるため、5Sを徹底して習慣化していきましょう。
在庫管理システムの導入
パソコンに在庫管理専用のシステムを導入し、在庫の数量や状態といった情報を入力して、適正在庫を自動で把握・管理してもらう方法があります。
手書きやエクセルの管理表を使って在庫管理を行なっており、効率の悪さや人的ミスが課題となっている企業はマニュアル作成前に導入を検討してみると良いでしょう。
ただし、導入にはランニングコストがかかる点や、自社のニーズに合うシステムを選ぶのに時間がかかる可能性があるというデメリットも考慮しておく必要があります。
2.入荷
入荷は、納品された製品や材料などの物品を受け取ることです。
このとき、納品されたものの内容・数が予定通りであるかを確認する必要があります。
入荷の際にこれらが間違っていた場合、そのままにすると適正な在庫管理ができなくなるため、仕入先に報告し、対応してもらいましょう。
3.入庫
入庫は、入荷した物品を倉庫の棚に格納することです。
在庫管理においては、効率的に行うために製品や材料などの物品の保管する場所を割り振って適切に管理する「ロケーション管理」が採用され、ロケーション管理の方法は以下の2つのパターンがあります。
- 固定ロケーション管理
- フリーロケーション管理
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社に合った方法で管理しましょう。
固定ロケーション管理
固定ロケーション管理とは、物品ごとに保管する場所を固定して管理する方法です。
比較的残数を把握しやすい方法で、物品が少ない・定番の製品が多く、入れ替わりが少ない場合に向いています。
固定ロケーションに関しては、在庫管理システムなどでシステム化されていないケースが多いです。
【固定ロケーションのメリット・デメリット】
メリット | ・保管場所を覚えやすい ・在庫数を把握しやすい ・欠品したときに分かりやすい |
デメリット | ・スペース効率が悪い ・収納力が劣る ・取り扱う品が変わるとレイアウト変更が必要 |
フリーロケーション管理
フリーロケーション管理は、保管場所を固定せず、倉庫の棚の空いているスペースに保管場所に保管する方法です。
保管スペースを効率的に使えるのが特徴で、在庫の頻繁な入れ替えがある業種で多用されています。
フリーロケーションでは、入庫場所を記録できる在庫管理システムを導入しているケースが多いです。
【フリーロケーションのメリット・デメリット】
メリット | ・在庫スペースを効率的に使える ・配置場所のルールを覚える必要がない |
デメリット | ・入庫管理に手間がかかる ・在庫の場所が分かりにくい ・システム構築に費用がかかる ・ピッキング効率が悪い |
4.出庫
出庫は、格納した棚から出荷する製品を取り出す業務です。
注文に応じた製品をピッキングし、検品して問題がなければ梱包・伝票の貼り付けなどを行い、発送します。
固定ロケーション管理が行われていれば、商品がどの棚にあるかをすぐに確認でき、スムーズな作業が可能です。
5.棚卸し
棚卸しは、データ上の在庫と実際の在庫の状況を突き合わせて確認する作業で、定期的に行われます。
在庫は日々入出庫を繰り返しており、正しく処理されていないケースや、横領や窃盗の被害に合っている可能性もあるので、厳しくチェックしなければなりません。
棚卸しによって在庫に不備が見つかった場合は、これまでの作業を見直す必要があります。
在庫管理で起こる課題と対策
在庫管理を適正なものにするには、骨の折れる作業が必要で、多くの企業が頭を悩ませる問題でもあるのです。
ここでは、在庫管理で起こる課題と対処方法を解説します。
人的ミスが発生しない環境づくりをする
在庫管理業務を人が担っていると、ヒューマンエラーによって正確な在庫管理ができない恐れがあります。
この場合、できる対策として専門のシステムを導入してAI化する方法を検討してみましょう。
AIを導入すると、以下の業務改善に役立ちます。
- 高精度の需要予測により適正在庫を維持
- 在庫状況をリアルタイムで把握
- 人的な計測ミスの防止
ただし、AI導入には大量の学習データが必要な点やランニングコストがかかるため、小規模な製造業などにはあまりおすすめできません。
自社にとって需要があるものか見極める必要があるでしょう。
社内の情報共有を徹底する
在庫管理を行うにあたって、トラブルを防ぎ効率的に運用するためにも、管理する部門だけでなく、製造や販売などの他の部門と連携して進める必要があります。
そのためにも、明確な作業内容やルールを定め、企業内で共有するようにしましょう。
作業内容やルールが複雑化すると、人的ミスが発生したり、作業する人によって違いが生じたりしてしまうため、できるだけシンプルで分かりやすいルール作りが大切です。
システムを使いこなせるか判断する
在庫管理システムを導入しても、仕組みや方法を理解できなければ適切な在庫管理ができないばかりか、無駄なコストがかかってしまいます。
特に、中小企業は自社の業務フローにシステム導入が適さないケースも多く、効果も期待できません。
そのため、導入予定のシステムを使いこなせるのか、それによって業務効率化や生産性の向上が見込めるか判断しなければなりません。
業務フローによる在庫管理の適正化は利益に繋がる!
在庫管理業務において、どれだけ対策を講じても、ある程度のミスが生じるのは避けられません。
ですが、「ミスが起きるのは当たり前」と思って作業する従業員が1人でもいれば、1人のミスが会社のミスとなり、業績悪化に繋がるため、まずは全員が在庫管理の重要性を認識して取り組んでいかなければならないのです。
そして、マニュアルを作成し、そのルールに従って作業していけば課題が見つかり、それを改善していくことで自社に合った在庫管理の仕組みを安定化させられるでしょう。
在庫管理は一見、経営と結びつかないかもしれませんが、企業の利益に大きく関わる重要な役割を担っているので、ぜひこの記事を参考に、自社に合った在庫管理の方法を把握し、業務に活かしていただけたらと思います。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は「伴走・現場型で利益を押し上げる」コンサルティング支援が特徴の経営コンサルティング会社です。これまでたくさんの経営相談で「はじめての経営コンサルタント」「コンサルタントの乗り換え」「事業拡大 / 事業再生」で数多くの実績をあげてきました。
「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」にあなたの会社について相談してみませんか?詳しくは経営コンサルティングサービスページをご覧ください。
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