社員の意識改革を成功させるポイントと進め方【人事のプロ解説】
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- 事業再生
- 経営ノウハウ
- 2026年1月30日
事業承継や業務改革を行っていくうえで、現経営者や後継者候補の方はこんな悩みや課題を抱えているのではないでしょうか?
- 「古参・中間層の抵抗で施策が進まず、承継や改革が人間関係で詰まる」
- 「発言しても変わらない空気が定着し、提案や改善が止まっている」
- 「改革を叫んでも現場が動かず、経営層のやる気だけが空回りしている」
社員の意識がバラバラな状態を放置すると、組織の一体化に時間がかかり、事業の承継や拡大の遅れにつながります。社員の意識改革を成功させるには、経営層が以下のポイントを押さえて自ら行動することが重要です。
▼社員の意識改革を成功させる6つのポイント
- 成功ポイント1. 意識改革が必要な理由を明確に伝える
- 成功ポイント2. 経営者自らが変革の姿勢を見せる
- 成功ポイント3. 具体的な行動指針をわかりやすく示す
- 成功ポイント4. 小さな成功体験を積み重ねる
- 成功ポイント5. 社員に過度な負担をかけない改革設計にする
- 成功ポイント6. 社員の意見を取り入れる
精神論ではなく、経営層のリードによる行動こそが組織の土台を崩さずに社員の意識改革を効果的に進められる方法です。
筆者は「(株)Pro-D-use」という組織改革に強い経営コンサルティング会社を経営しており、これまで多くの組織改革や社員の意識改革を支援してきました。
本記事では社員の意識改革が進まない原因や経営者が取るべき行動、社員の意識改革を効果的に進めるためのポイントを解説します。
▼この記事で解説すること
- 社員の意識改革が求められる5つの理由
- 社員の意識改革を成功させる6つのポイント
- 評価制度の鉄則
- 社員の意識改革を進める際の3つの注意点
社員の意識改革が進まず悩んでいる経営者や後継者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
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目次
なぜ「意識を変えろ」と言うほど組織は「腐る」のか:精神論の限界
社員の意識改革が進まない組織ほど「意識」や「やる気」といった実体のない概念に回収され、精神論だけで現場を動かそうとしがちです。しかし、利害関係者との軋轢や現状維持バイアスを無視したまま「意識を変えろ」と唱えても組織は動きません。むしろ社員の反発と諦めが積み上がり、組織は静かに腐っていきます。
「意識」を追うのではなく、行動と環境を強制的に書き換える外圧を設計することこそリーダーの役割だと筆者は考えます。意識は行動の唯一の原因ではなく、行動と環境の結果として後から形成される側面が強いからです。
精神論だけで意識改革を進めようとしたときに起こる代表的な2つの問題を解説します。
「マインドセット改革」を阻む「静かな壁」と学習性無力感
「マインドセット改革」を阻む最大の障壁は、職場に蔓延する「声をあげないほうが安全だ」という空気です。意見を無視された経験や発言しない方が不利益を避けられるといった認識が、社員の学習性無力感につながります。
社員が自ら考えることを放棄した状態では経営者が意見を求めても主体的な発言や改善提案は生まれません。社員の主体性がない環境では、組織の内部に見えない壁が生まれ、社員は沈黙を選ぶようになります。
特に、心理的安全性を「傷つけ合わないぬるま湯」と誤解している組織ほど、社員の意識の硬直化が顕著です。
人事のリーダーシップ喪失が組織を殺す
人事部門が組織変革を主導できなくなると社員は施策自体を信用しなくなり、組織全体の活力は低下します。目的のない流行りの研修や抽象的なエンゲージメント施策が、現場に「また人事か」というシラケを広げるためです。
筆者はこれまで複数の企業の組織改革を支援する中で、流行りの研修や形だけのエンゲージメント施策が導入されるたびに現場の信頼が失われていく場面を何度も見てきました。特に問題になる人事の施策が、他社の成功事例を自社に当てはめる「思考停止」です。自社の事業構造や人間関係、組織文化を無視した施策は「経営や人事が一方的に決めたこと」という諦めを社員に定着させます。
