新規事業の立ち上げでは、成功につながるアイデアを出せるかが重要となります。

新規事業を立ち上げたいけど、そもそも何から始めればいいか分からない…

新たな収益源を作りたいけど、事業のアイデアが思いつかない…

他社の成功事例を参考にして、自社の新規事業を考えたい
新規事業の立ち上げで、こんな悩みや課題をお持ちの中小・ベンチャー企業の経営者は多いのではないでしょうか?
アイデア出しが詰まってしまう原因は、ずばり「新事業に必要な情報インプットが不足しているから」です。
新規事業のアイデアを考えるには、まず大量のインプットが必要です。言い換えれば、大量のインプットを行うことで、おのずとポンポンっとアイデアは出てきてしまうものです。
今回は、これまで数多くの新規事業の立ち上げを支援してきた(株)Pro-D-useの岡島が考える、価値ある新規事業アイデアを出すために効果的な「アイデアのインプット&発想法4つ」をご紹介します。

また、アイデアをより具体案に落とし込むために活用できるフレームワーク4つや、新規事業を成功に導くための重要なポイント(ヒント)も合わせて解説していきます。
この記事で以下が理解できます
- 価値ある新規事業アイデアを出す、効果的な手法がわかる。
- 「アイデアを具体案に落とし込む」フレームワークを知る。
- 新規事業を成功に導く重要なポイント(ヒント)がわかる。
この記事を読み終えると、こんなことが実現できます
- 成功する可能性が高い、新規事業のアイデア発想法が分かる。
- アイデアを具体化させるフレームワークの活用法が理解できる。
- 新規事業を成功に導く大事なポイントが押えられる。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
「Pro-D-use」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで200件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
そんな「Pro-D-use」に【新規事業の無料相談】してみませんか?詳しくは新規事業支援サービスページをご覧ください。
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▼目次
新規事業を成功させるための良いアイデアとは
そもそも、新規事業を成功させるための良いアイデアとは、どのようなアイデアなのでしょうか。
新規事業のアイデアというと、誰も思いつかなかった斬新なアイデアを連想しがちですが、斬新なアイデアで新規事業が成功する可能性は非常に低いものです。
経済産業省の中小企業白書を見ると、中小企業の新規事業の成功確率は15%程度と推定できます。実際に、現場で中小企業の新規事業からご相談を受けている私の感覚で言うと、もっと低いのではないかなと感じます(10%以下)。
中小企業における新規事業は、そもそも成功させるのが難しいプロジェクトだと言えるでしょう。
中小企業の新規事業において、最も重要なのは市場選びです。特に、選ぶ市場に「マーケットが十分にあること」です。
斬新さを求めてニッチな領域やブルーオーシャンにこだわってしまうと、マーケットが十分にない領域で事業を展開することになり、成功の可能性が低くなってしまいます。ブルーオーシャンにこだわらず、需要が大きく供給が少ない市場を選択することが重要です。
新規事業のアイデアを出す際は、市場や競合、自社を十分に調査・分析した上で、需要が十分にあり自社の優位性を発揮できるようなアイデアを生み出す必要があります。
また、顧客の持つ課題・悩みを解決できる事業や、安定した利益を得られる事業のアイデアを出すことが、新規事業成功の近道だと言えます。
アイデア出しで最重要なのはインプット
「良いアイデアが出てこないのは、才能やセンスがないから」と思っている方もいるのではないでしょうか。
良いアイデアが生み出せるかどうかは、才能やセンスではなく、インプットの量に左右されます。以下の3つの「C」に沿って情報を収集し、インプットしてみましょう。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)

