フレームワークを押さえることで新規事業を成功に導くポイント

新規事業を成功に導くためには、あらかじめ定められた枠の中で問題点を洗い出していく「フレームワーク」が需要です。自社が抱える課題を解決し、市場を的確に把握することで顧客のニーズをくみとることができます。フレームワークをきちんと押さえることによって、無駄なくスピーディーに経営を行っていきましょう。

そもそも「フレームワーク」とは?

「フレームワーク」とはそもそも、プログラミング用語で「枠組み」「骨組み」などの意味を指します。ビジネスにおけるフレームワークの意味は意思決定・分析・問題解決・戦略立案といったプロセスの枠組みのことです。(※1)物事を考えるときにあれこれ思いを巡らせたり、何となく議論ばかりを重ねたりしていても、肝心の全体像がなかなか見えてこないものでしょう。フレームワークを使うことであらかじめ決められた枠組みの中で、手順に沿って物事を考えていくことで「ムダなく」「漏れなく」情報の分析や意思決定を行うことができるのです。代表的なフレームワークの手法としてロジック・ツリー(logic tree)というものがあります。これは上位の概念をどんどん下位の概念に掘り下げていくというものです。たとえば、「新規事業を立ち上げる」をテーマとするなら「収益の柱となる商品を開発する」と掘り下げます。さらに「ニーズを知るために顧客アンケートを行う」といった具合にテーマに対して取るべき方法を洗い出していくことによって、実際に実行するべきタスクをハッキリとさせることが目的です。他にはMECE(ミーシー)と呼ばれるものがあり、洗い出したタスクに漏れや重複がないかを細かくチェックしていきます。たとえば、顧客単価について考えるときに「1回あたりの利用金額」と「購入金額」といったタスクは重なっています。この重複を認めてしまうと検討するべき作業が膨大になってしまうため、意味合いが同じ概念についてはまとめて考えるといったフレームワークの手法です。1つの手法だけに偏らずにいくつかの手法を用いることによって、自社や事業に対する課題を洗い出していくことが大切だといえます。

自社が抱える課題の分析と市場の分析

新規事業を立ち上げる際には、自社が抱える経営課題を洗い出していくことが重要です。「ブランド力が浸透していない」「Aという商品の売れ行きは良いが、収益が少ないのはなぜか」といった点を踏み込んで考えてみましょう。自社の立ち位置を明確にする作業が、新規事業の骨組みを組み立てるためには必要だといえるのです。新規事業を立ち上げたにもかかわらず、自社が抱える経営課題を解決できなければ、やはり計画の見直しが必要だと判断できます。また、新規事業を行うときには「顧客のニーズ」をきちんと踏まえておく視点も持つのが大切です。顧客ニーズがあるからこそ、新たな事業を立ち上げたり、新商品を開発したりといった意味合いが出てきます。事業としてはすばらしいアイディアだったとしても、そこに実際の顧客が存在しなければ収益を上げることができません。そのため、顧客アンケートやヒアリングなどを通じて市場環境の分析を丁寧に行っていくことも重要なのです。

新規事業に対する将来への見通しの立て方

新たな事業を始めるためには事業を走り出させる前に、事業計画をしっかりと練り込んでおく必要があります。まず立ち上げようとする新規事業を通じて、顧客に対してどんなベネフィット(利益)があるのかを明らかにしましょう。他社が類似した事業を行っているのなら、顧客はなかなか振り向いてくれないものです。「同じようなものなら、いらない」というのが顧客の本音だということを踏まえて、自社が行おうとしている事業が本当に顧客のニーズをくみとっているのかを厳しく見ていく必要があります。それをしっかりと見定めることによって、企業としてのミッション(使命)もハッキリとしてきます。「どんな意味があって、この新規事業を行うのか」といった部分がなければ、新規事業に携わるスタッフをまとめ上げることが難しくなってきます。ニーズとビジョンを押さえることによって、ビジョン(将来への見通し)も固まってきます。具体的には「どう収益化していくのか」といった部分ですが、市場環境の分析などを数値化できるものはどんどん数字にしていく作業が求められます。そうすることで取引先や融資先も巻き込んだ事業戦略を立てることができるのです。