人事の役割は現場の実態を踏まえて自社の課題を定義し、経営の意思を具体的な行動に落とし込むことです。経営者が人事に対して権限だけでなく責任を明確に与え、現場と連携しながら改革を進める体制を構築する必要があります。
意識改革は「人事課題」から「財務的リスク」に転換される
社員の意識改革は従来の人事施策の範囲を超え、経営の財務的リスクを左右するテーマへと転換しています。社員の意識改革が「人事課題」から「財務的リスク」に転換される理由を解説します。
人的資本開示の一本化がもたらす「逃げ場のない外圧」
2026年3月期以降、金融庁は有価証券報告書における人的資本関連の記載を「従業員の状況」から「第4・提出会社の状況」に移動して見直すことが決定しています。人的資本開示では、企業戦略関連の人材戦略や従業員給与等の方針、平均年間給与の増減率などを一本化した情報が必要です。
» 金融庁「「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(案)等に対するパブリックコメントの実施について」(外部サイト)
人的資本開示の一本化を行うことで、企業の人的資本への投資が「やっているふり」では通用しなくなります。人的資本への投資が企業の業績改善や価値に与えた影響を説明できない企業は、経営戦略の一貫性を欠くと判断されるためです。
経営戦略の一貫性を欠くと判断されると企業の市場評価が下がるため、人的資本開示の一本化は避けられない外圧となります。
AIエージェントが迫る「人間社員」の役割強制リセット
将来的にAIは人間の補助ではなく、業務を自律的に遂行するAIエージェントとして組織に組み込まれていきます。企業に問われるのは、AIを業務に統合し、人間が最終的な成果責任を負える枠組みを構築するマネジメント能力です。
人間の社員は業務を自ら処理する立場から、AIに適切な指示を出し、出力を検証し、最終判断と責任を担う立場へと移行します。AIを使いこなせなければ成果が出ないという現実が、精神論では動かなかった社員の意識改革を強制的に促すためです。
AIとの共生は、社員の意識を「作業者」から「付加価値創造者」へとシフトさせる最も強いレバーになっていきます。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
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社員の意識改革が求められる5つの理由
社員の意識改革が必要とされる背景には、経営や組織運営に直結する明確な理由があります。企業が持続的に成長していくために、社員の意識改革が欠かせない理由は以下の5つです。
▼社員の意識改革が求められる「5つの理由」
- 理由1. 企業理念・ビジョンの浸透
- 理由2. 業績向上と売上拡大
- 理由3. 業務効率化と生産性向上
- 理由4. 多様な人材が活躍できる組織づくり
- 理由5. 働き方の見直しとワークライフバランスの実現
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
理由1. 企業理念・ビジョンの浸透
経営者が描く会社の方向性や価値観が社員に伝わらなければ行動がバラバラになり、組織としての一体感は生まれません。社員が企業理念を自分の業務と結び付けて理解したとき、仕事の意味が明確になり、指示待ちではなく主体的な行動につながります。
企業理念・ビジョンの浸透は主体的な行動を引き出すための要因だからこそ、社員の日々の判断や行動に落とし込む意識改革が求められます。
理由2. 業績向上と売上拡大
社員の意識改革が求められる理由は、業績向上や売上拡大が社員の行動の質によって左右されるためです。社員が自分の業務の価値や目的を理解していない組織では行動が受け身になり、成果は外部環境や一部の優秀な人材に依存します。社員の意識改革が進んだ組織では、業績に直結する行動の変化が以下の形で表れます。
▼業績に直結する社員の行動の変化
- 顧客の変化や要望を現場が即座に捉え、対応の遅れによる機会損失が減る
- 業務改善や新しい提案が特定の社員に偏らず、組織全体から生まれる
- 部門間の責任転嫁が減り、成果に対する連帯意識が強まる