自社理解のために従業員や顧客にヒアリングしたり、競合を調査して売れそうな商品・サービスを探したりするのも効果的です。このようにインプットを十分に行うことで、30〜40個ほどのアイデアを出すことは比較的、簡単です。
良いアイデアを生み出すための基本ルール
「アイデアは出たが、新規事業につながるアイデアを生み出せない」
「たくさんのアイデアの中から絞り込むのが難しい」
このようなお悩みがある場合は、以下の2つのルールに沿ってアイデア出しや選定を行うことをおすすめします。
- 無理にニッチ市場を狙わない
- 既存事業と関係のない事業を選ばない
ニッチ市場やブルーオーシャンを狙っても、かけた時間と費用の割には利益を上げられないことも多くあります。斬新なアイデアほど、そもそも顧客ニーズがなかったり、市場への認知・プロモーションコストが膨大にかかったりするからです。
できるだけ成功の確率を高めるために、既存市場で新製品を提供する「新製品開発戦略」や、新市場で既存の製品を展開する「新市場開拓戦略」を取るのがおすすめです。

「斬新なアイデアを出すこと」にこだわりすぎず、既存事業のノウハウや人材、資本を土台として、イノベーションと収益を生み出せる事業を築くことが重要です。
価値のあるアイデアを量産するための6つのテクニック
「インプットはできたが、肝心のアイデアをうまく生み出すことができない」という方のために、価値のあるアイデアを量産するための6つのテクニックについて解説します。
アイデアを生み出すためにもっとも重要となるのは、以下の3つのポイントです。
- 身近なところから情報を拾う
- 自社だけでやろうとしない
- 大手がやりたがらないことを考える
価値のあるアイデアや情報は、身近なところにあることが多いです。従業員や既存顧客にヒアリングして、身近なところから着想を得ることをおすすめします。逆に、既存顧客以外の取引先から生まれたアイデアはあまり使えないことが多くあります。
自社だけで実現できる事業には限界があるので、他社とのアライアンスによって実現できそうな事業を考えてみるのも1つの方法です。
また、大手がやりたがらない事業に着手できるのは中小企業の強みです。大手からするとマーケットが小さい、手間や顧客とのコミュニケーションコストがかかる、属人化しやすいなどのデメリットがある事業は、中小企業にとってチャンスになる場合があります。
特に、導入時にコミュニケーションコストが大きく、顧客になったあとはそのコストが下がるような事業がおすすめです。
そのほか、以下の3つのポイントに沿ってアイデアを考えてみてください。
- 自分がお気に入りのサービスを「なぜ使っているのか?」を考えてみる
- 既存のものに新たな付加価値をつけられないか考えてみる
- 自社や業界全体のバリューチェーンから考えてみる
自分がお気に入りのサービスを「なぜ使っているのか?」を考えてみる
自分がよく使っているサービスやお気に入りのサービスであれば、それを選んだ理由も探りやすくなります。他のブランドでなくなぜそのブランドを選んだのか、なぜ人気なのかについて考えてみましょう。
その商品やサービスがどのようなニーズを満たしているのか主観的・客観的に考えていくと、魅力が明確になり、新規事業のヒントになります。
既存のものに新たな付加価値をつけられないか考えてみる
また、すでに市場に浸透している商品やサービスについて、新たな付加価値をつけられないか考えてみることも重要です。世に出ていない完全に新しいアイデアを出すことは難しいですが、既存のものに付加価値をつけるという観点であればアイデアが出しやすくなります。
たとえば、JINSは今まで視力を矯正する役割しかなかったメガネに、目を守るという付加価値をつけてブルーライトカットのメガネを開発し、ターゲット層の拡大に成功しました。 |
既存の商品やサービスでカバーしきれていないニーズや、新たな機能やサービスを追加できるかどうかについて考えてみましょう。
自社や業界全体のバリューチェーンから考えてみる
自社や業界全体のバリューチェーンを分析し、商品やサービスの価値を高めるためのアイデアを出す方法もあります。バリューチェーンとは、調達から販売までのサイクルのなかで企業が生み出す付加価値を可視化するフレームワークを指します。
たとえば、富士フィルムは写真フィルムを提供する中で持っていた技術を活かして、化粧品の開発をし、新たな市場を開拓しました。これは、フィルムの開発・製造の過程で必要な先端技術の知見が、バリューチェーンにおいて大きな付加価値を生んでおり、それを応用したと解釈できます。 |
自社や業界全体のバリューチェーン分析を行うことで、自社がどのような面で大きな付加価値を生めているかが明らかになり、新規事業のアイデアを出しやすくなります。
なお、専門知識のある方に相談してみる場合は、業界にとって斬新すぎるサービスだと否定的に見られることも多くあります。事業内容の相談ではなく、あくまでアイデア出しのための相談にとどめるのがおすすめです。
ひらめきが生まれる!ベーシックな新規事業アイデアの出し方