顧客ターゲットとするペルソナの正しい設定の仕方

新規事業を行ったり、新商品を開発したりするためには顧客ターゲットをきちんと決めておくことが大切です。(※2)自社の都合ばかりを優先させて事業を推し進めても、顧客からそっぽを向かれてしまっては失敗をしてしまいます。売り手目線だけではなく、買い手である顧客目線についてもしっかりと考えておきましょう。具体的には「ペルソナ」と呼ばれる想定される顧客像を明らかにしておく必要があります。ペルソナは自社にとって理想的な顧客像というものですが、単に自社にとって都合の良い顧客を想像するのではなく、マーケティングなどの結果からどういった顧客の反応が見込めるかを精査していきます。年齢や職業、家族構成やライフスタイルなど多角的な視点から顧客像を定めていくことが大切です。そして、このペルソナが抱えている悩みや不安、不満を見つめて新規事業が果たす役割を決めていきます。顧客のニーズに応えることが新規事業を成功させる鍵となるのです。

ライバル企業と差別化できる自社の強みを見出す

新たな事業を行うのは何も、自分の会社ばかりとはかぎりません。流行が起こっている市場であれば、多くの企業が参入してくるのはビジネスでは自然な流れだといえます。事業を立ち上げるうえで大事なことは「他社が行う事業とどの点が違うのか」をハッキリと顧客に分かる形で提示していくことです。似たようなものであれば顧客は関心を示しませんし、たとえ関心を示してくれたとしてもすぐに「価格競争」に陥ってしまいがちです。いったん価格競争に入ってしまうと、そこから抜け出すのは容易なことではないため収益を圧迫していく要因になります。こうした事態を未然に防ぐためにも、ライバル企業との差別化については踏み込んだ形で精査しておく必要があるでしょう。

事業を成功に導くために必要なPDCA理論

事業を成長させ、成功に導くためのフレームワークとして「PDCA理論」という手法があります。Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)を意味しており、これらの課程を繰り返して行うことにより問題点を1つずつ解消していく方法です。(※3)PDCA理論を行ううえで大事なことは、それぞれの項目を「数値化」することにあります。数字によって計画を立て、具体的にどれくらい数字が上がったのかを見ていきます。そして、次はどれくらいの数字であれば達成できるのかを決めて問題を解決していくのです。企業経営にとって数字で物事を考えるのは基本といえるべきものでしょう。数字を明らかにすることによって、より具体的に新規事業を推し進めることができるのです。

新規事業の成否を分けるフレームワークの重要性

フレームワークの手法はさまざまなものがあるため、自社に合った方法を見つけ出していくことが肝心です。そして1つの手法にばかりこだわってしまうのではなく、いくつかの手法を組み合わせて効果を検証していく姿勢も大切になってきます。いずれにしても、新規事業は最終的には顧客の利益につながるものでなければなりません。その上で自社の収益をきちんと確保するためには、市場において確かなポジションを得る必要があります。多くの顧客から支持される事業を行っていくためには、事前の事業計画の練り上げが大切な作業になってきます。漠然としたアイディアや想いだけで事業を進めていくのではなく、可能なかぎりすべての事項を数値化していき、誰に対しても説得力をもった事業計画を立ててみてください。その際に有効に機能していくのがフレームワークですので、新規事業の立ち上げで煮詰まってしまったときには、ぜひフレームワークを活用してみましょう。これまで気がつかなかった視点で物事を考える良いきっかけとなるでしょう。

※1https://ferret-plus.com/454   ※2https://www.centsys.jp/media/persona-marketing/
※3http://bizhack.jp/newbiz9framework/