中小企業のDX化が進まない原因とは?メリット・必要性を踏まえた進め方のポイント

中小企業のDX化が進まない原因とは?メリット・必要性を踏まえた進め方のポイント
    • DX
  • 2024年8月2日

中小企業でDXを始めようとしている方で、このようなお悩みはありませんか?

ポイント

中小企業にとってのDXの必要性は理解していても、どう進めたら良いのかわからない。

ポイント

そもそも、うちのような中小企業に、DX化は必要なのか?予算や時間をかけるだけのメリットがあるのかな?

DX化は大企業だけのものでなく、中小企業にも様々なメリットがある施策の一つですが、DX化の波に乗って導入を進める企業がある一方で、変化に前向きでない組織であるが故に、DX化がなかなか進まないという中小企業が多いのも事実です。

DX推進においては「人材要件や資金的要件」を満たす必要があったり、「小規模なDX化」から選択して実施することで、周囲の反感を買うことなく進めることができる等の多くの工夫点があるのですが、多くの経営者やDX推進者は、「DXに該当する施策」と「DXが推進できない原因となる要素」を把握することによって、スムーズなDXが実現できることを知りません。

筆者は「株式会社Pro-D-use」という経営コンサルティング会社で、これまでたくさんの「中小企業のDX化」の成功も失敗も見てきました。

執筆者:株式会社Pro-D-use岡島光太郎

本記事では、中小企業のDX化が進まない原因について解説します。

中小企業のDX化が進まない大きな要因は以下。

  1. DX化のための資金不足
  2. DX化のための人材不足

この記事を読めば、こんなことが実現できます。

  • DX化のメリットを改めて認識し、どのようなDX導入が適切かわかる
  • DX化に進めない問題を解決し、自社でDX化導入を進められる

DX化は中小企業にとっても順次取り組んでいかない課題でもありますので、ぜひこの記事を参考に、DX化導入のヒントにしていただけたらと思います。

また、「中小企業のDXを効果的に進める方法」については、下記の記事で詳しく解説しておりますので、詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

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中小企業でDX化が進まない原因

DX化(デジタルトランスフォーメーション)とは、ITやデジタル技術の活用によって企業を変革し、競争力の優位性を確立することを指しますが、中小企業でDX化が進まない原因として、中小企業の意識の問題があります。

日本の企業の99.7%を占めている中小企業の以下の点について、確認していきましょう。

  • 中小企業のDX化に関する意識
  • 中小企業におけるDX化の課題

1. 中小企業のDX化への意識は高い

まずは、中小企業が「DX化の必要性」を感じているのかを見てみましょう。

RICOH社の中小企業へのアンケートの結果を見ると、「必要だと思う」「ある程度必要だと感じる」を合わせると、全体の63.1%の中小企業でDXの必要性を感じているとわかります。