新規事業のアイデアは、基本的に以下の手法によって生み出されます。
- 自社の従業員や既存顧客にヒアリングする
- 社内で公募やヒアリングをする
- 他社の成功事例を徹底的に調べる
新規事業のアイデアを出すには、まずは大量の新規事業情報のインプットが必要です。情報のインプットとアイデアの発想を並行させる、具体的な手法について解説します。
1.自社の従業員や既存顧客にヒアリングする
新規事業のアイデアを検討するために、まずは自社資源への理解を深めましょう。自社の資源とは具体的に「自社の従業員」や「既存顧客」を指しており、従業員・顧客に直接ヒアリングすることで隠れたニーズがポンポンと出てくることになります。
自社の従業員へのヒアリングでは、営業担当者や顧客サポート部隊など実際にお客様と接するスタッフから下記のようなヒアリングをすることをおすすめします。
- お客様はどのようなニーズを持っていて、自社サービスを購入したのか?
- お客様がもつ困りごとは何かあるか?
- 自社サービスを展開する市場における新技術や、他社の最新動向は何か?
すると、実は社内にたくさんのニーズが眠っていることに気が付くはずです。
社員へのヒアリングを終えたら、既存顧客にも直接ヒアリングをしましょう。既存顧客にしっかりとヒアリングをし、顧客が求めているものを把握することが重要です。
経済産業省の「中小企業白書2017」によると、新規事業に成功していない企業は、市場ニーズの収集・分析にもっとも課題を抱えていることがわかります。