- コストや非効率に対する感度が高まり、利益構造が改善される
業績に直結する社員一人ひとりの変化が積み重なることで、単発的な売上増ではなく安定した業績改善が実現します。社員が主体的に動く組織となることで、市場環境の変化にも対応できる持続的な成長基盤を持つようになります。
理由3. 業務効率化と生産性向上
社員の意識が変わらない組織では非効率な業務や属人化した作業が残り、時間や人件費が成果につながらない状態が常態化します。業務効率化を個人の工夫や現場任せにせず、組織として生産性向上を実現するためには社員の意識改革が必要です。
意識改革が進んだ組織では業務の進め方に対する問題意識が共有され、社員の行動に以下の変化が表れます。
▼業務効率化と生産性向上につながる社員の行動の変化
- 不要な工程や重複作業を削減する動きが生まれる
- ITツールを業務成果を高める手段として活用する意識が定着する
- 業務のマニュアル化が進み、特定の人に依存しない体制が整う
- 時間の使い方に対する意識が変わり、付加価値の低い作業が後回しにされる
社員の意識の変化に伴う業務効率化が組織で行われることで、限られた人員や時間で成果を出せる構造が形成されます。
» 業務改善が進まない原因とは?現場の壁を打破する具体策を解説
理由4. 多様な人材が活躍できる組織づくり
人材の多様化が進む中で、社員の意識が従来の画一的な考え方に留まると、環境変化への適応や協働が難しくなり、成果の損失や組織の機能不全が発生します。異なる意見や考え方は摩擦を生むこともありますが、適切なマネジメントや心理的安全性が確保されていれば、創造性や意思決定の質を高める重要な資源です。
一方で、多様な人材が増える中でも組織の目的や価値観を共有し、社員一人ひとりが組織の中で活躍したい意欲が保たれれば、多様性は組織の成果に結び付きやすくなります。
多様性を強みにするには社員の意識改革に加え、人事や評価制度、意思決定のプロセスなど、組織全体の仕組みの整備が不可欠です。
理由5. 働き方の見直しとワークライフバランスの実現
社員が長時間労働や属人的な働き方を当たり前と捉えている組織では、制度が形骸化し生産性や満足度の低下を招きます。社員の意識改革が進んだ組織では働き方を我慢や個人の問題として扱わず、成果と効率の問題として捉える行動が広がります。
社員の意識改革が反映されることで起こる働き方とワークライフバランスの変化は、以下のとおりです。
▼社員の意識改革による働き方とワークライフバランスの変化
- 残業を前提としない生産性を重視した業務設計が行われる
- 有給休暇の取得が組織全体で前提条件として扱われる
- テレワークにおける生産性の課題が克服される
- フレックスタイム制が業務効率を高める仕組みとして活用される
社員の働き方とワークライフバランスの意識が変化しなければ本質的な働き方改革は実現しません。
社員の意識改革を成功させる6つのポイント
社員の意識改革を成功させるためには、経営者の明確なビジョンと継続的な取り組みが必要です。社員の意識改革を成功させるためのポイントは以下の6つです。
▼社員の意識改革を成功させる「6つのポイント」
- 成功ポイント1. 意識改革が必要な理由を明確に伝える
- 成功ポイント2. 経営者自らが変革の姿勢を見せる
- 成功ポイント3. 具体的な行動指針をわかりやすく示す
- 成功ポイント4. 小さな成功体験を積み重ねる
- 成功ポイント5. 社員に過度な負担をかけない改革設計にする
- 成功ポイント6. 社員の意見を取り入れる
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
» 社員の意識改革を仕組みで実現!成功事例5選と8つの手順
成功ポイント1. 意識改革が必要な理由を明確に伝える
社員が理由を理解しないまま意識改革を求められても、現場では納得感が生まれず、形式的な対応に終わります。経営者は外部環境の変化や自社の課題を具体的に示し、社員に意識改革の必要性を説明する必要があります。意識改革を実行段階に移すために、経営者が押さえるべき社員への伝え方は以下のとおりです。
▼経営者が押さえるべき社員への伝え方
- 会社の現状や課題を数字や事実を交えて説明する
- 意識改革による組織や業務の変化を具体的に示す
- 社員一人ひとりに求められる役割と行動を明確に伝える