しかし実際にDX化の導入ができているかを問うと、「取り組んでいる」と答えた企業はわずか19.9%しかありません。

DX化が必要だとはわかっていても、実際にはDX化を進められない中小企業が多いとわかります。

2. 中小企業におけるDX化の課題

現場でDXのご支援をしている筆者の考えでは、中小企業のDX化が進んでいないのは、大きく分けて以下の原因があります。

  • 費用対効果が未知数
  • 意識や認識が不足 
  • DX化の人材不足
  • DX化の資金不足

詳しく見ていきましょう。

費用対効果が未知数

国内での物価高が続く中、中小企業のコスト意識は年々切実なものとなっており、企業の多くが確実な費用対効果を見込めるようにしたいのが本音です。

DX化を進めるには費用もかかりますので、DX化を導入した後の成果が明確でないとなかなか踏み切れない状況となっています。

DX化は業務を効率化し、かつ攻めの経営にデータを活かす側面があるため、コストと捉えるのではなく、DX化を「投資」として捉える経営判断が必要になるのです。

意識や認識が不足している  

中小企業でDX化は、現場の意識や認識不足で妨げられます。

多くの企業が「DXとは何か?」「DXは、どんな課題を解決するのか?」といった具体的な内容や効果が未知数な状態にあります。

IT担当者だけでなく経営者層の人間が理解を示さなければDX化は進みませんが、経営層・管理職の知識不足がDX化を阻害している大きな要因です。

特に、「障害は起きていない」企業であれば、テコ入れのモチベーションは低くなり、現状維持に固執する傾向にあります。

DX化は取り組んで効果が出るまでに一定の時間が必要になりますので、企業が安定している時こそ取り組むのが理想的です。

DX化の人材が不足している

DXの導入には、DXやITに強い人材が必要です。

ですが、社内にDXに詳しい人材はおらず、必要性は感じていても「何から始めればいいのかわからない」という中小企業がほとんどです。

そのため、どのようにDX化に向けた人材を確保するのかが大きなポイントとなります。

DX化の資金が不足している

DX化には人材だけでなく、初期投資のための資金も必要です。

デジタル機器の導入や、基盤システム、社内インターネット環境の改善が求められますが、DX化が進まない企業の多くは、これらの資金の捻出が難しいと判断しています。

デジタル機器の導入だけでなく人材確保のためにも資金が必要になりますので、まずは企業規模に合ったシステム導入から検討していく必要があるでしょう。

DX化のための人材育成方法

dx人材育成

先述した通り、中小企業のDX化が進まない原因の1つに人材不足があります。

IT人材不足を解消させるための対応策として、以下の方法を検討してみましょう。

  • 自動化による対応人員の削減
  • 自社での人材育成
  • アウトソーシング

1.自動化による対応人員の削減

業務の自動化で、人材不足を解消することが可能です。

DXノウハウが乏しい中小企業では作業を自動化して対応人数を削減できれば、人材採用せずとも生産性を上げられるようになります。

生産性が上がれば、おのずと利益率も上がるでしょう。

しかし自動化にも初期投資が必要となり、自動化する業務の見える化や業務整理が必須だという点を理解しておかなければなりません。

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2.自社での人材育成

自社でのIT人材を育成できればトラブルが起きても早急に対処できますので、長い目でみても効率の良い方法です。

ただし、独学で勉強をしてもらうのは限界がありますので、リスキリング(今必要なスキルを獲得するために学ぶこと)を行い、社員に新しい技術を身に着けてもらうなどの対策が必要です

リスキングの学習方法として、研修やオンライン講座などが挙げられます。

DX時代の人材戦略として、世界的にもリスキリングが注目されているのです。

デジタル化が進むにつれて、新しく生まれる職業や仕事の進め方が今後大幅に変化すると予想されるため、これらの職業に対応していくために、スキルを習得するのは大きなメリットがあるでしょう。