ヒアリングと言っても、簡単なインタビューをするだけではありません。
まずはアンケートを通じてニーズの洗い出しを行います。仮定として、顧客が抱えているであろう課題をいくつか羅列しておき、下記のような質問に答えてもらいます。
- それを解決するサービスがあったら利用してみたいか
- 具体的にどういった業務を改善したいか
- 何に課題を感じているのか
アンケートの回答を踏まえ、さらに詳しくヒアリングしたい顧客に直接話を聞き、課題を深堀りしていきます。そうすることで、今まで見えてこなかった顧客のニーズを発見することができ、実際に事業化が成功したケースもあります。
このように社内と既存顧客に徹底的にヒアリングする方が、市場やトレンドなどを考慮しながらアイデア出しに時間をかけるよりも、結果として近道なのです。
ただ、顧客にアンケートやインタビューを取り、そのまま新製品やサービスを作っても購入には至らないケースもあります。
アンケートやインタビューでわかる不満や希望よりも、顧客の具体的な行動を知る方が重要です。毎日顧客が時間を割いている業務や困っていることなどを知り、課題を解消したり時間を短縮したりするようなサービスを提供できるアイデアを出してみましょう。
この方法で見つけた新規事業のアイデアは、すでに一定のニーズがあるため、そのアイデアをカタチにしていくだけで価値ある事業を開発することができます。
2.社内で公募やヒアリングをする
新規事業のアイデアを、社内で従業員にヒアリングしたり、公募したりするのもおすすめです。
新規事業アイデアコンテストを開催し、入賞した従業員にはインセンティブが支払われるようにするとモチベーションが高まり、質の高いアイデアの創出が期待できます。
無責任なアイデア出しにならないよう、アイデアを出した従業員に責任者や子会社社長をやってもらうなどの工夫も必要です。
3.他社の成功事例を徹底的に調べる
他社の成功事例を調べ、自社の新規事業に活かすのもおすすめです。自社が持っている人材や資本を、他社と照らし合わせ、参考にできる領域について分析をしてみましょう。
他社を調査する場合は、以下のポイントで調査対象を選定しましょう。
- 同じ業界の上場企業
- 提供価値が似ている企業
- ビジネスモデルが似ている企業
同じ業界の上場企業の事業を手本にする
上場企業は決算書を誰でも閲覧することができ、ヒントを得やすいのでおすすめです。上場企業では綿密な市場調査や競合調査をしたうえで事業化していることが多く、お手本にして事業化するのが成功の近道だと言えます。
できれば過去数年分の決算書に目を通し、立ち上げから収益化までの推移を確認することで、どのように新規事業を進めていったのかを探ります。また数字だけでなく、組織体制や推進・運用体制まで見ると、自社で応用するための手がかりが見つかるでしょう。
「提供価値」が似ている企業の事業を参考にする
また、提供価値が似ている企業の成功事例を調査する際は、主軸事業のほかに付随事業についても調べることで新たな発想を得られる場合があります。
たとえばバス会社が新規事業を立ち上げるとします。その際に調べたいのが、自動車、電車、飛行機などの「人を運ぶ(移動させる)サービス」を提供している他社の事例です。 また、航空会社では、客室乗務員のスキルを活かして、他社にビジネスマナー研修を提供している事例があります。さらに、鉄道会社の事業を調べてみると、人だけではなく、貨物の輸送サービスも提供していることが分かります。 |
ここで「どういった企業がそのサービスを使っているのか?」「どのようなニーズからそのサービスが誕生したのか?」を調べていくと、バス会社の新規事業にも活かせるヒントが得られるかもしれません。
このように、直接の競合ではないけれど「提供価値」が似ている他社が、どういった付帯事業を提供しているのか調査してみることで「そういう発想があったのか!」と、新たな視点を得られます。
「ビジネスモデル」が似ている企業を参考にする
ビジネスモデルが似ている企業を調査し、自社で活かせるアイデアを探してみるのもおすすめです。これは、すでに新規事業を立ち上げたものの、うまく収益化できていない場合にも有効な方法です。
たとえば、とあるヒゲ剃りメーカーでは「ヒゲ剃り本体を安く売り、利益率の高い替え刃で収益を上げる」というビジネスモデルを構築しました。これに似ている事業として挙げられるのが、プリンターとインクカートリッジです。 プリンターも「本体を安く売り、インクカートリッジで継続的に収益を上げる」という点でヒゲ剃りメーカーと類似しています。 |
このようにビジネスモデルが似ている企業がどのように成功しているのかを研究することで、自社で活かせるアイデアが見つかることもあります。
他社がどのようなビジネスモデルを採用しているのかわからない場合は、『業界地図』のような書籍を活用してみてください。
体系的に情報がまとまっているので、効率的かつ網羅的に情報収集がしやすく、全体像も把握しやすいのがメリットです。本にはさまざまな事例も紹介されているので、そこからヒントを得られることもあるでしょう。
ただし、海外の成功事例は日本でそのまま真似をしても成功しない場合も多いので注意が必要です。
海外のスタートアップ企業が成功している背景には、派手な広告施策ができるほどの多額な資金があったり、その事業を受け入れてくれる文化がすでにあったりと、一見しただけでは分からない、さまざまな成功要因が隠れているからです。
新規事業のアイデアを出す時に使えるフレームワーク一覧
新規事業のアイデアを出す際は、フレームワークを活用するとスムーズに行えます。
フレームワークは必ずしも使用しなければならないものではありませんが、活用することで、正確な判断を下すために必要な情報が整理しやすくなります。またチームで話し合う時にフレームワークがある方が、情報を整理しやすいので要点を絞って議論できるのもメリットです。
フレームワークは多数存在するため、整理したいことや目的によって使うフレームワークを選別します。例えば、新規事業のアイデアの着想を得たい時と、経営戦略を立てたい時に効果的なフレームワークは異なります。
ここでは、新規事業のアイデア出しに役立つフレームワークを一覧表にしましたので、早見表としてご参照ください。各フレームワークの詳細は、のちほど解説します。
利用シーン | 名称 | 使用目的 |
環境分析に役立つフレームワーク | SWOT分析 | 自社・外部要因分析 |
3C分析 | 自社・外部要因分析 | |
STP分析 | 自社分析 | |
アイデア出しに役立つフレームワーク | マンダラート | 自社分析ニーズ分析アイデア出し |
KJ法 | アイデア出し、整理 | |
アンゾフの成長マトリクス | 自社分析市場分析アイデア出し | |
スキャンパー法 | 自社分析アイデア出し | |
5W1H | 自社分析アイデア出し |
アイデア出し前に必須の「環境分析」に役立つフレームワーク3選
新規事業のための精度の高いアイデアを出すために欠かせない、「自社分析・他社分析・環境分析」に役立つ以下のフレームワークを紹介します。
- SWOT分析
- 3C分析
- STP分析
SWOT分析