- 経営者自身が改革に本気で取り組む姿勢と覚悟を行動で示す
社員の意識改革を成功させるには1度伝えて終わりにせず、社員と向き合いながら継続的に対話を重ねることが不可欠です。
成功ポイント2. 経営者自らが変革の姿勢を見せる
経営者の言動と行動が一致していない組織の社員は、意識改革を建前として受け取って本気で改革に向き合わなくなります。経営者は指示や号令だけでなく、自らの行動を通じて変革の姿勢を示しましょう。経営者が変革の姿勢を社員に具体的に示せる行動は、以下のとおりです。
▼経営者が変革の姿勢を社員に具体的に示せる行動
- 新しいスキルや知識の習得に自ら取り組み続ける
- 業務改善や改革のアイデアを実行に移す
- 社員との対話の場を持って現場の意見や課題に耳を傾ける
- 失敗を責めずに挑戦したことを評価する
経営者が自ら動くことで社員は意識変革を特別な指示ではなく、組織としての当たり前の行動だと認識します。
成功ポイント3. 具体的な行動指針をわかりやすく示す
意識改革が進まない組織では「意識を高める」といった抽象的な表現だけが先行し、現場で何をすれば良いかわからない状態に陥ることがあります。経営者は日々の業務に直結する行動を明示し、意識改革を行動レベルに落とし込む必要があります。行動指針を機能させるために、経営者が押さえるべき要素は以下の4点です。
▼行動指針を機能させるために経営者が押さえるべき要素
- 日常業務の中で実践できる具体的な行動例を示す
- 行動の達成基準を数値や期限で明確にする
- 示した行動指針を評価やフィードバックに反映させる
- 現場の状況に応じて内容を定期的に見直す
経営者が行動指針を明確にすることで、社員は意識改革を実行可能な業務指示として理解できるようになります。
成功ポイント4. 小さな成功体験を積み重ねる
意識改革が停滞する組織では目標が過度に大きく設定され、社員が成果を実感できない状態が続きます。社員が成果を実感できない状態が続くと、社員は努力が評価されないと認識し、意識改革への意欲が低下します。小さな成功体験を組織に定着させるために、経営者は以下のポイントを設計しましょう。
▼成功体験を組織に定着させるために経営者が設計すべきポイント
- 短期間で達成可能な目標を設定し、行動と結果の関係を明確にする
- 成果を数値や事実で可視化し、達成状況を共有する
- 現場で生まれた成功事例を組織内で共有し、再現性を高める
- 成果や挑戦を評価や報酬に反映し、努力が正当に認識される仕組みを作る
小さな成功体験を積み重ねることが、社員の意識改革を一過性で終わらせず行動として定着させる原動力になります。
成功ポイント5. 社員に過度な負担をかけない改革設計にする
意識改革を短期間で一気に進めようとすると、現場では業務量の増加や混乱が生じ、社員の疲弊を招いてしまいます。社員の疲弊を防ぎ、意識改革を継続させるために、経営者が意識すべき設計のポイントは以下の4点です。
▼改革を継続させるために経営者が意識すべき4つのポイント
- 改革を一度に進めず、段階ごとに区切って取り組む
- 新しい取り組みに必要な人員や時間などのリソースを事前に確保する
- 現場の状況を踏まえ、社員の理解度やペースに合わせて進める
- 定期的に進捗を確認し、無理が生じていないかを見直す
社員の負担を抑えながら進める改革設計こそが、意識改革を途中でやめずに組織全体に定着させるための条件です。
成功ポイント6. 社員の意見を取り入れる
経営側だけで社員の意識改革案を設計すると、現場の実態と合わない施策が生まれやすく、結果として形骸化や反発を招きます。社員の意識改革の実効性を高めるには、現場で働く社員の視点を意思決定に反映させることが重要です。社員の意見を意識改革に生かすために、経営者が整えるべき仕組みは以下のとおりです。
▼社員の意見を意識改革に生かすために経営者が整えるべき仕組み
- 定期的なアンケートを通じて現場の課題や違和感を把握する
- 形式にとらわれず意見を出せる仕組みを用意する
- 社長と社員と直接対話する機会を設ける
- 集めた意見を施策に反映し、結果を社員に共有する
社員の意見を真摯に受けとめる施策を実行することで、社員は意識改革を自分たちが関わる取り組みと捉えるようになります。
» 社長と従業員の理想的な関係を築くステップを徹底解説!