アウトソーシング

アウトソーシングとは、DXのノウハウを持っている他社企業に外部委託することです。

自社で人材育成をすると、組織全体のパフォーマンスを上げられるというメリットはありますが、そのために多くの時間を必要とします。

ですが、アウトソーシングであれば自社で人材育成をせずに必要な知識を得られますので、手軽なDX化への対策方法と言えるでしょう。

ただし、問題発生時にはアウトソーシング先の企業に頼らざるを得ませんので、フットワークが軽く信頼できるアウトソーシング先を選ぶ必要があります。

DX化によって得られるメリット

DX化が必要だと感じてはいながらも、なかなか踏み切れない中小企業が多くありますが、「具体的なメリットがわからない」というのが理由のひとつです。

中小企業でDX化を進めると、以下のメリットが見込めます。

  • 人材不足解消
  • 業務の効率化
  • 働き方改革

DX化は中小企業における課題解決にも繋がりますので、ぜひご確認ください。

1. 人材不足解消

業務のデジタル化が進めば、これまで人が担っていた業務を自動化させられるようになり、効率がアップします。

完全無人化が実現できれば、人手不足の問題も解消するでしょう。

人手不足に悩む中小企業はDX化への取り組みも後手後手になってしまうかもしれませんが、人手不足の企業ほどデジタル化の恩恵を受けられると言えます。

2. 業務の効率化

人が行ってきた業務をデジタル化できれば、ヒューマンエラーの防止や業務効率化が期待でき、その結果、生産性の向上にも繋がり、利益向上が見込めます。

また、業務が効率化すれば人手に余裕が生まれますので、別の業務に取り組めるようになるなど、多方面でのメリットが期待できます。

中小企業のDX化が実現すれば、少ない人数でも大きな収益を上げることは難しくないのです。

3. 働き方改革

従来型のオフィスワークという働き方のみではなく、DX化によってさまざまな働き方の選択肢を増やせるようになるのです。

例えば、チャットツールやweb会議ツールなどを日常的に利用できるようになれば、通勤が不要になり在宅での業務が可能になります。

リモートでの就業体制を整えられると、居住地域を問わず全国から優秀な人材を集められるでしょう。

このように、DX化が進むと従業員の働き方の問題点を改善できるだけでなく、経営においても多くのメリットをもたらします。

中小企業のDX化への取り組み例

中小企業でのDX化が急務であると理解できても、「何から始めればいいのかわからない」という企業もあるでしょう。

そこで、中小企業でDX化の取り組みを進めている企業は、どのような内容に取り組んでいるのか、以下の点から詳しくご説明します。

  • 中小企業で始めやすいDX化
  • 中小企業で強化したいDX化

「DX化」という言葉で言い表している内容はひとつではないため、企業規模により取組可能な内容や必要な内容を選別して、可能なものから取り組んでいきましょう。

1. 中小企業で始めやすいDX化

すでにDX化に取り組んでいる中小企業では、これらの改革に取り組んでいます。

  • ホームページの作成
  • 営業活動・会議のオンライン化
  • 顧客データの一元管理
  • 文書の電子化やペーパーレス化
  • 電子決済の導入

ホームページの作成や営業活動・会議のオンライン化など、インターネットを通じた情報発信や電子化・オンライン化を実現しているようです。

DX化と聞けばこれらの内容を想像する人が多く、実際に手をつけやすい改革内容だと言えます。

また、顧客データの一元管理をすれば、企業として顧客のあらゆる情報を適切に管理でき、マーケティングや営業活動にも役立てられるようになります。

企業内での作業効率化が期待できるだけでなく、顧客の企業への安心感にも繋がり、信頼を獲得できるでしょう。

2. 中小企業で強化したいDX化

一方、中小企業のDX化において今後強化が必要であると考えられる項目には、以下のものがあります。

  • IoTの活用
  • AIの活用
  • デジタル人材の採用・育成

IoTとは、Internet of Thingsの略で、モノのインターネットという意味があり、離れた場所からモノを遠隔で操作・監視・制御するシステムを指します。

例えば「外出先でスマホから自宅のエアコンを操作する」「工場内にある冷凍庫の温度を管理する」といった用途が挙げられます。

製造業や物流業、飲食業や医療分野など幅広い用途が期待できますが、これらを取り入れられている中小企業は多くないため、導入すれば同業他社に差をつけられるかもしれません。

IoTやAIの活用といった高度な技術を必要とする分野は、今後中小企業で強化が求められる内容だと言えるでしょう。

中小企業のDX化の進め方

中小企業でDX化を進めていくためには、以下の点を意識していきましょう。

  • 社内でDX認知を広げる
  • 経営者が積極的にDX化に取り組む
  • 自社課題を明確にする

1. 社内でDX認知を広げる

中小企業のDX化が進まない原因のひとつに、認識や理解の不足という点があります。

まずは社内でDX化のメリットや必要性を認識し、導入の機運を高めていく必要があるでしょう。

どういった恩恵を受けられるのかが明確になり、社内での認識が変わるとDX化が加速します。

DX化をした後は従業員が使いこなしていかなければいけませんので、従業員1人ひとりの認識が重要です。

2. 経営者が積極的にDX化に取り組む

社内でDX認知を広げていくためには、経営者が主体となって動いていく必要があるので、経営者のDXに関する認識不足は致命的です。

経営者の腰が重くDX化が進まないという企業であれば、まずは経営者への説得が必要になります。

長期的にみればDX化は必要不可欠であるため、予算や時間を割いてDX化を進めていくには、経営者が積極的な姿勢で取り組んでいかなければならないのです。

3. 自社課題を明確にする

DX化に取り組む方法はひとつではありません。

自社の課題を明確にして、最適なDX対策をしていかなければなりません。

他社の真似をしていても、それが最適な方法とは言えないのです。

まずは自社の課題や、企業成長のポイントを考慮し、必要なものからデジタル化を進めていきましょう。

中小企業もDX化に取り組もう

予算や時間がかかってしまうので、中小企業ではなかなかDX化に踏み切れないという企業もあります。

しかし、デジタル化が進めば作業の効率化や働き方改革が可能になり、結果的には大きなメリットを見込めます。

DX化を進めるためには、まずは社内で認識を高めていく必要があるのです。

社員はもちろん経営者もDX化の必要性をしっかりと認識し、積極的に取り組んでいきましょう。

いきなりハードルの高い内容に取り組む必要はありませんので、企業規模や課題に合わせて、自社で取り組む内容を考慮しながら適切な対策を講じてください。

経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。

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コラム著者プロフィール

岡島光太郎

岡島 光太郎

取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業・企画の両面で責任者を務める。
※リクルートではMVPやマネジメント賞など、個人・マネージャー賞を多数受賞。
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。

【得意領域】
新規事業の立上げ~収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、BtoBのWebマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、DXまで見通したIT・SaaS・業務システムの導入や運用、融資を中心とした資金調達~財務のコンサルティングを得意としている。

【担当業種】
「システム受託開発」「Webサービス」「Tech系全般」「製造」「建築」「販売・サービス」「スクール業」など多岐。

【資格・認定】
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)