SWOT分析とは、内部要因と外部要因を分析し、自社の状況を把握したり経営戦略の基盤として活用したりするのに使えるフレームワークです。
SWOT分析では、以下の4つの項目にしたがって現状を書き出します。
Strength(強み) | 目標達成に寄与する内部環境 | 自社実績、技術力など |
Weakness(弱み) | 目標達成の妨げになる内部環境 | 自社の苦手分野など |
Opportunity(機会) | 目標達成に寄与する外部環境 | 市場トレンド、経済状況など |
Threat(脅威) | 目標達成の妨げになる外部環境 | 競合他社、人材不足など |
上記の4つの項目をそれぞれ掛け合わせて、戦略を考案します。たとえば、「Strength(強み)」と「Opportunity(機会)」を掛け合わせることで、自社の強みを最大限に活かせる戦略を立案することが可能です。また、「Strength(強み)」と「Threat(脅威)」の掛け合わせで、リスクを回避しながら自社の強みを活かす方法を分析、立案できます。
3C分析

3C分析は、市場・競合・自社理解からアイデア出しまで、さまざまな場面で活用できる重要なフレームワークです。
以下の3つの要因を分析して、外部要因と内部要因の両方を把握するために用いられます。
Customer(市場・顧客) | 業界の市場規模や成長性、顧客ニーズや消費者行動など (外部要因) |
Competitor(競合) | 各競合の業界ポジション・特長・注目すべき動向など (外部要因) |
Company(自社) | 自社の理念・ビジョン、サービスの強み、資本力や人材など (内部要因) |
自社も含めた3つの「C」について情報を集め、成功要因を分析したり事業の方向性を考案したりするのに役立てられます。
STP分析

STP分析とは、自社の優位性を獲得できるセグメントを発見するために用いられるマーケティング手法です。
Segmentation(セグメンテーション) | 市場を細分化する |
Targeting(ターゲティング) | ターゲット層を抽出する |
Positioning(ポジショニング) | 自社の競合優位性を確立する |
有限な経営資源をうまく活用し、自社の新製品が受け入れられやすいターゲット層を絞り込むために、STP分析を行います。STP分析によって自社のポジションや優位性を明らかにすることで、競合との衝突を避けながら利益を上げる施策を取りやすくなります。
「アイデア出し」に役立つフレームワーク5選

新規事業のアイデアを出したり、出されたアイデアをブラッシュアップするのに役立つ、以下の5つのフレームワークを紹介します。
- マンダラート
- KJ法
- アンゾフの成長マトリクス
- SCAMPER(スキャンパー)
- 5W1H
マンダラート
マンダラートは、3×3の9マスに事柄を書き出して、思考を整理したりアイデアを生み出したりするのに用いられるフレームワークです。
はじめに3×3の9つのマスを書き、中心にメインテーマを、周りの8マスに関連する事柄を書きます。そして、周囲に書いた8つのキーワードを派生させて、それぞれを中心のメインテーマに置いた新たなマンダラートを作るというステップです。