評価制度の鉄則:「加点・減点」で行動を縛る
社員の意識改革を実効性のあるものにするためには、評価制度の設計を見直す必要があります。行動が評価と結び付いていない組織では、理想的な方針を掲げても現場の行動は変わらないためです。
評価制度の設計を見直すうえで重要になることが「加点」と「減点」を役割ごとに使い分ける評価の考え方です。成果や能力、挑戦といった成長に関わる行動には加点主義を適用し、前向きな行動を促します。規律や責任、基本的な行動規範については減点主義を採用し、組織の土台をそろえましょう。
加点評価と減点評価をそれぞれどのように設計し、意識改革につなげるべきかを具体的に解説します。
成果評価・能力評価には「加点主義」を適用し、挑戦を促す
成果評価や能力評価では、達成度や成長を積み上げて評価する加点主義を適用する必要があります。目標達成やAIスキルの習得といった行動を加点で評価することで、社員は失敗を恐れずに挑戦できるようになります。
特に2026年を見据えると、AIを活用して生産性を高めた取り組みを評価項目に含めることが欠かせません。AI活用による生産性向上を評価に含めない限り、社員は従来の業務手法を選び続け、AI活用は一部の意識が高い人に限られてしまうからです。
加点主義は挑戦と成長を後押しするための評価軸です。新技術への挑戦や高い目標設定、創造的な課題解決は失敗の可能性を伴うため、結果だけでなく行動を評価する必要があります。加点主義で成長と挑戦を加速させることが、社員の意識改革を実行段階へ進める条件になります。
「規律性・責任性」の減点評価が組織の空気を変える
規律性や責任性は組織が機能するための最低限の前提条件です。意識改革とは精神論で気持ちを切り替えることではなく、組織の「当たり前の基準」を引き上げることです。
ルール違反や約束の不履行が起きても評価や処遇に反映されなければ「守らなくても不利益はない」と社員が誤って認識し、組織の空気が緩んでしまいます。組織の空気が緩んだ結果、規律や責任を守らない行動が黙認され、基礎的な行動基準が組織全体で崩れていきます。
組織の「当たり前の基準」を引き上げるためには、基礎的な行動を減点主義で管理し、最低基準として組織に組み込むことが必要です。強制力を持つ評価制度を通じて個人の判断に規律や責任を委ねるのではなく、組織として守るべき前提条件にしましょう。
社員の意識改革を進める際の3つの注意点
社員の意識改革を進めるためには精神論だけでなく具体的な仕組みを整え、時間をかけて取り組むことが重要です。社員の意識改革を進める際の注意点は以下の3つです。
▼社員の意識改革を進める際の「3つの注意点」
- 注意点1. 精神論だけで終わらせず仕組み化する
- 注意点2. 成果が出るまでに時間がかかることを許容する
- 注意点3. 意識改革自体を目的化しない
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
注意点1. 精神論だけで終わらせず仕組み化する
精神論に依存した意識改革は、行動の変化につながらず形骸化しやすい問題があります。社員の意識を変えるためには、考え方を求める前に行動が変わる仕組みを設計する必要があります。社員の意識改革を仕組みとして定着させるために、経営者が注意すべきポイントは以下のとおりです。
▼社員の意識改革を仕組みとして定着させるために経営者が注意すべきポイント
- 日々の業務の具体的な行動指針を設定する
- 行動指針の実践状況を評価制度に反映させる
- 取り組みの成果や変化を可視化して定期的に振り返る
経営者が行うべき役割は社員の意識改革を個人の意識に委ねるのではなく、行動と評価が連動する仕組みとして設計することです。行動が変わる環境を整えることで、社員の意識改革は一過性のスローガンではなく組織に定着する取り組みになります。
注意点2. 成果が出るまでに時間がかかることを許容する
社員の意識改革は短期間で成果が表れる施策ではありません。意識や行動は長年の経験や評価制度、組織文化によって形成されているため、変化には一定の時間を要します。
短期間で目に見える成果を求めると経営者自身が社員の意識改革の意義を疑い始め、取り組みが途中で止まるリスクが高まります。経営者が果たすべき役割は即効性を求めることではなく、社員の意識の変化を評価し続ける姿勢を示すことです。
