新規事業を成功に導くための企画書作成のコツ

  • 2019年1月18日

新規事業を立ち上げるには企画書の作成が大切になりますが、事業の成否を握っているのが企画書でもあります。見せ方ひとつで関係者への説得力も違ってくるものです。「なぜ新規事業が必要なのか?」をハッキリと周りに示すためにも、企画のまとめ方を詳しく見ていきましょう。

新規事業の必要性を企画書の段階で明確にする

企業のビジネスとして行う以上、新規で事業を進める場合にはテーマや資金計画、市場分析などが整っていなければなりません。その重要性は理解をしていても、つい担当者の熱意が先行してしまって周囲との温度差を生んでしまうこともあるでしょう。そもそも、企業が新規事業に取り組むときには何らかの使命を帯びているものです。「社運をかけて」といった意気込みのものでなくとも、「既存事業のてこ入れをしたい」「新たな収益を確保したい」といった企業としての欲求があるといえます。まずはそれらを整理し、なぜ新規事業が必要なのかを明確にすることが大切です。企画を練り上げていくことによって企画スタッフだけではなく、開発部門や販売部門も含めた従業員の意識を高めることにもつながります。また取引先や融資先を説得する材料にもなるでしょう。世の中に製品やサービスを送り出す前に、関係者を納得させる新規事業のテーマやコンセプトが必要なのです。

自社が抱える経営状況と課題を洗い出す

新規事業の企画書といっても、新しく取り組むことだけを考えれば良いというものでもありません。新しい事業に取り組むということは、現状で何らかの経営的な課題を抱えているからでもあります。つまり、企画書の作成には自社が抱える課題と取り巻く経営状況の把握が大切だということです。競合他社や市場環境から見て、自社のブランド力が弱かったり市場シェアが伸び悩んでいたりとさまざまな経営課題が浮き彫りになってくるでしょう。(※1)新しく事業を推進していくためには、組織のリーダーが自社の置かれている現状を正しく認識して、大義名分を得ておく必要があります。事業の骨格を考えることはその後の商品開発や社員のモチベーションにも大きな影響を与えてきます。自社で人材が不足している場合には、外部の専門家の力を借りるなどして客観的に自社の企業価値も含めて精査していくことが大切です。

顧客のニーズと市場規模について把握する

新規事業を起こすということは、顧客や市場に対して「新たな価値を創造する」ことだといえます。そのため、社内だけで盛り上がってしまって総花的な企画を立ててしまってはいけません。まずはアンケートやヒアリングなどを行って、顧客がどんなものを求めているのかを把握しましょう。社内で出たアイディアを顧客に投げかけてみる方法でもいいですし、逆に顧客の要望からアイディアを固めていってもいいでしょう。いずれにしても、最終的には顧客のための新規事業となるわけですから、企画書自体が顧客不在のものであってはいけません。「流行に乗っているから」とか「斬新なアイディアだと思うから」といった理由だけで、顧客が集まってくるわけではないのです。顧客の視点からすれば、「似たようなものならいらない」というのが本音でもあるでしょう。なぜ自社が新規事業を行う必要があるのか多角的に検討していく必要があるといえます。(※2)

競合他社に負けない強みを明確に見出す

自社が新規事業を起こすように、競合他社も新たな事業展開を模索しているものです。他社に先駆けて新規事業を立ち上げたとしても、それが真似されやすいものであれば、途端に「価格競争」にさらされてしまうことになります。自社のブランド力を高めて、市場で確かなシェアを得ていくためには競合他社に負けない強みを見出していく必要があるでしょう。いわば事業戦略を考えるということであり、その中心となるのが企画書の作成です。1度作成したものを何が何でも変更しないというわけではなく、企画を練り上げていく中で柔軟に対応していく姿勢が大切になってきます。また他社が先行して事業展開をしている場合には情報を集めやすくもあるため、より多くの視点から事業戦略を組み立てていくことができるでしょう。市場規模や自社の能力、予算規模などにあわせてどんな方法で市場にアプローチしていくかを決めてみてください。

新規事業を立ち上げるために必要な資金の算出方法

どんなに立派な企画書ができあがったとしても、予算の裏打ちがなければ事業は前に進んでいかないものです。潤沢な予算があれば、それほど悩んでしまうこともありませんが、まだ売り上げを1円もあげていない新規事業に最初から多額の予算はつけられないものでしょう。どういった予算規模で行うかはそれぞれの企業の事情によるところではありますが、1つの目安としては「収益化」の視点から見ていく方法です。そして、収益化について考えるには市場規模をしっかりと把握する必要があります。一般的には「市場規模=顧客の数×代替方法と競合する頻度×単価」といった方法で考えることができます。新規事業のターゲットとしている顧客の数に商品やサービスを利用する頻度をかけて、さらに販売価格をかけたものが市場規模といえるでしょう。これらを元に当初予算として組んだものをどのくらいの年数で回収し、それ以降収益を得ていくかのアウトラインが見えてきます。企画書に盛り込む内容として予算と収益の見通しを立てておきましょう。

企画書を会議で通すためのテクニック

新規事業は自社にとって新たな試みであるため、企画担当者はプレゼンテーションを行って会議で企画書を通す必要があります。(※3)特に人員や予算に関わる部分はとてもシビアでデリケートであるため説得力が必要となるでしょう。企画書に説得力をもたせるテクニックとしては、まずはデータによる裏打ちが大切です。市場規模や顧客動向、自社のブランド力など数値化できるものはどんどん数字にしてみましょう。そして競合他社が先駆けて行っている場合には事例をできるだけ集めておくことも大切です。さらに事業成果の目安となる目標値や平均値を明示しておくこともポイントだといえます。漠然と言葉を並べてしまうより、「どれくらいの目標なら達成できるのか」「その時期はいつか」といった部分を明らかにするほうが聞き手の興味を引き出すことができます。また顧客アンケートなどの生の声を企画書に盛り込むことも有効です。企画会議の参加者と自社の現状を共有する良い機会となりますし、現状に課題があるからこそ新規事業を行う必要があるといったプレゼンテーションも可能となります。あとは会議で想定される質問に対しては事前にFAQを記載しておくといいでしょう。むやみに会議の時間を長引かせることなく、どの参加者にとっても有益な時間を過ごすきっかけとなります。

新規事業の成否は企画書の段階から始まっている

より良い企画書を練っていくことは新規事業の成否を握る大きな鍵です。自社の都合だけで事業を推し進めていくのではなく、市場調査や顧客調査を行っていくことで潜在的なニーズを掘り起こしていく必要があります。新たに事業を始めるということは、顧客が求めるものを世に送り出すという意味でもあります。ただ自社にとっても利益にならなければ事業を継続すること自体が難しくなってしまうものです。どの程度の予算規模で取り組むかを把握するためには、商品やサービスの販売価格の設定や市場で獲得できるシェアの予測などが大切でしょう。そして、それらを元に企画書をまとめ社内で意志の統一を図ることも重要です。新たな試みをするときには社内のまとまり具合も、事業を成功させる大事な要素となります。取引先や融資先も含めて、関係者を説得できる企画書作りをしっかりと取り組んでみましょう。

※1http://preneur-preneur.com/how-to-write-a-business-proposal/
※2http://marketer-thinking.com/kihon/kihon1.html
※3https://liginc.co.jp/life/useful-info/85804″