新規事業のアイデア発想にマンダラートを活用する場合、まずマスの中心に新規事業の候補を書きます。次に、その新規事業を実現するための必要事項を周りの8マスに書き、それを中心に新たにマンダラートを作ります。
このように段階的に言語化することで、新規事業のヒントが少しずつ明確化されていくでしょう。
KJ法
KJ法とは、情報やアイデアを効率よく整理するための手法です。情報をカードや付箋の上に1つずつ記載し、グループにまとめながら情報を整理します。
KJ法を行う前の情報出しは、ブレインストーミングを通じて行います。ブレインストーミングとは、あるトピックについて参加者が自由に意見やアイデアを出し合うことです。
ブレインストーミングで出された情報やアイデアを付箋やカードに書き、関連性があるカードを同じグループとして分類します。さらにグループ同士の関係性を、線や矢印といった記号を用いて表現します。
情報やアイデアの優先順位付けや課題の洗い出しに適した方法で、参加者に明確に情報共有できるという点がメリットとなる手法です。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスとは、「製品」と「市場」を整理するのに用いられるフレームワークです。
「製品」と「市場」を2軸に置き、その2軸をさらに「既存」と「新規」に分け以下の4パターンに整理します。
- 既存市場×既存製品… 既存事業でシェアを伸ばす
- 新規市場×既存製品… 既存事業をベースに他業種へ参入する
- 既存市場×新規製品… 既存事業で新製品を販売する
- 新規市場×新規製品… 新サービスを新市場で販売する

このフレームワークを使って整理と分析を行った結果、製品を変えずに市場を変えるだけで、新たな柱となる事業が完成することもあります。
ここでもっとも避けたいのは、新規の市場×新規の製品で新規事業を立ち上げることです。
このエリアは「製品」「市場」ともに、これまでのノウハウや資産をまったく使うことができず、新規事業の立ち上げおよび収益化のどちらともかなりハードルが高くなります。大企業のような資金と時間に余裕がある場合でない限り、おすすめしません。(正直、大企業でもおすすめはしません)
SCAMPER(スキャンパー)

SCAMPERとは、「Substitute(代用)」「Combine(結合)」「Adapt(応用)」「Modify(修正)」「Put to other uses(転用)」「Eliminate(削減)」「Reverse・Rearrange(逆転・再編成)」の7つの要素から、アイデアを展開していくフレームワークです。
具体的に解説すると、次のような問いに言い換えることができます。
- Substitute(代用) …他のものに置き換えることはできるか?
- Combine(結合)…他のサービスと組み合わせることはできるか?
- Adapt (応用)… 他のアイデアや他社サービスを応用できるか?
- Modify(修正)…修正可能か?
- Put to other uses(転用)…他に使い道がないか?
- Eliminate(削減)… 削除または取り除ける要素はないか?
- Reverse・Rearrange(逆転・再編成)…逆にしても使えるか?並べ替えることはできるか?
上記7つの問いにひとつずつ答えていくことで、元のアイデアをさらに深められ、曖昧だったポイントがより明確になります。
また、項目を洗い出していくことで、今まで思いつかなかった新しいアイデアを生み出すことも期待できます。
5W1H
5W1Hとは、抽象的なテーマを具体化し、より現実味のあるアイデアに落し込みたい時に活用できるフレームワークです。
5W1Hは「What(なにを)」「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」「How(どうやって)」の頭文字を取ったものです。事業をする上で大事な要因をひとつひとつ言語化し、思考や行動の精度を上げアイデアをより具体的にしていきます。

どのようなターゲットにどのようなサービスを提供するのか、そのサービスはどこでどのように使われるのか。さらに、「なぜそれを使うのか」も把握することで、今まで見えてこなかった重要なポイントが見つかります。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
「Pro-D-use」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで200件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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優れたアイデアによって新規事業立ち上げが成功した事例|大手企業
優れたアイデアで新規事業立ち上げに成功した事例を、3つ紹介します。Pro-D-useがコンサルティングした案件ではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。
事例1.顧客の解決したい問題からアイデアを生み出した「ダイハツ工業」