注意点3. 意識改革自体を目的化しない
社員の意識改革は企業の成長や競争力を高めるための手段であり、実行した事実自体に価値がある取り組みではありません。意識改革が目的化すると研修の実施やスローガンの掲示がゴールとなり、経営課題の解決につながらない施策が増えてしまいます。
社員の意識改革を目的化させないために、経営者は以下のポイントを押さえましょう。
▼社員の意識改革を目的化させないために経営者が押さえるべきポイント
- 経営課題と直結する具体的な目標を設定する
- 行動や成果を数値で把握できる指標を設ける
- 定期的に進捗を確認し、現場の変化を検証する
- 期待した効果が出ていない施策は速やかに見直す
経営者の役割は社員の意識改革を掲げ続けることではなく、事業成果につながる行動変化を管理し続けることです。社員の意識改革を手段として位置づけ、成果との因果関係を追い続けることで組織は持続的な成長軌道に乗るようになります。
社員の意識改革は経営者の覚悟と継続が成功の鍵
社員の意識改革を実現させるためには経営者自身が覚悟を持ち、取り組みを継続し続ける姿勢が不可欠です。一時的な施策や掛け声だけの精神論では社員は本気で変わろうとせず、組織の行動も定着しません。経営者が自ら変革に向き合い、判断や行動で方針を示し続けることで社員は意識改革が本気の経営課題であると理解します。
社員の意識改革を進める際は、具体的な行動指針を明確に示し、実行結果を評価や報酬に結び付けましょう。行動と評価が連動する環境を整えることによって、社員は改革を自分の成長の機会として受け入れるようになります。
経営コンサルタント選びは「なんとなく」で進めると必ず失敗します。あなたの会社に貢献するコンサルタントを選ぶなら、多角的な視点で選定しましょう。
「(株)Pro-D-use(プロディーユース)」は「伴走・現場型で利益を押し上げる」コンサルティング支援が特徴の経営コンサルティング会社です。これまでたくさんの経営相談で「はじめての経営コンサルタント」「コンサルタントの乗り換え」「事業拡大 / 事業再生」で数多くの実績をあげてきました。
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コラム著者プロフィール
岡島 光太郎
取締役副社長 兼 経営コンサルタント(Co-founder)
事業の「急所」を突き、収益構造を再構築する。
実務と経営を知り尽くした、現場主義の戦略家。
経営における課題は、決して単一の要素では生じません。
営業、マーケティング、財務、システム…。すべてが複雑に絡み合う中で、ボトルネックを的確に見極め、最短距離で解決へ導くこと。それが私の使命です。
私はリクルート等の大手企業における組織マネジメントと、急成長ベンチャーの創業期という「カオス」の両極を最前線で経験しきました。机上の空論ではなく、血の通った実務経験に裏打ちされたコンサルティングで貴社の事業成長を力強くご支援します。
■専門性と実績:収益最大化へのアプローチ
私の強みは、部分最適ではなく「全体最適」の視点にあります。株式会社リクルートでは営業・企画の両面で責任者を務め、MVPほか多数の受賞歴が証明する通り「売る力」を極めました。その後、データXやアソビューといった有力企業の創業・拡大期において、組織作りから新規事業の収益化、マーケティング、事業企画までを牽引。
これら現場叩き上げの知見をベースに、現在は以下の領域をワンストップで支援しています。
▼専門・得意領域
|収益エンジンの構築|
新規事業の0→1立ち上げから、Webマーケを連動させた「勝てる組織」の仕組み化。
|DX/業務基盤の刷新|
業務プロセスを可視化し、SaaSやITシステム導入による生産性の抜本的向上。
|財務・資金調達戦略|
事業計画と連動した融資獲得、キャッシュフロー経営の強化。
■仕事の流儀
「コンサルタントが入ってレポートを出して終わり」という関わり方はいたしません。経営者様の隣で、時には現場の最前線で、貴社の社員以上に貴社の利益にコミットします。
戦略を描くだけでなく、現場が自走できる状態になるまで徹底的に伴走いたします。
■資格・認定
中小企業庁認定:中小企業デジタル化応援隊事業認定IT専門家 / I00087391
経済産業省認定:情報処理支援機関 / 第39号‐24060007(21)