ダイハツ工業株式会社のらくぴた送迎は、送迎の効率的なルート作成や、施設とドライバーの相互連携、送迎業務の見える化などが可能な介護事業者向け通信サービスです。
デイサービスや介護施設などの送迎では、道が混雑している時間帯に複数の利用者宅を時間通りに巡回することが難しいという課題がありました。
らくぴた送迎では、適切な巡回ルートを専用アプリで表示してくれます。また、施設とドライバーとの間でキャンセルを簡単に相互連絡できたり、施設や利用者宅への到着を自動で通知するといった機能もあります。
介護事業者向けの送迎サービスという市場で成功するための、細やかな戦略が練られたサービスです。
事例2.自社のバリューチェーンから着想を得た「富士フイルム」

富士フイルム株式会社はその名前が示すように、もともとは写真フィルムのメーカーであり、日本のリーディングカンパニーでした。
しかしながら、写真フィルムのマーケットの縮小に対応するため、自社の持つリソースを活用した業態転換を余儀なくされました。
さまざまな試行錯誤の結果、化粧品を開発し、本業のフィルムとはまったく異なる市場に参入することを決定しました。
化粧品の材料は、粒子が細かいほど肌への浸透力が向上します。素材の粒子を細かくする技術は、究極的には原子や分子スケールの微小物体を扱うナノテクノロジーにも通じる先端技術ですが、富士フイルム株式会社にはその技術があったのです。
実は、写真フィルムと肌の角質はほぼ同じ20マイクロメートルで、写真フィルムの製造技術は化粧品の製造に転用可能なのです。フィルム上に塗布する感光剤の微粒子化の技術では、長年の技術的蓄積がありました。その技術を化粧品に応用して新製品開発を成功させています。
既存の経営資源の価値を技術的な価値の意味として根本的に問い直し、有効活用可能なマーケットに向けて新製品を開発して成功した事例といえます。
事例3.消費者のニーズからアイデアをうみだした「ホンダ」

本田技研工業株式会社の「ホンダジェット」は、2015年から発売された小型ビジネスジェット機で、2021年の納入数が37機と同クラスで5年連続で首位を獲得しています。
他社には真似できない独自のエンジン配置や開発を行った結果、従来のビジネスジェット機に比べて、燃費や速度、客室容積や操作性、静粛性などを高めることに成功しました。また、超軽量ジェット機としては比較的低価格で販売されています。
自社の技術を生かすだけでなく、コロナ禍での密を避けられる移動手段の需要など、消費者のニーズを的確にキャッチした成功例です。
また、人気ロックバンドとのタイアップCMを製作し、2018年上半期にYouTube上でもっとも再生された広告になるなど、広告に力を入れたことも成功の要因です。
優れたアイデアによって新規事業立ち上げが成功した事例|中堅・中小企業
ここからは、Pro-D-useがコンサルティングした、中堅企業・中小企業の成功事例を紹介します。各社が抱えていた課題に対して提供した支援や、得られた成果について詳細に解説しますので、ぜひご参照ください。
事例4.株式会社ビー・ファクトリー様

【企業概要】
株式会社ビー・ファクトリー様は、無店舗型の音楽レッスンビジネス(講師派遣サービス)を提供している企業です。
東京都内に直営店舗が7店舗あり、ボーカルやピアノのレッスン、話し方トレーニングなどを提供しています。
【抱えていた課題】
2020年から始まったコロナ禍で、店舗でのレッスンが「三密」と呼ばれるビジネス形態であったため業績が悪化し、一時は売上が90%ダウンするという事態に陥りました。
既存顧客からオンラインレッスンを希望する声があり、弊社Pro-D-useがプロジェクトを主導して新規事業立ち上げにつなげました。既存顧客の声を、新規事業のアイデアとして活用した事例です。
【支援内容】
- 市場調査、競合調査
- 事業計画(シミュレーション)作成
- 社内のプロジェクトマネジメント
- 外部パートナーのマネジメント
- サイトやLP、広告周りなど販促関連のディレクション
- ITシステム導入、および改善
- オペレーションの構築、改善
【得られた成果】
- 緊急事態宣言の2ヶ月後にオンラインレッスン事業立ち上げ。翌日から問い合わせが発生し収益化に成功。
- 無広告状態であったにもかかわらず、問い合わせのうち10%〜15%がオンラインレッスンに関するものに。
- エリアに制限されることなく、顧客層の拡大に成功。
Pro-D-useは、現在でも株式会社ビー・ファクトリー様の経営支援や他の新規事業立ち上げ支援を行っており、過去最高の売上・利益額を達成しています。
事例の詳細については、以下の記事をご参照ください。
事例5.コスモス食品株式会社様

【企業概要】
兵庫県に本社を持つコスモス食品株式会社様は、フリーズドライ食品やエアードライ食品、冷凍食品などの製造を手がけている企業です。
大手企業とのOEM製品を中心に製造してきましたが、自社のオリジナルブランド開発という長年の夢がありました。
【抱えていた課題】
オリジナルのフリーズドライ食品ブランドを立ち上げましたが、その後8年にわたって利益が確保できず、赤字の状態が続いていました。
同社はオリジナルブランドの認知向上のための施策として、既存の取引先への案内や全国キャラバンを実施していましたが、どれも成果にはつながりませんでした。
Pro-D-useがこの事業に参画し、営業戦略・戦術の見直しと構築を行いました。施策の実施や従業員様のマネジメントまで並走し、成果へとつなげました。
【支援内容】
- 調査(市場調査、競合調査など足を使って情報集め/売り方・陳列などの把握)
- 実営業(営業代行、営業同行で現場館をつかむ)
- 営業環境の整備(営業資料、営業ツール作成、トークスクリプトの作成)
- ロックオン顧客(5社)の設定と営業、契約
- 新規顧客の販路の開拓
- 営業部長のマネジメント(メンター)
- 営業戦略の策定
- 次年度の営業目標・予算・KPIの設定
- 営業ロードマップの作成
- 営業ツールの作成
- 営業メンバーのマネジメント代行
【得られた成果】
- 全体の売上のうち、オリジナルブランドの売上の割合が2%から20%へ
- オリジナルブランドの売上が5年で7倍になり、数十億円レベルの売上に
コスモス食品株式会社の事例については、以下の記事で詳細をご覧ください。
精度の高いアイデアを活用して新規事業を成功させよう

新規事業では、自社の強みを活かして顧客の持つ課題を解決し、市場において安定した利益を獲得することが成功の秘訣です。そのような事業を立ち上げるためには、市場や自社、競合に関する十分なインプットをしたうえで新規事業のアイデアを出す必要があります。
既存顧客や社内でのヒアリング、他社の成功事例の調査などを行い、集めた情報をさまざまなフレームワークを利用して整理・分析します。自社や他社の分析に役立つフレームワークや、アイデア出しに役立つフレームワークを紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
精度の高いアイデアが出せない、アイデアを実際の事業に落とし込めないという場合は、外部の専門家に支援を依頼するのもおすすめです。アイデア出しから事業企画、戦略の構築、運用までをお客様の一員として支援するPro-D-useに、ぜひ一度ご相談ください。
新規事業は「なんとなく」で進めると、必ず失敗します。上手くいく新規事業には一定のパターンがあり、それを知らずに新規事業を始めてはいけません。
「Pro-D-use」は、“伴走型の新規事業支援” を得意とするコンサルティング会社です。これまで200件以上の新規事業の相談を受け「売上10.38倍」「営業利益大赤字→営利23%の黒字化」など、多くの実績をあげてきました。
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